第192話 イチャイチャタイム 前編
ところ変わって マルコは……
タッタッタッ…と駆け足でレミュの元に向かう
兵士A
「……まずいな…もう…近付いただけで 消滅しそうだ…」
兵士B
「ですね……もう私たちでは…どうしようにも……あ!マルコ様!」
マルコ
「どうした?こんなところに集まって?」
兵士A
「それが…」
兵士Aは レミュの部屋に向かう通路を指差す
マルコ
「………くっ…こ…これは…」
兵士A
「最近は こんなことなかったのですが……ここまで濃度があると もう 我々では近付けそうにありません…」
マルコ
「……だろうなぁ…わかった 当分 巡回する必要はないと 全兵士に伝えて」
兵士A
「え!?いいんですか?本当に?」
マルコ
「ああ…後は 僕に任せていい」
兵士A B
「ありがとうございます!」
兵士たちは マルコにお辞儀をし 別の巡回場所に向かって行った
マルコ
『……通路にまで溢れてきてるか…久しくなかったんだけど……いつ以来かな……ん?そういえば…ユウキさんとサヤカさんが来てからなかったなぁ……多分…僕だけじゃ治まらない……最悪 ガータさんに頼んでユウキさんとサヤカさんを借りるしかないか…』
マルコは 通路に足を踏み入れる
すると 黒い霧が意思を持っているかのように マルコにまとわりついてくる
マルコ
「ひゃあ…相当機嫌が悪いぞ…これは…」
マルコは ゆっくりと黒い霧の中を進み レミュの部屋の前に行き 扉をノックする
マルコ
「………老師 マルコです 帰ってきました…」
もちろん返事などない
マルコ
「………入りますよ…」
マルコはそっと扉を開く
マルコ
「………暗いな…いや…当然か…」
レミュの部屋の中は 通路よりも濃度が濃く 真っ暗だった
マルコはそっと足を一歩踏み入れると ガシャと音がし 慌てて足を上げ じっと目を凝らすと 床には ガラスの破片やら陶器の欠片など多数散らばっていた
マルコ
「……う…うわ…」
マルコは 部屋の状況を見て絶句する
レミュ
「誰だい!!勝手に部屋に入って来るんじゃないよ!!」
奥から レミュが怒鳴り声をあげる
マルコ
「僕です!マルコです!!ただいま戻りました!!」
マルコは 足の踏み場を探しながら 奥に向かう
レミュ
「マルコ?……そのマルコが 一体何の用だい」
レミュは モニター画面を凝視しながら 素っ気なく答える
マルコ
「……え…いや…僕は…これと言って…その…」
レミュ
「……じゃあ何かい?なーんの用事もなく 勝手に入ってきたってことかい?………マルコだか何だか知らないが ここはあたいの部屋だよ!なんの用事もないなら 勝手に入って来るんじゃないよ!さっさと出ていきな!!」
レミュは マルコを見ることなく答える
マルコ
「え…そ…そんな…」
マルコは レミュに一瞥もされない事にショックを受ける
マルコ
「……す…すみません…じ…じゃあ…部屋の片付けだけしてから…出ていきます…」
レミュ
「はぁ?…誰が?いつ?そんな事頼んだ?……ったく…しつこいんねぇ…何度も言わせんじゃないよ!!出ていけって言ってんだ!!」
マルコ
「ひっ!……ごめんなさい!すぐに 出ていきます!」
マルコは バッと頭を下げ 出て行こうとする
レミュ
「…………ん?…その声…待ちな!」
レミュは 椅子を回転させ マルコの方面を見る
マルコ
「………え?」
ここで 初めて目が合う
レミュ
「……ん?なんだい…マルコじゃないか 何勝手に出て行こうとしてるんだい?」
マルコ
「え…今…あ…いえ ただいま戻りました」
レミュ
「…まったく 一体どこほっつき歩いてたんだい?」
マルコ
「はい アモン王子に 保護の依頼を受け…」
レミュ
「なんだい?また 言い訳かい?その言い訳癖直しな!」
マルコ
「申し訳ありません…」
レミュ
「もういい とにかく この部屋の物片付けな!あんたは気にもならないのかい?足の踏み場もないじゃないか!………ハァー…一体 どうやったらこんなに散らかすかね…まったく…」
マルコ
「す!すみません!すぐに片付けます!」
マルコは なにも言わず すぐに片付け始めた
それから 数分後……
レミュ
「………このデータもここまで……ちっ……たいした内容も書いてないのに…ダラダラと!!」
レミュは バンッと机を叩く
マルコ
「……!!わっ!」
マルコは 机の叩く音でビクッとなり 抱えていたガラクタ類を落としてしまう
レミュ
「マルコ!!なにちんたら片付けてるんだい!」あたいは 要領の悪い奴は大嫌いだと何度も言って……ん?」
マルコ
「申し訳ありません!すぐに片付けます!!」
レミュ
「……あんた…その…手…どうしたんだい?」
マルコ
「…あ…いえ…これは…」
レミュ
「…………ふーん…来な」
レミュは 足を組み直しマルコを手招きをする
マルコ
「……はい」
マルコは レミュに一歩近付く
レミュ
「………あんた…ふざけてんのかい?……来いと言ったら目の前に来るんだよ!!」
マルコ
「は!はい!」
マルコは 大急ぎでレミュの元に行く
マルコ
「…………あの…」
レミュ
「黙ってな…」
レミュは 左腕付近を マジマジと見る
レミュ
「……なるほどね……ふーん……ん?これは?」
レミュは いきなりグイッとマルコを引き寄せた
後編も投稿します