第85話 第4の塔 危機襲来
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場所は変わり 第4の塔…
ここ 第4の塔は カイが率いる 飛鳥王軍の地である
第4の塔から 東にある第3の塔が 占領されてしまった為 北からと東からの 監視に多くの兵を 配置していた
カイ軍 兵士 A
「………もう そろそろだな…おーい 異常なしと 報告しといてくれ」
カイ軍 兵士 B
「了解! では エンテ様のもとへ行ってくる」
塔の下にある 野営へ向かう
カイ軍 兵士 B
「……失礼します エンテ様 塔 北部 異常なし とのことです」
エンテ
「……わかった 北部も 異常なし だな…」
このエンテと呼ばれた者は ここ第4の塔の 守備の統括を 任されている将である
守ることが 現在非常に難しいこの第4の塔 エンテが受けた任務 それは 全滅せず 最小限の被害で 撤退することである
エンテは 考え込む
エンテ
『……何か…おかしい ここ最近 偵察もなくなった……何も なければよいが…』
カイ軍 兵士 B
「?どうかされましたか?エンテ様?」
エンテ
「……いや…少しな…」
カイ軍 兵士 B
「……失礼ですが エンテ様 最近ずっと 地上にいらっしゃるでしょ?我々は やはり 地上にいれば憂鬱になってしまいます たまには 空を翔けてみては?その間 わたしが ここで エンテ様が帰ってくるまで 待機しておりますので」
エンテ
「……ハハッ…なるほどな…それは あるかもしれんな 巡回を兼ねて 空を翔けるか!」
エンテは 同じように地上で待機しているエンテの側近とともに 空を翔ける
エンテ
「……やはり 空はいいな…頭がスッキリする…」
側近
「そうですね 大体の者は 地上にいますが 何故 ずっと 地上にいられるのか 我々には さっぱり理解できませんね」
エンテ
「……ところで いつでも撤退出来るように しているな?」
側近
「はい もちろん しかし いくら命令とはいえ 撤退をするということは なんだか辛いですね…敵から 逃げるみたいで…正直…屈辱です…」
側近は 天使たちが来るであろう方向を 睨みながら答えた
エンテ
「…そうだな 例え負ける戦いでも 最後まで 戦いたいものだ…しかし これは カイ王様からの命令だ 一人の兵も無駄には出来ないからだろう」
場所は変わり 飛鳥王カイ の王都…
ここ王都は 断崖絶壁にそり立つように 城が築かれている ここに住むほとんどの者が 背中に翼を持っているせいか 高い所にいないと 落ち着かないからだ
大きくせり出した城の一部など 他の種族だと 震えあがるほど 危険地帯だ
その中の 一室で カイは 考え込んでいた
カイ
『………うん…やっぱり どう考えても おかしい…』
カイ側近
「どうしたんです?また 考え事ですか?」
カイ
「……ねえ…なんで たったの1000の軍勢で 第5の塔に 攻め込んできたと思う?」
カイ側近
「………そうですね…相手の力量を調べる為?急な動きに どれだけ対応が早いか?とかでしょうか?」
その言葉を聞いたカイは その場を行ったり来たりした
カイ
「うーん…違う…そうじゃない…天使の力とは 圧倒的な数…なのに わざわざ北からしか攻められないとこに行く?…いや…違う…楔……今 僕らの守りは いびつな形だよね…なんで…」
カイ側近は もはやカイが 何を言っているのか 分からなかった
しかし カイの側近たちは 全く気にしない なぜなら カイは 戦略を練る時 自問自答を繰り返す そして 出した答えは確実に的を得る カイの戦術の臨機応変さには 誰にも勝てる者はいなかったからだ
カイの側近たちは それを知っているので 時間がかかろうとも 皆 カイの発言を待つ そして その発言が どのような無理難題な決定も 反対するものはいなくなっていた
そして 行ったり来たりを 繰り返していたカイの足が止まる
カイ
「うん 異常だ そうだね…変化があるのは これから10日 それまでに 何かが…起こる」
カイは そう言うと 扉の前に歩き出す
カイ側近
「カイ様?ど…どちらに?」
カイ
「決まってる 第4の塔だよ」
タキオン
「んー…そろそろ見えてくると……あれか…」
タキオンの移動方法は 浮遊して行くわけではなく 転移しながら進む
出てきては 現れ 出てきては 現れる
敵と対峙した時 簡単に後ろを取れる タキオンが得意とする戦法だ
カイ軍 兵士
「………ん?……今…一瞬…何か 見えたような……違和感があれば 報告っと…おい! 何か おかしい!一応 警戒しといてくれ!」
カイ軍兵は 違和感を感じ 後ろを向き 叫んだ しかし…
タキオン
「……醜い…醜いなぁ…お前ら 地獄の者は 醜すぎる そう思わないか?」
カイ軍兵が 後ろを向いた時には すでに タキオンは目の前にいた
カイ軍 兵士
「!!なっ…て!敵襲!!」
タキオンは 右手を剣状に変え そのままカイ軍兵士に 振り下ろし 真っ二つにした
ただ 最後に敵襲と 叫んだおかげで タキオンを カイ軍兵で 取り囲んだ
エンテ
「たった 1匹でやってくるとはな よっぽどの強者か…それとも…ただの馬鹿か…全軍!守備体制!2人1組となって 前後警戒せよ!」
エンテの指示により カイ軍兵は 背中合わせになる
タキオン
「………ほー…今のオレの行動で 万全の体制をとったか…まぁ…どうでもいいがな…」
タキオンは その場から動かず 転移し 1番近い兵2人の近くに転移
タキオン
「両方 潰せば問題ないだろう!」
タキオンの右手は さらに伸び 2人の兵を 真正面から突き通した
エンテ
「……まずいな…守備体制でも一撃でやられるか…お前たち!!今 カイ王が必ず 異変に気付き こちらに向かってきている!!少しでも 時間を稼ぐぞ!!全軍 飛散!!」
エンテは 守備体制はほぼ無駄と早々に判断し 的を絞らせない為に 全員を タキオン中心に動き回るようにする
タキオン
「ちっ…ちょこまかと…うるさいハエどもめ!」
エンテの作戦は 見事に 的中する
タキオンは 動き回るカイ軍兵に 翻弄され 空振りが増えていく
エンテ
「………よし このまま 翻弄し続けよ 攻撃は必要ない!」
タキオンは どんどんイライラが溜まってくる
タキオン
「………醜いハエども!! いい加減にしやがれー!!」
エンテ
「……!!!全軍!やつから 距離をとれ!!」
エンテは タキオンの動きに違和感を感じ 兵に距離を開けるように指示したが 半分近くの兵は 距離をとるのに間に合わなかった
タキオンは 自分を中心に まるで雷のような 電気を放出
距離を取れなかったカイ軍兵は その放出した電気に接触 すると カイ軍兵は ある一部の兵以外 動きが止まってしまう
エンテ
「……麻痺か!麻痺耐性を持っていない兵は 撤退せよ!!」
タキオン
「……さて 反撃開始だ…」
麻痺にかかってしまい 身動きが出来ない兵に タキオンは転移し そのまま容赦なく 真っ二つにする
さらに 最初の放出で接触せず 距離を開けていた麻痺耐性を 持っていないと思われる者に向かって 次々と転移
カイ軍兵は 転移している間に 直撃は避けれることが出来るが 麻痺の電気を放ちながら転移するので その電気に接触してしまう
そして 動けなくなった兵を タキオンは笑いながら 消滅させていく
タキオン
「フハハハ!!醜くても 消えゆく時は 美しいなあ!!」
カイ軍兵
「!!くっ!」
タキオンは 麻痺になった兵を頭上から 伸びた手を振り下ろす が 大きく弾かれる
カイ軍兵
「く…くそ!!………え…な…なにが…」
タキオン
「なんだぁ?………これは……防御壁…」
カイ
「………エンテ!!全軍 撤退の指示を出しといて」
カイは 黒い翼をはためかせて タキオンを見下した目で 睨んだ
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