第96話 つわもの との戦い
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ヒデオ
「そうだな 俺もアモンにお礼を言わなくてはならん 剣の達人に会わせてもらっただけでなく しっかりと根回しまで しもらっていたのだからな」
ヒトミ
「…へ…へぇー…そ…そうなんだ…良かったね」
ヒデオは ヒトミに向かって 満足げに頷いたが その後に 思い出したかのように 首を捻る
ヒデオ
「……しかし……不思議なのだ…剣の達人にもかかわらず 剣の事を 何一つ教えてもらえなかった…ん?……そういえば…魔法の事ばかりだったな…」
ヒデオは 再び考え込み 若干の違和感と疑問が浮かぶ
ヒトミ
「そ!そんなことより!帝都に戻りましょ!ね?」
これ以上 ヒデオが違和感を感じる前に ヒトミは話を終わらせた
ヒデオ
「ん?…あ…ああ!!そうだな では 帰ろう」
ヒデオとヒトミは 帝都に向かう その後ろに 緊張したキーナが無言のまま 付いて行く
そして 3人の前に 帝都が見えてくる
キーナ
「…………あれが…帝都…な…なんて…大きさ…」
ヒトミ
「キーナは 帝都に来るの初めて?」
キーナ
あ…ああ…もちろん 初めてだ…」
ヒトミ
「そうなんだ 用事が終わったら 色々見て回ったら?わたし 案内するわよ?」
キーナ
「……ありがたいが 事が終わったら 急いで戻り すぐに報告しなきゃいけないんだ…」
ヒトミ
「報告?あ!そっか そうだよね!じゃあ また暇な時にでも 遊びにおいでよ」
キーナ
「……ああ…その時は お願いするよ……わたしが……消滅しなけりゃ……な…」
キーナは ほとんど 消えかけの声で 答えた
ヒトミ
「??ん?なんて?」
キーナ
「いや なんでもない…ありがとう その時は お世話になるよ」
ヒトミ
「うん 任せてよ!!」
ヒトミは 満面の笑みで ガッツポーズをして見せた
そして 帝都の城に着く
ヒデオとヒトミは もちろん躊躇なく 帝都の門に向かう
キーナ
「ちょ…ちょっと待ってくれ ヒトミ……その…わたしは 何処で待っていたらいい?」
ヒデオ
「別に 気にせず 我々の後に続いて来ればいいぞ 何か言われたら 私が説明する」
ヒトミ
「そそ 行くよ」
ヒデオとヒトミは 何も気にすることなく 門番がいる場所へ向かう
キーナ
「そ…そんな……あ!ちょっと 待ってくれー!」
キーナは 慌てて 後を 追いかけた
そして ヒトミとヒデオは 門番に挨拶をする
ヒトミ
「ハロ アモンちゃんいる?」
門番
「あ!これは ヒトミ様 アモン様ですか?ええ 多分 問題ないと思いますよ ……ん?そちらの方は?…見覚えがないですが?」
キーナ
「!!!あ…わ…わたしは…」
気が動転し キーナは アタフタする
ヒデオ
「我々の連れだ」
キーナ
「………!!え!?そ…それだけ!?」
門番
「そうですか ようこそ 帝都へ」
キーナ
「!!!え!?」
ヒトミ
「んじゃ 行きましょうか」
ヒトミとヒデオは 談笑しながら アモンのいる部屋へ向かう
所々 兵士にすれ違ったりするが 通行の邪魔にならないように 事前に兵士は壁側にピッタリと張り付いていた
だからといって 兵士たちは ヒトミとヒデオに対して 恐怖を感じていたりするわけでもなく 中には 軽く会釈だけで済ませる兵士もいたりしたので ますます キーナは この2人の存在が 分からなくなっていった
キーナ
『……兵の反応が バラバラだ…い…一体 この2人は…な…何者なんだ…』
そうこうしているうちに 立派な扉の前に着くと ヒトミは 扉を 遠慮なく叩く
ヒトミ
「今 大丈夫?アモンちゃん?」
アモン
「…………ん?帰って来たのか?……しかし 遠慮なしだな…ったく いいぞ!」
ヒトミ
「今 帰ったよ」
アモン
「ああ……って!ヒ…ヒデオ……も いたの…か…ち…違うんだ…」
ヒデオ
「おお!アモン!紹介でなく 色々と根回しまで してくれたんだな!感謝する!」
アモン
「………え?…どういう…」
アモンが 困惑していると そーっとヒトミが近付き アモンに耳打ちをする
ヒトミ
「……ヒデオさん 全然気付いてないの…未だに剣の達人の場所を 紹介してもらっていると 思っているわ……」
アモン
「は?え!?…気付かなかったのか……う…嘘だろ…」
ヒトミは ここで 急に真剣な表情で 考えを巡らす
アモン
「??ん?どうした?ヒトミ?」
ヒトミ
「しっ……よし…」
ヒトミ
「……あ!そうだ ヒデオさん 剣は刃こぼれとかしてない?」
ヒデオ
「ん?急にどうした?母さん?」
ヒトミ
「せっかくの大事な剣なんだから お手入れしないといけないんじゃない?」
ヒデオは ヒトミの急な発言に 疑問に思うが 少し気になり 長剣を出す
ヒデオ
「………うん…問題ないと思うぞ?」
ヒトミ
「……チッ…あ!…ヒデオさん それは もしかしたら その剣を作った人にしか 分からない損傷があるかもしれないわ 大事な場面で 折れちゃったりしたら 大変よ?」
ヒデオ
「……大事な 場面…か…」
ヒデオは 目を瞑り その状況を 想像する……
ヒデオ
「なかなかの強者だ!!しかし!!残念だったな!お前の剣は もう見切った!!」
つわもの
「な…なんだと!ふん!負け惜しみを!!見切ったというならば 見事 防いで見せよ!!ハァ!!」
つわものが ヒデオに向かって剣を振り下ろす
ヒデオは その振り下ろした剣を 見事に剣で防ぐが 剣に小さなヒビが入る
ヒデオ
「な!なに!?ぐわぁーー!」
ヒデオは 吹っ飛ばされていき 壁に激突した
ヒデオ
「……あ……ま…まさか…お…俺の 剣が……」
ヒデオは 自分の剣を見ると 真っ二つに折れていた……
つわもの
「ハッハハハ!!残念だったな!剣が折れるとは!これで お前は…終わりだ!終わりだ…わりだ…だ……」
ヒデオ
「……うむ…これはこれで なかなか…」
ヒデオは 剣が折れても 見せ場が大いに有りなので ちょっといいかな?って思ってしまう
ヒトミ
『…あ…また この人は 空想の世界に入ってる…そして この顔…間違いない!折れた場面を想像して 満更でもないと 思っている顔だわ!』
ヒトミは この状況を 覆す一手を打つ
ヒトミ
「ヒデオさんの剣が折れたら ピンチよね?大体そんな時は 仲間が犠牲になるのよ?……剣が 折れちゃったせいで ……わたしが…ううん…いいの…それで ヒデオさんが かたきを討ってくれるなら…う…うぅ…」
ヒデオ
「!!!だ…駄目だ!そんなことにはならない!!」
ヒデオは 何度も 首を振りながら ヒトミを見つめる
ヒトミ
「……本当?…だったら その剣 購入したお店に一度見てもらって……ね?」
ヒデオ
「…う…うん で…でも その もし 何かあっても…」
ヒデオのお小遣いは もう一つの剣を購入した時に すっからかんになっていたのであった
ヒトミ
「もう…しょうがないわね……はい」
ヒトミは ヒデオに青白硬貨を2枚渡す
ヒデオ
「!!!い…いいのか!?」
ヒトミ
「無駄遣いしちゃ ダメよ?わかった?」
ヒデオ
「あ!ああ! で…では 私は 一足先に 行ってもいいかな?」
ヒデオは 早くゴムドとアルマの刀剣の店に行きたくて ソワソワしだす
ヒトミ
「全く…しょうがないわね…いいわ 後の説明は 私がするから ヒデオさんは行っていいわよ」
ヒデオ
「ありがとう!母さん! では アモン!色々と感謝する!また のちほど 改めて伺おう!では!」
ヒデオは そそくさと アモンの部屋から出て行った
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