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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第13章 帝都帰還
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第184話 封印の器

サヤカ

「文字の後ろだよ?ほら 半透明な……ユウキには 見えないの?」

ユウキは 無言のままゆっくりと頷く

サヤカ

「……そうなの?あ…それって…もしかして…」

グミ

「みなまでいうなよ サヤカ」

グミは 今にも吹き出しそうな顔で サヤカに話しかける

グミ

「ああ見えて 結構傷ついてるみたいだし…ププッ…」

サヤカ

「うん 知ってる だからこれ以上この話題は…」

サヤカは グミの後ろで プルプル震えているユウキを チラチラ見ながら グミを止めようとするが…

グミ

「しっかし!あれは 笑ったよな!覚えているか サヤカ?アルマから 爛々と光っている明光鉱石を渡されてさ ユウキが持った途端 どんどん光が失っていくんだもんな!」

サヤカ

「うん 覚えているよ もうわかったから もうやめとこ ね?」

サヤカは なんとか止めようとするが グミの悪ノリが始まってしまう

グミ

「で!その時のユウキの顔見たか?ププッ…泣きそうな顔で ええーっ なんで消えんのぉーって……ブヒャハハハ!!魔力がねぇからだよ!ブヒャハハハ!?…ア…アガガガ…」

サヤカ

「!?グミちゃん!?」

大笑いしていたグミが 途中で苦しみだす

どうやら 相当きつい躾のようで 馬車の中で のたうち回りだし 壁になんどもぶつかり出した


ユウキ

「……マルコさんのあれ よっぽど難しいんだな また 元に戻っちゃったぞ」

ユウキは そこらじゅうで 苦しみながらのたうち回るグミを無視し 気にする様子もなくサヤカに話し出す

サヤカ

「う…うん…そ…そうね…」

サヤカは くるしそうにのたうち回るグミを 心配そうに見つめながら空返事をする

グミ

「……あ…サ…サヤ…カ…た…たす…グギャア!!」

グミが サヤカに助けを求めようと サヤカの足にしがみつこうとするが さらに強い刺激がグミを襲い また なんども壁にぶつかりながらのたうち回る そのうち グミの身体から空気が徐々に抜けていき ペラッペラになり ついに その場で 時々ビクンビクンと痙攣するだけになってしまう


サヤカ

「……ね…ねぇ…ユウキ ちょっとやり過ぎじゃない?」

ユウキ

「…ふん…別に問題ない どうせ 俺の中に入れば 回復するからな」

ユウキはそう言うと 面倒くさそうに グミと繋がっているヒモを手で手繰り寄せ ペラッペラのグミを 自分の中に 乱暴に放り込んだ


ユウキ

「そんなことより マルコさんのあの封印 本当に解けるのかな?」

サヤカ

「……どうかな?…何度も失敗してるみたいだけど…」


マルコ

「……また違った…く…くそ…何が駄目だったんだ……よ-し…こうなったら!」

マルコは グッと前を睨み 魔力を高める

マルコ

「……全部 試せばいいだけだ!!」

こうして マルコは 考えられるありとあらゆる方法を全て行う決意を固める

マルコ

「うおおー!」

封印の文字の羅列が 勢いよくどんどん消えていくが 最後の方でまた元に戻る

それでも マルコは気にすることなく何度も繰り返した そして…


ユウキ

「………お?マルコさんが止まった……封印は解けた…の…か?」

ユウキは サヤカに問うが サヤカはゆっくりと横に首を振る それと同時に 文字の羅列が 嘲笑っているかのように 元に戻った


マルコは意気消沈し 馬車の天井を見つめながら 呟く

マルコ

「……なんでだ…知っている事は全て試したのに……」

ユウキ

「……マルコさん 大丈夫ですか?」

マルコ

「あ…い…いやあ 見苦しいとこ見せちゃって…ハハハ…」

サヤカ

「……でも どうするんです?」

マルコ

「うーん… まあ 別にいいですよ 少し屈辱ですが 自然に解除されるまで待つことにします」

サヤカ

「自然に?……え…それって…一体いつ解除になるんですか?」

マルコ

「そうですね…後2日程で解除されますよ」

ユウキ

「ふつか!?たった2日で解除するんですか!?」

マルコ

「はい だから 別に焦らなくてもいいんですよ 少々不便ですが 気にするほどの事でもないです ん?サヤカさんどうかしましたか?」

サヤカは マルコの足元でしゃがみ込み マルコの左足を興味津々で見つめながらマルコに話しかけた

サヤカ

「……これって…この小さなコップみたいなものに 魔力を満たせばいいんですよね?」

マルコ

「え?はい 簡単に言えばそういうことですが 色々条件があるみたいなので 魔力を満たすだけでは解除できないんです」

サヤカ

「……ちょっとやってみてもいいですか?」

サヤカは 足元を見たまま返事をする

マルコ

「ええ 別に構いませんけど?」

サヤカ

「よーし……えっと…」

サヤカは 見様見真似で器に向かって 手をかざし魔力を注いでいった

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