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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第14章 お祭り 前編
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第209話 エミリの助言

アルマ

「エミリ!?」

エミリ

「アルマ 黙ってて これは大事なことなの いい?デンくん もしかしたら デンくんにしか出来ない事があるかもしれない でも それは君が探しに行かないと絶対に見つからないわ そして たとえ 地の果てまで探しても 何も見つからないかもしれない いいえ むしろ そっちの方が可能性は高い 高いどころかほとんどゼロに近いわ でもね…」

デン

「………でも?」

エミリ

「ゼロじゃないの デンくん 君が行動に起こせば起こすほど 少しずつ ほんの少しずつ君しか出来ない事 夢中になれる事は見つかるかもしれないの でも 何もしなければ 絶対見つからないわ」

デン

「………何もしないと……何も見つからない……」

エミリ

「そうよ 諦めることなんていつでも出来るんだから」

デン

「………うん…わかった……じゃあ…エミリお姉ちゃん!お願いがあります!」

エミリ

「なになに?言ってみて」

デン

「……僕を…僕を…帝都に連れて行ってください!!」

エミリ

「……………」

エミリは 黙ったまま じっとデンを見る デンも また 真剣にエミリは見る

しかし エミリは デンを見ていた訳ではなかった それは…

エミリ

『………だ…だよね 途中でそうくると思ったよ……カッコつけて言った手前 即答するものだけど……こ…困ったな よくよく考えたら 私…ユウキさん家の居候みたいなものだしなぁ……でも ユウキさんなら 多分 いいって言ってくれる思うけど……でも…確証がないし…』


エミリは そーっとアルマを見る

アルマは エミリと目が合うが 良く分からず首を傾げる

エミリは 首を傾げるアルマにだけ見える様に 小さく手招きをする


アルマ

「……ん?……なんや?」

エミリ

「………実はね…」

アルマに耳打ちで事情を話す

アルマ

「………なんや そんな事か ユウキならなんとかしてくれるやろ まあ どうしようも無かったら うちにきたらええよ 無駄に広いしな まあ ちょい帝都から離れとるけどな」

エミリ

「ほんと!?良かったぁ…」

エミリは ホッと胸を撫で下ろし デンに向き直る

エミリ

「よし じゃあ一緒に行こ!!」

デン

「ほ!ほんと!?あ!ありがとう!エミリお姉ちゃん!」

リク

「あ!それなら 僕も行きたいです」

アルマ

「ええよ 1人2人増えたところで さほど変わらんわ」

デン

「リクも!?よ…よかったぁ…正直僕1人じゃ ちょっと心細かったんだよね…」

リク

「僕は 地域全般見ないといけないですからね」


その様子を 少しうつむきながら じっとボグはこらえていた


リク

「………ん?どうしたんだい?もちろんボグも行くだろ?エミリお姉ちゃん ボグもいいですよね?」

ボグ

「………いや…オレは…行かない…」

リク

「え?なんで?ボグは戦士になるんだろ?」

ボグ

「ああ だからだよ まだ誰かに教えてもらえるほど 何もしていないからな まずは 体力をつけて 基礎ぐらいは習得してからだと思ってる 村を出ていくのはそれからだ」

リク

「良く分からないなあ 先に道筋を見つける方が 先じゃないか?」

ボグ

「そうだろうな でも オレはそんなに器用じゃないからな 遠回りかもしれないけど オレにはそれでいいと思ってる………わっ!」

ボグが語っていると 後ろからガバッと誰かが覆いかぶさった

???

「お?いいですね!面白そうです」

アルマ

「なんや キツネの兄ちゃんやないか いつからおったんや?」

シェル

「いたのは今し方ですが 耳はいい方なんですよ」

アルマ

「ふーん…で?なにが面白いんや?」

シェル

「この子ですよ 鬼子という種族でありながら 戦士を目指すなんて 聞いた事ないですからね」

ボグ

「………そ…そんなにおかしい事ですか…」

ボグは シェルに向かって絞り出すように声を出す

シェル

「おかしい?いえ 私はおかしいとは言ってませんよ ただ 面白いと言ったのです」

ボグ

「……同じにしか聞こえないけど…」

シェル

「まあまあ で どうです?私があなたを手解きしてあげますよ 自己流で鍛えるよりも 少しは近道だと思いますよ?」

アルマ

「ええんとちゃう?その兄ちゃん ヘラヘラしとるけど 実力はほんまもんや うちのじじぃが認めとる数少ないやつやからな」

ボグ

「………じ…じゃあ……お願いしよう…か…な?」

シェル

「ただし!」

ボグ

「は!はい!」

シェル

「ボグといいましたね あなたの時間は 分かっているでしょうが 有限です そして 鬼子という種族 はっきり言って 戦闘にはかなり不向き 私が知っている中で Eランクを越えた者を聞いた事はありません」

ボグ

「…………」

シェル

「ですが 私が指導するならば 最低でもⅮランク……いえ Ⅽランクまで上がってもらいます」

エミリ

「えー…じゃあ 私より強くなるってこと?」

シェル

「そうですね そういう事になります」

エミリ

「うー…それは…悔しいなぁ…」

ボグ

「……オ…オレが エミリお姉ちゃんより強くなれる……ほ…ほんとに?」

ボグは じっとシェルを見る

しかし シェルは 一度じっと見た後 ハァーとため息をつく

シェル

「……ハァー……駄目ですね 残念ですが いくら私が完璧な指導したとしても 不可能ですね」

エミリ

「ん?なに?どういうこと?」

シェル

「Ⅾランクを超える事は 並大抵の努力では 絶対に無理ということですよ だから ボグ 超える越えないは後 あなたは まず 自分を信じなさい」

ボグ

「……自分を…信じる…」

シェル

「ええ どうです?エミリさんを超える事 出来ると思いますか?」

ボグは 一度エミリを見た後 シェルに向き直る

ボグ

「うん!絶対エミリお姉ちゃんを越える強さを手に入れて見せる!」

エミリ

「あー!言ったな!じゃあ今日からボグはライバルだね!でも わたしだって このままじゃないよ?今よりももっと強くなるんだからね!」

エミリは 笑顔でボグを睨んだ


ボグ

『………絶対…強くなる!……そして……エミリお姉ちゃんを……守るんだ!』

ボグも 負けじと睨み返した


シェル

『………ほう…なるほど……興味深い…そういうことですか……守りたいものがあるあるということか……だから これほど強い意志を……さて どうなるか……少し楽しみですね……フフフ…よい暇つぶしになりそうです……』

アルマ

「………なにニヤニヤしとるん?……なんか…めっちゃ気持ち悪いで…」

シェル

「!!気持ち悪い!?……ハァ…しかし 貴方があの豪気なゴムド様の元にいるとは 本当に思えないんですよね…」

アルマ

「ほっとけ!それはそうと ほんならそろそろ帰ろっか ここまで長居するつもりなかったから めっちゃ仕事溜まっとるわ…」

エミリ

「そうね ユウキさんも報告待ってるだろうし……あれ?そういえば ゴムドさんは?」

アルマ

「………あ…忘れとった……村長とどっか行きよったけど……」

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