第202話 ゴムドの衝撃波
ゴムド
「………な……ま…まさか…シェル…」
マルコだけでなく シェルも見境が無くなっており 今度は マルコとシェルが戦い始めてしまう
ゴムド
「面倒事を増やしおって……致し方ない……アルマ!!」
ゴムドは 大声を張り上げ叫んだ
少し時を戻し アルマ側……
アルマ
「……一体何が起こったんや…」
アルマが ゴムドから離れ シェルが時間が経ったことを知らせに行った後 マルコとシェルが戦い始めていることに アルマは困惑していた
ヒガン
「………あ…あのぅ…何がどうなっているのでしょうか?」
ヒガンは 遠慮深く近づき 小さな声でアルマに問う
アルマ
「……そんなもん うちにわかるわけないやろ……」
その時 ゴムドからアルマを呼ぶ声が聞こえて来た
アルマ
「じぃちゃん!!なあ!あんた!何があってもいいように準備しとき!!」
ヒガン
「………え…い…一体何の準備をすれば…」
アルマ
「そんなもん自分で考え!!」
アルマは ヒガンに振り向くことなく 乱暴に言い放ってゴムドの元へ飛び立った
アルマ
「じぃちゃん!!」
ゴムド
「おう アルマ」
アルマ
「何がどうなってるんや なんで あの2人が戦ってるんや!」
ゴムド
「よく聞け アルマ もう残された時間はない 見よ シェルの作った結界が薄れていっておる……む!?い!いかん! 説明は後じゃ とにかくわしはあの2人を止める その際 あの2人 そしてわし 3人共意識が無くなるはずじゃ すまんがアルマ その後 こいつを口に放り込んでくれ わかったな!」
ゴムドほ そう言うと 3つの木の実をアルマに放り投げ ゴムドは2人に向かって行った
アルマ
「わわっ!」
アルマは突然投げられるとは思っていなく 3個の木の実をお手玉しながら なんとか手に納める
アルマ
「……な…なんや…これ………これは……魔力の実?……じぃちゃん…まさか 全魔力を放出する気?」
ゴムドは 両手に力を込め魔力を限界まで溜め 2人のスキを伺いながら 進む
ゴムド
『……むぅ…もはや時間があまりない……2人が離れた瞬間……チャンスは一度きり…2度は撃てん…』
しかし マルコとシェルの攻防は 近接で殴り合いの展開が続いていた
ゴムド
『………致し方ない……強引に間に入るしか………!!今じゃ!」
ゴムドは 中々2人のスキがなく 強引に間に入る決意を決め 突撃しようとすると ちょうど2人の打撃が交差し 2人の距離が開く
その一瞬のスキを逃さず 一気にスピードを上げ 間に入った
ゴムド
「いい加減にせい!!」
ドンッと鈍い破裂音とともに マルコとシェルの胸に近距離で波動を放つ
マルコとシェルは 片手を振り上げたまま 時間が止まり その後 糸が切れたかのように ゆっくりと体制を崩し 落ちていく
アルマ
「わぁ!!さ!さすがじじぃや!!」
アルマは パチンッと指を鳴らし ゴムドの元に飛んでいく
ゴムド
「………ふ…2人の…意思は……た…絶てた…か…」
ゴムドも 限界まで魔力を放出したことみより 意識が朦朧としていく
そこに 満面の笑みで 手を振りながら アルマが飛んでくる
ゴムド
「………!!ア!アルマ!!来るな!!まだ来てはならん!!」
ゴムドは 薄れていく意識の中 最後の力を振り絞り 大声で叫ぶ
アルマ
「へ?」
アルマは 無防備に意識をなくしたマルコの隣を横切ろうとする しかし 真横を通り過ぎる時 マルコは ガバッと起き上がる
マルコは起き上がってはいたが 目に輝きはなく 完全に無意識だった しかし 帝都の守護と言われている者 たとえ 意識が絶たれたとはいえ 近くに敵がいると判断すると排除しようとする
マルコは 無意識の中 真横を通るアルマにむかって左足を上げる
アルマ
「………あ…」
アルマは マルコが起き上がるなど想定などしていなく マルコの領域に無防備に入ってしまった
無慈悲に振り上げたマルコの左足が アルマの首元目掛けて打ち放つ
アルマは 攻撃に対して相手を石化する能力を持つが それはあくまで力が同等までだ 無意識の中 放つマルコの蹴りは 力など全く制御していない蹴りだ アルマの防壁など飴細工のように 何の抵抗も果たせないだろう
ゴムド
「アルマァーー!!」
ゴムドもその事は重々理解している ゴムドは 無理やり身体を奮い立たせるが 思い通り身体が動かない
マルコの左足の蹴りがアルマ目掛けて 振り落とす だが……
アルマに完全に命中するはずの 蹴りが空振る
アルマ
「!!………あれ?」
アルマは 一瞬目を閉じ衝撃に備えたが 衝撃は アルマの前髪をほんの少しの間 オールバックにするだけだった
アルマ
「…な…なんでや?………あ…」
アルマは 自分の目を疑う なぜなら マルコの左足は ひざ下から完全に無くなっていたからだ
アルマ
「な?なんで?」
アルマは 理由が分からず混乱し その場で立ち尽くしていた