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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第13章 帝都帰還
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第186話 壊れた封印

マルコ

「その手です!!手のひらから魔力を送っているんですよ!!」

サヤカ

「え!?」

サヤカは 慌てて手を引っ込める

サヤカ

「……あ…音が…消えてく…」


キーンという甲高い音が 徐々に小さくなっていく……だが…


魔力を供給され続けていた器が 小さなカシャンと音が鳴ると同時に 黒い渦が発生し魔力の圧縮が起きる


マルコ

「まずい!!」

マルコは 右手を上空にかざし 2階周辺を結界で覆う そして パッとサヤカを抱きかかえ 馬車の天井に飛び ユウキに向かって叫ぶ


マルコ

「すみません!ユウキさん!間に合いません!!」

ユウキ

「へ?なにが?………うお!!」

ぼーっとしていたユウキは マルコの方を見ると 半透明な黒い塊が 馬車内にある比較的軽い物を 吸引し始める

その後すぐに ユウキの身体さえも引き寄せられ ユウキは慌てて近くにあるテーブルにしがみつく


ユウキ

「なになに!?なにこれ?なんなの!!」

吸引力は どんどん強くなっていき テーブルに捕まっているユウキの身体が浮き出す

ユウキ

「おおお!!………お?……と…止まった?………え…」

ユウキの手の力が 限界を迎え手を放しそうになる直前 吸引する力がパッと止まる


ほんの少し 一瞬間が空く

また カシャンという小さな砕けたような音が鳴り………大爆発した……


馬車は 跡形もなく吹き飛び その爆風で吹っ飛んだ運転士は かろうじて緑馬竜にしがみつき なんとか緑馬竜をなだめようとするが

運転士

「うわぁ!落ち着け!落ち着け!うわあぁぁ……」

緑馬竜は 落ち着きを取り戻すことなく 全速力で森を駆けていき 運転士の悲痛の声は どんどん小さくなっていった


マルコ

「お?緑馬竜は 無事だったか…落ち着いたら 勝手に戻るだろ それより…ユウキさんは……あ…」

ユウキは まともに大爆発を喰らい その衝撃で地面に激突し 顔が地面に突き刺さり 小さなクレーターが出来ていた


ユウキ

「ぐぬぬ……だあ!」

ユウキは両手に力を込め 勢いよく引っこ抜く

ユウキ

「ペッ……ペッ…な…なんだったんだ……一体何が起きたんだ?」

口に入った土を吐き出し 身体に付いた土埃を払いながら 周りを見渡す


マルコ

「ハハッ…さすが ユウキさん あの衝撃波をまともに喰らって 何ともないとは……まあ わかっていましたがね!」

マルコは 少し呆れた声で 苦笑いをした


ガータ

「な…な…な!何事です!!あ!マルコさん!一体何なのです!!」

事前にマルコが結界を作っていたおかげで 全く無傷だったガータは マルコの上空でフワフワ浮いていた しかし ガータには 何が起こったのか訳がわからず マルコに向かって叫ぶ

マルコ

「あ…ガータさん いやぁ…その…ちょっと色々ありまして…ご無事でなによりです」

ガータ

「はあ?と!とにかく 降ろしなさい!」

マルコ

「あ…はい そうですね」

マルコは ガータとサヤカをそっと降ろす

マルコ

「……と…とにかく 皆さんご無事で良かったです」

サヤカ

「……あ…あの…マ…マルコさ…ん こ…これ 私が…やっちゃったん…です…か?」

サヤカは 顔面蒼白になりながら 周りを見渡す それほど多く茂ってはいない森林だったが あの衝撃波の影響であろう 見渡す限り一面更地になっていた…


マルコ

「ん?そうでしょうね さっきと景色ちがいますし でも 別に気にしなくていいですよ どうせ すぐに瘴気を吸って元にもどります それよりも……」

マルコは チラッとガータを見る

ガータ

「ああーっ!!せ!せっかくまとめた完璧なスケジュールがあぁ!!」

まとめていた書類も 全て吹き飛んでしまったようで ガータは 頭を掻きむしりながら叫んでいた


ユウキ

「マルコさん?…あのう…これは…一体何が起きたんですか?」

マルコ

「うーん…いまいち僕もよくわからないんですが 多分 封印の箇所に 過剰過ぎる魔力で壊れちゃったみたいなんです 封印が壊れるなんて 聞いたことも無いんですけどねぇ…」

ユウキ

「壊れた?」

マルコ

「はい ほら その証拠に」

マルコは パッと左足をあげる

ユウキ

「あ!元に戻ってる!」

マルコ

「でも 馬車は木っ端微塵になっちゃっいましたし……えっと たしか ユウキさんとサヤカさんは飛べなかったんですよね?」

ユウキ

「はい…飛べません…」

マルコ

「まあ2人ぐらいなら 僕が連れて行きますよ」

ユウキ

「でも……ん?…ちょっと待って…アモンからだ…」

マルコ

「アモン王子から?…ひょっとして…この爆発で?」

ユウキ

「え?ついさっきですよ?流石に早すぎでしょ?とにかく出てみますね」

ユウキは首を傾げながら アモンとつなぐ すると つないだ瞬間 アモンの叫び声が聞こえた

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