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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第14章 お祭り 前編
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第212話 オロスとゴムド

ゴムド

「言葉の通りです!ぜひ!御教授してくだされ!」

オロス村長

「ゴムド様 少し落ち着いて下さい」

村長は まるで子供の様に高揚しているゴムドを なだめようとする


ゴムド

「申し訳ない……ですが これほどの衝撃は いままで受けたことがないのです」

オロス村長

「………うーん…今は 何を言ってもお気持ちは変わりそうにないですね……」

村長が 困っている様子を見たゴムドは ようやく村長を困らせている事に気付く


ゴムド

「む?……あ!す!すまぬ……急にこんな事言われても 困らせるだけなのに……本当に申し訳ない…」

また頭を下げるゴムドの顔は 明らかにしょげていた

オロス村長

「………ゴ……ゴムド様……そんな顔しなくとも……」

ゴムド

「いや……わしは愚かじゃった…… 今 この村は大きな変革を迎えようとしている時期 そんな大事な時に 浅はかに村長を困らせるなど……愚か……全く持って愚か者じゃ……村長 いままでの愚かな発言 全て どうかお忘れ下され……」

ゴムドはそう言って もう一度頭を下げ トボトボと入口に向かって歩き出す


オロス村長

「……あ……お!お待ち下さい!ゴムド様!」

ゴムド

「いや 気にしないで下され…」

オロス村長

「いえ お聞きください あなた様は 地位も名誉も頂点まで登り詰めた方なのでしょう」

ゴムド

「いえ わしはとうの昔にそんなもの全て捨てた者 今のわしは何も持っておらんよ…」

オロス村長

「それはゴムド様本人が言っているだけのこと 周りはそうは思っていないでしょう」

ゴムド

「…………」

オロス村長

「そんな方に 急に弟子にしてくれと言われたら……やはり……正直 困惑しました……ですが…同時にそんな方に認められた事……私たちがしてきた事は やはり間違いではなかったと誇らしくなりました…」

ゴムド

「……オロス殿…」

オロス村長

「………それでも あなた様を弟子にする事など やはり 恐れ多くて……出来ません……」

ゴムド

「……わかっております」

オロス村長

「……ですから ここはそういう括りなど無くして…………友……ということにしませんか?」

ゴムド

「………とも?」

それを聞いたゴムドは 難しい顔をする

オロス村長

「………?……あ!す!すみません!勝手すぎですよね!気分を害したならすみません!」

ゴムドの険しい表情見た村長は 慌てて撤回する

ゴムド

「……すまぬ…村長……」

オロス村長

「で!ですよね!ハ……ハハハッ!わ!私の方もどうかお忘れ下さい!」

ゴムド

「いや……そうではなく………とも?とはどういった意味……なのか?」

オロス村長

「…………へ?」


ゴムドは友という言葉を知らなかった もちろんその意味も…

ゴムドは己を鍛え上げた日々も 誰にも頼る事無く ただ一人で鍛え上げてきた

恐れおののく者は多数いたが 身分関係なく話しかける者や 心許せる者など皆無だった

だが ゴムドはそれが当たり前であったし 疑問にもおもわずそれが当然だった


オロス村長

「……友という意味がわからない?………うーん…そう言われると……どう説明すれば……」

村長は 出来る限り分かりやすく説明する

オロス村長

「………とまあ……そんな感じ……かな?……うーん…いざ 言葉にするのは 難しいですね…」

ゴムド

「……な…なるほど……そういった関係か……身分など関係なく 心を許し 何でも話せる関係…か…」

オロス村長

「簡単に言えばそうです それならば 心置きなくゴムド様の質問にも気楽に答える事が出来ますし それに ゴムド様と何気ない会話の中で もしかしたら 新たな革新が生まれるやもしれません」

ゴムド

「おお!な!なるほど!!知恵を合わせれば 新しい革新が生まれるやもしれんと……お…面白い……村長!実に面白い!ぜひ!わしと友になって下され!」

オロス村長

「はい!もちろんです!」


こうして 最上位まで登り詰めたゴムドと つい前まで 奴隷とたいして変わらない身分のオロスは 種族を超え友となった

そして その後2人は 互いに協力しあい 鍛冶技術の向上や鉱山開発の発展はもちろん その枠を超え 大革新を起こすことになる


その頃……アルマは……


アルマ

「…………遅い……遅い!遅すぎる!何やっとるんや!!あんのくそじじぃは!!!」

アルマは イライラが募る

エミリ

「まあ 別に大丈夫でしょ ゴムドさんがいれば何があっても問題ないよ」

アルマ

「そんなもんどうでもいいんや うちは 待たせるのは別にええけど 待たされるんはめっちゃ嫌いなんや!!」

エミリ

「なにそれ?………まあ……アルマっぽいけどさ…」

ミナ

「じゃあ 迎えに行く?」

アルマ

「行く行く!!じっとしとるん性にあわん!それに どうせ待たしとる事も忘れてダラダラしとるかもしれんからな!」

エミリ

「えー…アルマも行くの?………なんだか アルマもなかなか帰って来なくなる予感しかしないんだけど……」

アルマ

「大丈夫や うちらははよ帰らなあかんねや すぐ戻るって 安心しぃ」

ヒラヒラと手を振りながら ミナとともにアルマは ゴムドを迎えに行くのだった……

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