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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第13章 帝都帰還
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第188話 儀装馬車

マルコ

「!!!は…早いなぁ…もう着いたのか…」


そこには いままで見た緑馬竜よりも 一回りも二回りも大きな緑馬竜二頭並んでいた もちろん 緑馬竜が大きいということは 引っ張っている馬車も段違いで ちょっとした城が動いていると言っても過言ではなかった


ユウキ

「うおお!で…でけえ!!」

ユウキは あまりの大きさの緑馬竜に興奮する

マルコ

「ふぇー…ま…まさか 儀装馬車でくるとはねぇ…」

サヤカ

「ぎ…ぎそー?」

マルコ

「ええ 帝都が持つ最高の馬車ですよ」

サヤカ

「………」

マルコ

「……話の途中でしたが サヤカさん あなたの力は あなたが望む望まないは別として 絶大な力なのです 今はコントロールが難しいでしょうけど 必ず コントロールできるようになります その力をどう使おうがサヤカさんの自由ですが 出来れば アモン王子の力になってやって下さいということです さて こんな馬車で来たということは 乗っているのは…」


馬車の扉が重々しく開く……


ユウキ

「………あ!アモン!わざわざ来てくれたのか!!」

アモン

「………ったく…何があったんだ?……とにかく無事…みたいだな」

ユウキ

「おう!無事無事!ってか 何この馬車?すげぇなぁ…」

アモン

「もうこの馬車しか残ってなかったんだよ まあ…話はあと この地域は範囲外だ 帝都に戻るぞ えっと…いたいた おーいサヤカ 馬車に乗ってくれ」

マルコ

「はいはーい さあ サヤカさん行きましょう」

サヤカ

「はい…」

マルコは サヤカをエスコートする形で馬車まで誘導する

サヤカが馬車の中に入ったのを確認すると マルコも続いて乗り込もうとするが バッと乱暴にアモンに肩を掴まれる

アモン

「………おい…マルコ お前がいながら何やってんだ?」

アモンは 鋭い目でマルコを睨む

マルコ

「……ハハ…い…いやぁ…あれは防ぎようがないというか…なんというか…後で 言い訳させて下さい ね?」

アモン

「……で?…その右手…どうした?」

マルコ

「………あ…う…こ…これは…」

マルコは 口がごもる

アモン

「…まあ いい 後でゆっくり聞いてやる それより あそこで負のオーラ全開のガータも呼んで来い」

マルコ

「…は…はい かしこまりました…」


ガータ

「……た…たしか…そ…そうです…フフッ…さすが私…そして…うん…ハハ…お…覚えている…覚えていますよ…」

ガータは 上の空でブツブツと念仏のように唱えていた

マルコ

「……あ…あの ガータさ…ん?…む…迎えがきましたので…帝都に帰りましょう?」

マルコは 恐る恐る声をかける


マルコに声をかけられたガータは 一度グッと睨んだ後 ハッとした顔になり 二度頭を振る そしてそれどころではないと言わんばかりに 無表情に戻ると スタスタと馬車に向かって歩き出し その後ろを 申し訳なさそうにマルコは 少し距離をおきながら続いた


ガータは馬車に着くと 無感情のまま馬車の乗り込もうとする時 アモンは声をかける

アモン

「ガータ 色々大変だったな しかし 何事もなくよかったよ」

アモンは ガータに労いの言葉をかける だが ガータは まるで聞こえていないかのように 少しうつむいたまま 念仏のように唱えたまま歩を進めていた


アモン

「………おい マルコ ガータはどうしたんだ?」

アモンは マルコに小さな声で問う

マルコ

「……その…どうやら あの爆発でまとめていた書類 全て無くなっちゃったみたいで…」

マルコは 苦笑いを浮かべながら答える

アモン

「………そういう事か……ところで 馬車はどこだ?ユウキから走れる状態じゃないとは聞いたが…」

マルコは それを聞くと 両手を使い ジェスチャーで爆発して霧散した表現をする

アモン

「………な!?…あ…跡形もなく…消し飛んだっていうのか!?」

マルコ

「はい 大急ぎで作ったとはいえ 僕の結界にもヒビが入りましたし…瞬間的な火力は相当だったんです」

アモン

「……なるほど なんとなくわかってきたぞ…」

マルコとアモンがコソコソ話をしていると 急にガータが振り返る

ガータ

「アモン王子!!」

アモン

「!!お…おう…な…なんだ?」

ガータ

「書斎室はどこにあるのですか!?」

アモン

「書斎室?……ああ 入って右手にある階段を上がったところだ」

ガータ

「その部屋使いますよ よろしいですね!」

アモン

「あ…ああ もちろん好きに使っていいぞ だが すぐに帝都に着くぞ?」

アモンは言いながら ガータを見ると もうすでに ガータはその場にいなく タッタッタッ…階段を駆け上る音が聞こえてきた


アモン

「………ふぅー…おい マルコ 運転士に 急いで帰る必要はない むしろ 少しゆっくりと帰れと言ってこい」

マルコ

「……ですね わかりました」

アモン

「頼んだ お前の言い訳も聞かなくてはならんからな!」

アモンは 冷たい目でマルコを見る

マルコ

「う…ア…アモンさま?顔……怖いですよ?」

アモン

「うるさい!早く行ってこい!」

マルコ

「い…今 急ぎじゃないって…」

アモン

「……何か言ったか?あ?」

マルコ

「いえ…何も かしこまりました」


マルコは 運転士に急ぐ必要はないと告げ 少し躊躇しながら馬車に入った

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