表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第14章 お祭り 前編
201/231

第197話 シオンの能力

アモン

「扉の前で何してたんだ?まあ いい 使者から聞いたが やはり 謁見は出来なかったみたいだな」

バロン

「あ…はい…も…申し訳ありません…」

アモン

「いや わかっていた事だったからな それで 何か気になった事はなかったか?」

アモンは 机の上に置いてある書類を見ながら 話す

バロン

「……そうですね…なんというか…その…我々を相手している暇はないと 言いたそうな そんな感じがしました」

アモン

「……なるほど…そうか…では シオン お前はどう感じた?」

シオン

「は!!はいぃ!!」

シオンは まさか声をかけられるとは思っていなく 声が裏返る

アモン

「……そんな緊張するな それに 言葉を飾る必要などない そんなもの無意味ということを教わったからな シオン お前が見て 感じたことを教えてくれ」

アモンは 書類を一旦机に置き 優しくシオンに話しかける


アモンに優しく話しかけられたシオンは 少しボーッとした後 小刻みに顔を振り 自分が感じたことを話し出した

シオン

「はい 私もバロン様と同じように感じました それと 下々の者まで 命が行き届いてないように見え バタバタした印象です もしかしたら…」

アモン

「……バタバタした印象…か……そうか やはり懸念した通り 何かあったみたいだな 虫の頂始帝 ハシャラに……」

シオン

「断定までは出来ませんが 全ての命は 頂始帝が送っているはずです なのに 以前あった規律がありませんでした 頂始帝に何かあったと考えるべきで……あ!す!すみません!!」

シオンは 普通にアモンに話している事に気付き 慌てて口を閉ざす

アモン

「……シオン そのまま続けてくれ」

シオン

「あ……は…はい その……規律がほとんどない感じが……いえ…違いますね…」

シオンは 目を閉じ その時の状況を思い出す 兵士の動き 城の城壁 通路 その他諸々 他の者なら見逃すであろう細かい所まで… それは まるで写真を撮ってきたように シオンの頭を駆け巡る


シオン

「……そうか……だから…うん…それなら 辻褄が合う……」

シオンは 上の空で 独り言のように呟く

バロン

「お…おい…シオン…さすがに…」

バロンは 流石に上の空のシオンに注意しようとするが

アモン

「バロン……」

アモンは バロンの名を小さく呼んだ後 ゆっくりと首を振る

バロン

「!!!」

バロンは この時 アモンの事を 見誤っていた事に気付いた バロンとシオンは 長い付き合いだ シオンは 自分が意識しなくとも 目に入った情景を全て覚えている そしていつでも自由に引き出す事ができるのだ それだけではない そこから推測し まるで パズルのように組み合わせ これから起こる事など予想する能力がずば抜けている


ただ このシオンの能力は 初めから知っていたものではない 長い付き合いの中で バロンが気付いたのだ 現にシオン自体よくわかっていない むしろ そこまで予測をたてていても シオン自身信じきれていない


元々 バロンとシオンは コンビを組んでいたわけではない ネドの元 2人は単独で任務をこなしていた

そして ネドが最も期待していたのが シオンである シオンは頭脳明晰で 戦闘能力も高かった どんな難題もそつなくこなすであろうと思っていた だが…

シオンは 周りが引くほど行動力がなかった いつも二の足を踏み 手遅れになってしまうことばかりになってしまう 結局 潜在能力が高いにも関わらず 誰でも出来る底辺の仕事が主体となっていた


そんな時 失敗も多いが 成果を上がれば ありえないほどの成果をあげていた者がいた それが バロンである

ネドは 自分の能力以上の成果をたまに持ってくるバロンと 能力は高いのに失敗続きのシオンを組ませた

始めこそ ギクシャクしていたが 行動力の高いバロンと慎重なシオンで 危なげなく任務をこなしていた そんな時 帝都の使者として アモンの鶴の一声でバロンが選ばれる これは本来ありえないほどの大抜擢であり 周りの者は 皆 耳を疑ったほどだった


この時 バロンは大喜びしただけだったが ここで アモンが シオンの能力を知っていたから 使者にしたのだと気付く


バロン

『……こ…この方は…シオンの能力を知っている?……いや それよりも…以前お会いした時の 刺々しさが感じない…何があってここまでアモン王子は 変わったんだ…』

バロンが アモンの印象の変わりように 内心驚いていると シオンが ゆっくりと目を開けた


シオン

「………約半年ほど前 その時に 頂始帝ハシャラからの命令が途絶えた それも突然…」

アモン

「突然 命令が消えた?……それは 外部からの介入で出来るのか?」

シオン

「いえ それはほぼ不可能です あの厳重な警備に気付かれずに 頂始帝の意思を切ることなど無理です」

アモン

「……だったら ハシャラの身に何かあったということか…もしかして…」

シオン

「いえ ハシャラは健在です 地域一帯を覆う強力な結界はあります あんな芸当 ハシャラ以外出来る者はいません………あ!いや でも 違うかも…」

アモン

「いい それがお前の回答なんだろ 合っているか合っていないかはオレが決める とにかく バロン シオン 長い期間 ご苦労だった」

バロン シオン

「あ!ありがとうございます!」

バロンとシオンは アモンから直接感謝されるとは 思っていなく 感無量だった

アモン

「……それで 帰ってきて早々悪いんだが ひとつ してもらいたい事がある 頼まれてくれないか?」

バロン

「おお!!もちろんです!!」

バロンは 感謝されるだけでなく さらに直接命を受けれることに 大いに喜んだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ