第88話 いざ 修行の旅へ
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アモンは 考えを巡らす
当初の作戦は 第3の塔を奪還した後 そのままの勢いで 第2の塔まで攻めるつもりだったが 第4の塔を 占領されてしまったことで 作戦変更を余儀なくされたからだ
アモン
「……やはり 第3と第4を 同時に侵攻しなくてはならないな…部隊を2つに分けなければ……しかし 一極集中でも 兵の数が心許ないのに…」
アモンは 独り言のように呟きながら 机に置いてある クルミのような木の実を無造作に掴む
乾いた音が鳴り 綺麗に半分に割れる
中身を慣れた手付きで取ると 口に放り込む
アモン
「………相変わらず 不味いな……」
アモンが 部隊編成に悩んでいる中 扉を叩く音がする
コンコン…
アモン
「………ん?……今日の来訪者は…うん なかったはずだ…誰だ?……入っていいぞ」
扉が開き 中に入ってきたのは ヒデオだった
アモン
「おお!どうした?オレの部屋に 自ら来るなんて 初めてじゃないか?」
ヒデオ
「そうか……そういえば そうだったな… うむ 実は 少し聞きたいことがあってな…」
アモン
「聞きたい事?何だ?何を聞きたい?」
ヒデオ
「……うむ アモン どこかに 剣の達人 の 心当たりはないか?」
アモン
「剣の達人?なんで また?」
ヒデオは アモンの言葉を聞き 一つ大きく深呼吸をする その後 天井を見つめ 語り出した
ヒデオ
「……話せば 長くなるんだが…俺は 自己流で 剣を振ってきた… しかし ここにきて 少し壁を感じてな……そこで 自分と違う流派を学べば なにか 見えると思ったわけだ…」
アモン
「…………」
ヒデオ
「…………」
アモン
「…………終わり!?…ど…どこが 長いんだ…ま…まあ いいか…そうなのか…ってか そもそも ヒデオは 剣より 魔法を伸ばした方が……」
ヒデオ
「ん?何か言ったか?」
アモン
「………いや…なんでもない……そうだな…剣の達人か…知っているといえば 知っているが…」
ヒデオ
「本当か!?紹介してくれ!頼む!」
アモン
「……残念だが 紹介は出来ないんだ…」
ヒデオ
「な…何故だ!!」
アモン
「……どうも オレの統治の考え方が 気に入らないらしく オレとは敵対関係だからな…」
ヒデオ
「そうか ……まあ それはいいだろう」
アモン
「!!いいの!?いや よくねえよ…とにかく そういう事だから 紹介は出来ないんだ」
ヒデオ
「紹介出来ないなら 場所を教えてくれ」
アモン
「……しかし…何かあったら ユウキに顔向け出来なくなる それに ヒデオは剣より魔…」
ヒデオ
「いや そこでこの身が果てたならば 所詮 その程度だったということだけだ」
アモン
「いや…そうじゃなくて…ヒデオは 魔法のほ…」
ヒデオ
「もう いい!もう頼まん! わかった 教えてくれないのだな…ふん!まあ…いい いることが分かれば 探せば何とかなる 情報を集めれば 特定できるだろう ではな…」
ヒデオは 扉に向かい 歩き出す
アモン
「……………」
ヒデオは 扉を開けたが なかなか出て行かない
アモン
「………??」
ヒデオは チラチラとアモンを見る
アモン
「……???」
ヒデオ
「………おい!そこは アモン!お前が折れるのが 当然だろ!? わかった 教えてやる って なるのが 定番なのだ!」
アモン
「え?……そうなのか?」
ヒデオ
「そうだ そういうものなのだ だから 場所はどこにある?」
アモン
「……なんだか 良く分からないけど お前が 引き下がらない事はわかった…ただ 本当に敵対関係だからな いきなり 斬りつけられる可能性だってある」
ヒデオ
「ハッハハハ!いいではないか!そうでなくてはな!」
アモン
「……まあ…この程度では 下がらないよな……あ!そうそう それから 礼儀や作法やら とにかく小難しい連中達だから…」
ヒデオ
「礼儀?なら 問題あるまい 礼儀において 俺ほどしっかりしている者など いないからな!だろ!アモン!ハッハハハ!」
アモン
「………どっから そんな自信が出てくるんだよ……わかったよ…ただし 一つ約束してくれ もし 戦闘が避けられない状態になったら 戦わずに 逃げる事を約束してくれ」
ヒデオ
「……フッ…逃げる?この俺に 逃げる という言葉はない!!」
アモン
「だったら 教えないし 封鎖もする」
ヒデオ
「わかった ちゃんと逃げる」
アモン
「………嘘くせえなぁ…ところで ヒトミも行くのか?」
ヒデオ
「………母さんは 来ない…俺 1人だ…」
アモン
「……そうか…うーん…余計に心配だな……駄目だといっても 聞かないだろうし…」
ヒデオは 大きく頷く
アモン
「……仕方ない 場所は……」
ヒデオは 帝都から離れ 西に向かって 飛んでいた
ヒデオの腰には 見慣れない 1本の剣を チラッと見る
長さが 1m程と いつも使っている長剣に比べて短い剣だ
ヒデオ
「…………もう 買ってしまったのだ…後悔せず この剣も使えるように 精進せねば!!」
ヒデオは アモンに教えてもらった 剣の達人が住む場所へ 向かって行ったのだった
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