第75話 ユウキ 救難信号を出す
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少し いつもより 長めです
ユウキ
「サヤカ!あそこ! 周りに比べて 段差がないだろ?……ちょっと あそこで休憩しないか?」
サヤカ
「ほんとだ ここまでずっと 歩きっぱなしだし……ちょっとぐらい休憩してもいいよね」
グミ
「………いくら 平地とはいえ 猛毒エリアであることは間違いないぞ…本当に 休憩する気か?」
ユウキ
「あ…やっぱり ここも毒なのか……たしか…猛毒は…あ!そうだ サヤカ ピザ窯持って来たんだろ?あそこで ピザでも食べながら 休憩しよう!な!」
グミ
「おいおい…ちょっと待て…流石に食いもんは 出した瞬間 腐っちまうぞ?」
ユウキ
「フッフフフ…そうだろうな! でも 忘れたのか?アモンから猛毒まで防げる あの悪趣味なシートを!! そこにピザ窯置いて そこで食べれば大丈夫なはずだ」
サヤカ
「あ!なるほど!いいわね!せっかく 具材一杯持って来たんだし そうしましょうか!」
ユウキは 猛毒を防げるというシートを 広げる
ユウキ
「おおー…意外とでかいな しかし…このデザインは…ほんと 悪趣味だな…まあ いいけどさ…さて 本当に毒を 防げるのかな?」
ユウキは シートの枠に入り ブレスレットから 野草を取り出す
ユウキ
「…うん このシート内では 変化しないな…よし シートの外に出してみるか…」
ユウキが 野草をシートの外に出すと 一気に茶色くなり 音もなく崩れ去ってしまう
ユウキ
「………本当に 毒エリアなんだな…」
サヤカ
「どう?シートの上は大丈夫な感じ?」
ユウキ
「ああ このシートの上なら 問題なさそうだ! いやー…本当に アモンには感謝だな! このシートがなけりゃ ピザなんて食べられなかったよ」
グミ
「……完全に 遮断してやがる…ここまで 完璧に防げるとはな…もしかして とんでもなく貴重品なんじゃ…」
ユウキ
「おーい グミ そんなとこいないで こっちにこいよ!それとも ピザ食べないのかー?」
グミ
「いや 食べる!食べるけど… まさか 猛毒状態のやつと 優雅に食事とはね…」
ユウキ
「やっぱり たまには 外で食べるのって 楽しいよな!」
ユウキは 猛毒にかかったまま ピザが焼けるのを 眼をランランとさせながら チーズが溶ける様子を 眺めていた
そして 辺り一面 香ばしい匂いが広がり ユウキ達一行は ピザを食べながら 休憩することとなる しかし この行為が 帝都で大騒ぎになっていた事を知る由もなかった
その頃 帝都では……
遥か彼方から 猛スピードで 帝都に向かってくる1人 龍鬼王に手紙を届けにいっていた マルコである
マルコ
「ふええぇ…や…やっぱり 遠かったな…ようやく 戻ってきた…行きも帰りも全速力 もしかして 新記録じゃない?あの距離をこの短時間で往復できたのって? うん 頑張った うん 頑張ったよね!」
どうせ レミュは褒めてくれないので 自分で自分を褒める
門番
「あ!マルコ様 お帰りなさい」
マルコ
「お勤めご苦労様 ところで なにか レミュ老師から なにか言付けなかった?」
門番
「いえ?なにも 聞かされていませんが?」
マルコ
「……うん そうだよね…ありがとう…」
マルコはもしかすると 帰ってきたらすぐに戻ってこい という伝言があると少し思っていた
マルコ
『……で…でも!もしかしたら!このスピードで帰ってきたら ちょっとは!』
マルコは 淡い期待をこめて レミュの元に 急いで戻る
マルコ
「ただいま戻りました!レミュ老師!!」
レミュ
「…………遅い!!…どっか寄り道でもしてたんじゃないのかい!!……ったく…」
マルコ
「!!!う……で…出来る限り 速く戻ってきたつもりですが…」
レミュは マルコの方に向き 呆れた顔で 大きくため息をつく
レミュ
「ハァー…なんだい?いきなり 言い訳からかい?…情けない…ハァ…」
マルコ
「すみません…次は もっと頑張ります…」
レミュ
「頑張る?頑張ろうが 努力しようが 結果がでなけりゃ 意味なんてないんだよ!」
マルコ
「はい そのとおりです……すみません」
レミュ
「……もう いい…あんたに過剰な期待をした あたいが馬鹿だったんだ…もういいから そこのモニターを見てな もし 猛毒無効の印が発動したら すぐに知らせるんだよ そのサインはユウキ達が身動きできないってことだからね」
マルコ
「は…はい わかり…ぐすっ…ました…」
マルコは 半分泣きそうになりながら モニターの前に座る
モニター画面が涙で滲みながらでも マルコは言われた通りに瞬きもせずに見る
マルコ
「………うぅ…ぐすっ……ん?…猛毒無効の印が発動?…!!!レ…レミュ老師!!ユウキさんから 救難信号が飛んできました!!」
レミュ
「なんだって!!」
レミュは 慌ててマルコの隣にいき モニター画面をみる
マルコ
『うわー!!近い近い!!レミュ老師の顔がぁぁ こんな間近にいぃぃ!!』
レミュ
「うん…間違いないね マルコ!すぐに アモンに伝えて来な!その間に あたいが 場所を特定しとく!!急げ!!」
マルコ
「は!!はいいい!!」
マルコは 全速力で アモンの元に向かって行った
アモン
「………なんだ……なにか胸騒ぎが…するな…なにもなければいいが…」
マルコ
「た…大変です!!」
アモン
「ど!どうした!な!なにがあった!!」
マルコ
「猛毒無効の印が発動しました!!」
アモン
「な…なんだと やはり…さすがのユウキでも 厳しかったのか…マルコ!!すぐに 毒無効の兵を集めれるだけ かき集めろ! それから あいつらがいるところ モニター画面で写せるか!?」
マルコ
「はい!今 レミュ老師が 場所の特定をしています!!」
アモン
「よし!わかった すぐにオレはレミュの元に行く!!」
アモンは 大急ぎで レミュのいる場所へ向かう
アモン
「レミュ!!どうだ 映し出せるか!!」
アモンは シートの上に ユウキとサヤカがいる事を願う
アモン
「………頼む…いてくれ…いれば 助けに行ける…頼む…」
レミュ
「……………よし!印の発動場所が特定できたよ!………これで…映るはず!!」
そして……アモンの心配も虚しく シートの上にピザ窯を置き ピザを食べて 談笑しているユウキ達を 見ることとなった……
アモン
「…………」
レミュ
「…………」
そこに 偶然近くにいたレモンが 通りかかる
レモン
「なんだか 慌ただしいわね……ん? お兄ちゃん こんなとこで何してるの?」
レモンは アモンの隣まで 小走りで向かい モニター画面を覗く
レモン
「…ねぇ…何見てるの?………あーー!!スライム食べてる!!くーーっ卑怯だわ!!」
そこに アモンの指示により 毒無効をもっている兵を 集めに行っていたマルコが戻って来る
マルコ
「アモン様!出来る限り 集め終わりました!全員 消滅覚悟の猛者ばかりです!………って…あれ?一体どうかしたんですか?ま…まさか…もう…手遅れ…です…か…」
アモン
「……いや…マルコ…ご苦労だった…集まった兵には 金硬貨10枚 報酬として渡して 解散させといてくれ…」
マルコ
「え?………解散??」
その頃 城の中庭に集合していた 兵 約50名
兵 A
「………この中で どれだけの兵が 戻って来れるのか…」
兵 B
「……そうだな…誰も踏破出来ない未開の地だ……誰も…戻っては…」
兵 Ⅽ
「ちゃんと 別れはすんだか?俺はすんだぜ なんでも保償金がたんまり出るらしいから 俺は心残りはない」
兵 Ⅾ
「…へーっ…いいなぁ…俺1人だから 別れを告げる相手がいねぇや…」
兵 Ⅽ
「…そっか…よし お前は ここへ帰ってこい!なんとしても生き残り 俺たちの最後 伝えてくれ!」
兵 Ⅾ
「そ…そんなこと…俺も消滅覚悟でここにきたんだ!生き残ろうなんて 微塵も思ってない!」
兵 Ⅽ
「そう 言うな…消滅する覚悟は 立派だが 生き残る事も立派なことだ…いや 生き残る方が 重荷だな…なんせ 消滅した者の想い…全て抱えながら生きるのだから……ん?…マルコ様が 来たぞ!!」
全員 真っ直ぐ前を向き 全員死出の旅を覚悟する
マルコ
『………うわ…全員 白の鉢巻きしてるよ……言いにくい…言いにくすぎるぞ…』
帝都の兵は 誰がやりだしたか分からないが 前線に配置された兵 本隊到着までの時間稼ぎの兵は みな 白い鉢巻きをするようになった 消滅覚悟で任につく表れを表現することで 自分 そして周りを鼓舞するためだ
このあと マルコは説明をすることに 悪戦苦闘をしたのは 言うまでもなかった
続きが気になる方 高評価よろしくお願いいたします