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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第14章 お祭り 前編
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第215話 スキアの体力

エミリ

「ほら!全速力!走れ!走れ!………あー!また尻尾が下がってるよ!デンが落ちちゃうでしょ!」

スキアはドタバタと広場を走らされ 徐々に下がっていく尻尾を指摘され クイッと上げ元に戻す

デン

「わわっ!」

デンは エミリの命令により 尾の先で跨らされ 不意に戻る尻尾にバランスを崩す

リク

「も!もういいでしょ!………わわっ!」

リクは 真逆に頭にしがみつかされながら エミリに訴える

エミリ

「だめ!だめ!頭から尻尾まで意識して走れば 全身のエネルギーを効率よく消耗するのよ! 無駄に蓄えたエネルギーをね!さあ!スキア!私がいいと言うまで 全速力で走るのよ!」


スキアは 逆らうことなく全速力で走る

何故スキアはこんなにもあっさりと従うのか それは スキアは少し全速力で走っただけで 自分でも驚くほど スタミナが全然無くなっていたからだ

もともとブラックドラゴンという種族は ドラゴン種の中で上位種になる スタミナはもちろん 魔法 飛行 どれをとっても優秀だ そのブラックドラゴンの中でも スキアは特に魔法は誰にも負けない程 秀でており スタミナ等は 魔法 飛行ほど優秀というほどではないが それでも他のブラックドラゴンに比べるとかなり上位だ

だが ユウキの家に住むようになり 身体を大きく広げながら 寝返りを打っても有り余るスペース 暗く過ごしやすく全くストレスのない環境 そして 狩りをすることなく 毎日運ばれてくる食事……

こんな生活を続けば 当然 以前の引き締まった身体を維持出来るはずもなく どんどんと弛んだ身体になっていくのは必然だった


弛みきったその体では 走る事もままならなかったが 少しでもスタミナを戻すため スキアは グッと眼光を光らせ 頭を垂直に保ち 尾の先までピーンとさせ 前傾姿勢で スピードを上げ走り出す


デン

「おお!?す!すごい!!」

リク

「尻尾の先まで真っ直ぐだ……お!?デンが見えた!おーい!」

頭にいるリクと 尻尾の先にいるデン お互い手を振り合う


だが そんな 精神論 で すぐにスタミナが元に戻ることなんて無く すぐに どんどんとスピードが落ちていき 尻尾も徐々に下がり 頭もみるみる下がっていく

そして すぐに デンとリクはあっさりと見えなくなり 結局 ズザザーッと力尽きたのだった


リク

「お…おい…スキア…大丈…夫じゃないよな……でもほら エミリお姉ちゃんが 鬼神のような顔で向かって来てるぞ はら!頑張って立ち上がれ!」

息絶え絶えのスキアだったが その言葉を聞き チラッとエミリの方を見る

ノシノシと大地を揺らし 雷鳴を轟かせながら向かって来ているように見えたスキアは 目をクワッと開き 力を振り絞り立ち上がろうとする


まあ 残念ながら そんな 根性論 で 体力が戻るなど奇跡は起こる事無く ベターッとへたり込んだままだった……


エミリ

「…………」

エミリは スキアの前で仁王立ちで見下ろされると スキアは か弱い声で鳴く

エミリ

「……はぁ…嘘じゃないみたいね……全く……ここまで体力が無くなっているなんて……まあ…でも 甘やかした私の責任でもあるんだし……バタバタ動いたところで すぐに体力戻るわけでもないし……しょうがない……」

エミリの諦め声が聞こえたスキアは パァーッと明るい顔になる

エミリ

「…………ふーん……まだ 随分余力あるんじゃないの?」

エミリに再び睨まれたスキアは バタッと死んだ振りをする

エミリ

「………はぁ……あんた…いつからそんな演技派になったの……とにかく少し休憩するけど 休憩が終わったら また 全速力で走り込みよ?わかった?」

スキアは ホッとした顔になり よほど疲れたのか さらにグデーッとなり 目を閉じた


デン

「休憩だって ふぅ…よかったぁ… 僕もしがみつくのがきつくて 足がパンパンだったんだ…」

リク

「………ああ 僕も 腕が限界だ…」

デンとリクは ふぅーっと大きく息を吐き スキアの隣で座り込む

エミリ

「あんたたちもバテちゃったの!?………はぁ…情けない…」

デン

「そんな事いっても………」

リク

「………ぼ…僕たちは まだ……子供…な…んだよ…」

エミリ

「もう しょうがないわね デンもリクも休憩していいわ そのかわり 休憩が終わったら引き続き手伝ってもらうよ!」

デン

「うん わかったよ…」

エミリ

「そういえば アルマはまだかな……ちょっと見て来るね」

リク

「どうぞ 僕らは休憩しときますので」


こうして エミリはアルマが向かった方に見に行く

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