第200話 魔力の表示
200話かぁ…やっぱり文字起こしって大変ですねぇ…所々 はあ!?ってなるとこあるかもですが それもご愛敬ってことで 許してください
これからも 自分のペースでノロノロと投稿しますが よければたまに覗いてください
ちょうどその頃 ヒトミとヒデオは 第6の塔から 帝都に帰還中だった
ヒトミ
「ちょっと待ってよ!」
ヒデオ
「待てないぞ!母さん!我が息子の晴れ舞台なのだ 始まってからでは遅い!」
ヒデオは 湯水の如く魔力を使い なりふり構わず全力で帝都に飛んでいた
ヒトミ
「はあ?何言ってるの!?一か月はかかるって言ってたじゃない まだ10日しか経ってないんだよ!?」
ヒデオ
「もちろんそれは分かっている!でも もしかしたら 早まる事もないとは言い切れんだろ?短縮出来る所は短縮する!」
ヒトミ
「………まあ…それはわかったわ…けど そんなに魔力使って大丈夫?最後まで持たず ヘロヘロになっちゃうよ?」
ヒデオ
「ハッハハハ!それほど馬鹿ではない!ちゃんと計算しているさ!!」
そして……
ヒデオ
「………か…母さん ちょっ…ちょっと待って……」
ヒデオは ヒトミの予想通り あと少しの所で魔力が枯渇し ヘロヘロでヒトミの後ろを飛行していた
ヒトミ
「ほら!だから言ったじゃない!」
ヒデオ
「…ま…まさか…魔力が足りなくなるとは……ど…どこで…計算が…ずれたんだ…」
ヒトミ
「……まともに計算出来た事あったっけ?」
ヒデオ
「…あ…しまった…範囲把握する魔力分を足してなかった……意外と消費するんだな…」
ヒトミ
「どうするの?少し休憩していく?」
ヒデオ
「そ…そうしよう…」
ヒトミ
「全く…しょうがないわね……えっと…どこか……あ!あそこの丘で休憩しましょうか」
ヒデオ
「……うん」
こうして ヒデオとヒトミは 丘の上にある立派な木の下で休憩することにした
ヒデオ
「……ふぅ…しかし…未だに慣れないな…この魔力枯渇状態というのは……」
ヒデオは 大きな木の根っこに座りながら話す
ヒトミ
「そうね あの何とも言えない気だるい感じは わたしも苦手」
ヒデオ
「徐々にくるなら 控えるんだが 一気にくるからな……それに 俺が苦手なのか それとも母さんが得意だからなのかわからんが 飛行するのに母さんに比べて消費魔力が違うからな…」
ヒトミ
「でも全く消費しない訳じゃないからね 常に注意はしているよ でも ずっと表示しているのは煩わしいから 半分になったら表示するようにしているわ」
ヒデオ
「……え?…なにそれ?」
ヒトミ
「え?……いや だから魔力が半分になったら表示するようにしているのよ?……もしかして ずっと表示してんの?」
ヒデオ
「………いや…逆だ…」
ヒトミ
「逆?」
ヒデオ
「……えっと…その……表示って……なに?」
ヒトミ
「…………」
ヒデオ
「…………」
ヒトミ
「ええーー!!あ…あなた…も…もしかして…表示したことないの!?」
ヒデオ
「…たしか 数値化?するとか言ってたけど よくわからなかったからなぁ……まぁ…それ以上聞くのも…なぁ…」
ヒトミ
「………ちょっと待って…じゃあ今までなんとなく感覚で判断していた……ってこと?」
ヒデオ
「うむ そうなるな」
ヒトミ
「あきれた……最初にアモンちゃんが ちゃんと説明してくれてたじゃない」
ヒデオ
「いやぁ…何言ってるのか全然わからなくて…でも聞き直すのもなぁと…その内わかるようになるかなって…」
ヒトミ
「……あれから一体どのくらい経ってると思ってんの……はぁ…別に難しくなんてないし 教えてあげるから…」
こうして ヒデオはヒトミに魔力の表示の出し方を教えてもらう
ヒデオ
「…………こうか?………おお!出た!……な…なるほど!これは便利だ!………しかし こうもでかいと視界の邪魔になるなぁ…」
ヒトミ
「表示を小さくすればいいじゃない……それから 右端でも左端でも邪魔にならないとこに移動させればいいの」
ヒデオ
「小さく?…そんなことも出来るのか……えっと…お?出来た!……よし…それじゃあこれを…右上に……良し!ここならば視界の邪魔にならんだろう!……ククッ…ハッハハハ!また強くなってしまったな!!……しかし こんな短期間でものにしてしまうとは……我ながら自分の才が恐ろしい!」
ヒトミ
「……どこが短期間なのよ…それに 別に強さは関係ないでしょ……」
ヒデオ
「いや 実際 今 初めて試みたんだぞ?短期間だろ?」
ヒトミ
「まあ いいわ…そういうことにしときましょ……ところでヒデオさん 前々から聞きたい事があったんだけど 聞いていい?」
ヒデオ
「ん?なんだ?改まって?」
ヒトミ
「ヒデオさん 人間だった時の記憶……って 覚えてる?」
ヒデオ
「人間の時の記憶?……それがどうかしたのか?」
ヒトミ
「……ううん 別に深い意味はないわ ただ 残ってるのかなぁって 疑問に思っただけ」
ヒデオ
「ハッハハハ!何を今さら!残っていなければ 母さんが母さんだと認識出来ないじゃないか」
ヒトミ
「うん それはわかってる ユウキが私の息子だって事も間違いないわ……でもね 記憶が…正直…曖昧っていうか……部分部分しか覚えていないっていうか…」
ヒデオ
「なるほど…しかし それは仕方ない事だろう やはり時が経つと忘れていってしまうものだろ?」
ヒトミ
「………そっか そういうことなのかな?」
ヒデオ
「それに ここ地獄で転生したようなものだろう?本来ならば 前世の記憶など覚えているほうが奇跡なんじゃないか?ほら 何度か元人間だった者にも会っただろう?だが 自分の名前以外覚えていない者たちばかりだった いや 自分の名前も元人間だった事さえも 覚えていない者たちのが多いんじゃないか? それに比べて 俺は 母さんが母さんであることを覚えている 俺はこれだけで十分 これだけでいい」
ヒデオは 根っこに座りながら背伸びをする
ヒトミ
「………ヒデオさん」
ヒトミは ヒデオに言われ少し納得する しかし ヒトミは小さな疑問は拭い切れなかった……
ヒデオ
「………ん?…これは……間違いない」
ヒデオは 急に遠くを見つめ呟く
ヒトミ
「どうしたの?」
ヒデオ
「ああ 実は…」
ヒトミ
「なんで!?」
ヒデオ
「さあ?わからん でも間違いない ちょうど近くを通るはず 魔力も少し回復したし そろそろ行こう」
ヒデオは その場でもう一度背伸びをした後 勢いよく立ち上がる
ヒトミ
「いくらなんでもそんなに早く回復しないでしょ」
ヒデオ
「大丈夫だ 問題ない さあ!行こう!」
ヒデオはそう言うと 勢いよく飛び立つ
ヒトミ
「……ほんとかな…あ!ちょっと待ってよ」
ヒトミも また ヒデオ追いかけた
少し 時は戻り オロス村……
201話からオロス村の後日談です