第225話 馴染み2人
遅くなりました…
そして エミリたちは帝都に向かって 出発する……
リク
「うわぁ!デン!見て見ろよ!ほら!」
リクは 興奮しながら指を差す
デン
「………僕たちの住んでた村が……あんなに小さく……」
アルマ
「ん?なんや?そんなに珍しい光景か?」
アルマは寝っ転がりながら話す
デン
「う…うん…空からなんて見たことないし……」
リク
「そもそも 僕らは村から出た事ないしね」
アルマ
「ふーん…それで?何しに帝都に行くん?」
デン
「え!?……えっと……」
リク
「それを探しに行くんだよな な!デン!」
アルマ
「へー… ええやん 考えるよりとにかく動く奴 嫌いやないで………ん?」
アルマは 何気ない会話をしていたが デンに違和感を感じる
アルマ
「………たしか……デンっていったよな…自分……」
デンに違和感を感じたアルマが話しかけた時 遠くから雷鳴が鳴る
エミリ
「………んー?…なに?あの光……雷?」
エミリが目を凝らしていると どんどんと轟音が大きくなり スキアを中心に 円状に雷が落ち出す
アルマ
「どないしたんや?エミリ」
エミリ
「わかんない!でも 多分だけどかなり遠くから雷の魔法を撃ってきてる!」
アルマ
「……雷の魔法か……」
寝っ転がっていたアルマは むくっと起き警戒態勢を取る
ヒガン
「大丈夫ですか!!アルマ様!」
左翼側にいたヒガンが心配したのであろう 慌てて飛んでくる
アルマ
「別に問題ないで 今の所はな」
ヒガン
「そうですか ひとまずよかった では 私は前方に様子を見て参ります」
ヒガンが 前方に飛び出しそうになった時 右翼側にいたゴムドも飛んできていた
ゴムド
「その必要はない」
アルマ
「なんや?じじぃ どういうことや?」
ゴムド
「よく見よ アルマ あの雷を」
アルマ
「…………かなり強力な雷やけど……あれ?殺傷能力がない?」
ゴムド
「その通り 見せかけの雷じゃ」
???
「フハハッ!!さすがはゴムド殿!」
ゴムド
「やはり そなただったか ヒデオ殿」
ヒデオ
「ハハハ!少し驚かせようと思ってな いや 申し訳な………あ…」
ヒデオは ここまで言った後 急に力を失ったように ガクッと体制を崩し落ちていく
ゴムド
「………む?……いかん!!」
ゴムドは 落下していく 慌てて助けに行く
ゴムド
「ヒデオ殿!ヒデオ殿!どうした?何があった!?」
その時 スキアも警戒していたが 何かを発見したのか 目を輝かせる その後 甘えた鳴き声を出し スピードを上げる
エミリ
「わわ!?な!なに!?どうしたの!スキア!」
スキアがスピードを上げてすぐ エミリも目視確認が出来る
エミリ
「………あー…なるほど……そっか そうだよね ヒデオさんがいたんだもんね」
そして スキアは顔を摺り寄せる そこには 申し訳なさそうにしているヒトミがいた
ヒトミ
「ごめんね……やめなさいって言ったんだけど…」
ヒトミは スキアを撫でながらエミリに話しかける
エミリ
「ヒトミさーん!お久しぶりです!」
そこに ヒデオを抱えたゴムドもやって来る
ゴムド
「やはり ヒトミ殿もいらっしゃったか」
ヒトミ
「ゴムドさん ごめんなさい あなたにも迷惑かけちゃって…」
ゴムド
「いえいえ それは問題ないんじゃが……」
ゴムドは 抱えているヒデオに目を配る
ヒトミ
「はぁ……全く……大丈夫ですよ ただの魔力枯渇状態だから………スキア ごめんだけど 背中貸してくれない?」
もちろんと言わんばかりに スキアは可愛い声で返事をする
そして ゴムドは ヒデオをスキアの背に寝かせる
アルマ
「………ん?誰かと思えば 気前のいいおっさんやないか!?どないしたんや?」
ゴムド
「魔力枯渇状態だそうだ まあ すぐには 目覚めんじゃろ」
ゴムドは そう言うと 魔力の実を取り出すが ヒデオを見た後 ゴムドの手が止まる
アルマ
「………なんやぁ?出し惜しみか?けちくさいのう……」
アルマは 大きくため息と同時に軽蔑した目で見る
ゴムド
「……違う そうではない……なんだ?………これは?」
ゴムドが困惑する中 ヒデオの身体から何かを吸引しているように光が集まる そしてヒデオはムクッっと起き上がった
ヒデオ
「………むぅ……また計算が合わなかった……お?ゴムド殿 すまん 迷惑をかけた」
ヒデオは ゴムドに頭を下げる
ゴムド
「そ…それは 構わん………だが……も…もう 意識を戻されたの…か?」
ヒデオ
「ん?ああ 魔力枯渇状態は 少し慣れたようだな だが まだまだだな………一瞬とはいえ 意識が切れてしまった…」
ゴムド
「………慣れでどうにかなるものではないのだが……いや…ユウキ殿と関わり深い方だ わしの常識では図れぬ事は分かっている して ヒデオ殿 なぜこんなところに?」
ヒデオ
「うむ それは……」
エミリ
「ちょおっとまったあああ!もしかして こんな見晴らしのいいお空で 世間話でもする気!?そりゃ こんだけのメンツが集まってれば 何があっても大丈夫だと思うよ?だ!け!ど!私は 早く帝都に帰りたいんですぅ!!」
エミリは スキアの頭の上に立ち 前屈みになりながら怒鳴る
ゴムド
「そ…そうであったな すまぬ つい…」
エミリ
「………それに…」
エミリは ぐるっと見渡し わざとらしく大きくため息をつく
ゴムド
「……どうされた?」
エミリ
「どうされた?じゃないです!ゴムドさん言ってましたよね!陣形がどうだとか!周りを見て下さいよ みーんな スキアの元に集まってきちゃって!その陣形とやらは 今 機能してるんですか!?」
右翼側にいたゴムドはもちろん 右翼側にいたヒガンだけでなく 後方にいた ヒガンの部下さえもスキアの元に集まっていた
ヒデオ
「ハッハハハ!エミリちゃん 俺は かなりの距離を把握出来る 今 誰もおらんぞ!だから 安心して…」
エミリ
「そういうことじゃないんです!!」
ヒデオ
「ひっ……ご…ごめんなさい…」
ヒデオは いままでエミリに怒鳴られたことが無かったので ビビってしまう
ヒガン
「……?ん……!!なぜ!?お前たちまでここにいるのだ?」
部下A
「……そういうヒガン様も 右翼側にいなきゃいけないのではないのですか?」
ヒガン
「うっ……お…俺は 何かあったかもと……いや!俺のことはどうでもよい!だが どういうことだ?お前たち3人は いままで実直に任務をこなしてきたではないか?だから お前たち3人を選んだんだぞ?なぜ 俺の顔に泥を塗るのだ!」
部下A
「ええ 私たちはどんな任務でも 難なくこなしてきた自負しております」
部下B
「そしてこの行為が 命令違反だということも 理解している…」
部下Ⅽ
「フフフ……でもねヒガン様 私たち3人は命令違反してでも この場にいなきゃいけないのよ…」
ヒガン
「はぁ!?お…お前たち……な…何を言って……」
ゴムド
「………ほう…それは どういう意味じゃ?」
ゴムドは 急に真剣な顔をし 右手の拳をグッと固める
アルマ
「………うちの後ろに…」
アルマは 部下3人の方を見ながら小さく呟く その言葉を聞いたデンとリクは アルマの影に隠れる
ヒトミも スーッとエミリの前に行く
その時 3人が一瞬ピクッと動いた事を エミリは見逃さなかった
エミリ
「……もしかして ヒトミさんの知り合いですか?」
ヒトミ
「……いいえ…知らないわ…」
ヒトミは 首を振る
ヒガンの部下3人は 何かを決心したかのようにお互い顔を合わせた……
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