第213話 スキアのムニュムニュ
シェル
「………さて! ボグ そろそろ私たちは行きましょうか」
ボグ
「え?………あ…はい…」
エミリ
「ちょ!ちょっと待ってよ!せっかくアルマが迎えに行ったのに…」
シェル
「だからですよ もう いつ戻って来るか見当もつかなくなりましたしね」
エミリ
「??………どういうこと?」
シェル
「言葉の通りです 本人がそのように言っていたじゃないですか 良く思い出して下さい」
エミリ
「………た…たしか…アルマは……待たせるのは…いいけ…ど………!!あ!!」
ここで エミリは気付き アルマたちが向かって行った方向に駆け足で向かって行くが すでに アルマたちは見えなくなっていた……
シェル
「そういうことです ボグ 別れの挨拶は済ませましたか?」
こうして 全体的に アルマがすぐに戻ってくることはないという雰囲気となり まず ボグとシェルは 簡単な別れの挨拶をし 去っていく その後 レムとカルも 家の用事があるという事で 去っていった
リク
「………デン 僕たちほどうしようか?」
デン
「……うーん……エミリお姉ちゃんどうしよう?」
エミリ
「え…えっと……もしかしたら すぐに戻って来るかもしれないから その準備ぐらいしとこっか……それじゃあ とりあえず……」
エミリはそう言うと 空に向かって指笛を吹く すると すぐにスキアが飛んできた
デン
「あ!スキアだ!………わぁ…やっぱりかっこいいなぁ…」
デンは両手を振って スキアをお出迎えする
スキアは デンの近くに降り 頭を下げ ゆっくりと目を閉じ 摺り寄せる
デン
「キャハハハ!くすぐったいよ スキア」
リク
「…………デン 君は怖くないのかい?」
デン
「え?全然怖くないよ?リク 怖いの?」
デンは スキアの顔を全身で抱きながら キョトンとする
リク
「べ…べつに…こ…怖くなんてないさ……ただ…苦手っていうか……ぼ…僕は 一般的なドラゴンの特性を知っているからね」
デン
「へぇ…どんな?」
リク
「それは ドラゴンは雑食性で その昔 鬼子の種族も食べられたんだよ もちろん スキアほそんなことしないのは分かってるけど…」
エミリ
「間違っちゃいないけど まあ よっぽど餓死状態じゃなきゃそんなことしないけどね………ん?……それよりも……」
エミリは ふと何かに気付き スキアのお腹辺りに行き じっと見つめた後 ムンズッとお腹を掴む
エミリ
「…………やっぱり……ずっと運動不足だったからね……ハァ…ずっと食っちゃ寝 食っちゃ寝してたから こんなに弛んじゃって……」
スキアは エミリと目が合うと スーッと目を逸らす
エミリ
「………目を逸らすな!もう!だいたい 毎日食べなくても………ん?……あー!!」
エミリは また 何かに気付くと スキアの脇周りをムンズッと恐る恐る掴む
エミリ
「わ!脇周りまで!!………この部分に付くほどとは……これは……いよいよ…ガッツリ鍛え直さないと…」
スキアはその言葉を聞くと 目を見開いた後 頭を摺り寄せる
エミリ
「甘えても駄目よ 家に帰ったら 本格的にダイエットするからね わかった?」
スキアは エミリの言葉の意味は分からなかったが 語尾を強く言うエミリに 絶対よからぬ事を言われている事を悟り 涙目でプルプル震えながら 拒絶するが エミリは無視する
エミリ
「よし!デン!リク!アルマたちが来るまでスキアと追いかけっこして!スキア 魔法を使っちゃ駄目よ!わかったわね!」
こうして デンとリクは スキアと追いかけっこをする
小さなデンとリクは 小回りを効かせ スキアを翻弄させていき そして すぐに スキアは口が開き 息切れを起こす
デン
「おーい!スキア こっちだよ!………ん?」
スキアは 目で追うが 息切れぎれで動かなくなり ついに座り込んでしまう
リク
「……座り込んでしまったな……もしかして 全然スタミナ無いんじゃ…」
エミリ
「こらー!座るなぁ!」
スキアは エミリに罵声を浴びせられ しぶしぶ立ち上がる
リク
「お!立ち上がった」
デン
「よし!リク ギリギリまで近付こう!」
リク
「危なくないか?」
デン
「危なくないよ そもそもスキアに動いてもろう為なんだから」
リク
「……わかってるさ…だけど…ほら 見なよ………あの牙…それに 鋭利な爪……あんなのにちょっとでも触れたら 僕らなんてひとたまりもないぞ」
デン
「大丈夫だって スキアはそんなことしないよ」
リク
「……でもなぁ…万が一ってこともあるから………あ……」
リクは なかなか踏ん切りが付かず 躊躇していたが デンはすでに向かっていた
リク
「……考えも無しで………言っておくが 別に怖がっているわけじゃないからな!」
リクもデンを追いかけた
そして…