表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第13章 帝都帰還
187/231

第183話 馬車にて

そして…


ガラガラ…


ユウキ

「……ん?あ!マルコさん!」

マルコ

「ふぅ…なんとか ユウキさんたちが帝都に着く前に 戻って来れました」

マルコは ユウキに笑顔で答える

サヤカ

「おかえりなさい マルコさん………え?…」

サヤカも振り返り マルコに挨拶をする しかし マルコの身体を見た途端 口を押さえた


それもそのはず マルコの左腕は 肩からの根こそぎ無くなっており さらに 左足も膝から下も消失していた


マルコ

「どうかしましたか?……あ!もしかしてこの事ですか?別に大したことじゃないですよ すぐに元に戻せますんで」

ユウキ

「…大した事じゃないって…結構 大事にしか見えないんですが……一体…何があったんです?…その体……ゴムドさんと戦えたということなんでしょうけど…」

マルコ

「はい!戦ってもらいました!……あ!でも この左腕が消失しているのは ゴムドさんにやられた訳じゃないですよ」

サヤカ

「ゴムドさんじゃない?……じゃあ 一体誰に?」

マルコ

「え?…い…いやぁ…その…ま…まぁいいじゃあないですか それより ユウキさん サヤカさん 本当にありがとうございました 短い時間でしたが 貴重な経験を得ることができました」


マルコは 充実した顔で ユウキたちにお礼を言う その時 片足が消失しているマルコは バランスを崩し 倒れそうになる


ユウキ

「危ない!だ!大丈夫ですか!?」

ユウキは 倒れそうになったマルコを 咄嗟に支える


マルコ

「あ…すみません 片足がないの忘れてました」

マルコは 照れながら頭を掻く

マルコ

「うーん やっぱり 片足が無いとバランス崩しちゃいますし 不便ですね これは 先に足からだな…」

マルコはそういうと 身体を少し浮かせ 奥にある椅子まで向かう

そして 椅子に座ると 両目を閉じ集中する すると マルコの左足に 見たことも無い異様な文字の羅列が ゆっくりと回転しながら浮かび上がってきた


ユウキ

「………なんだあれ?なんて書いてんの?」

サヤカ

「さぁ?…わかんないけど あんまりいい感じには見えないわね…」

ユウキ

「……だな おーい グミ あれってなんなの?わかる?」

グミ

「………ん?呼んだか?」

グミは 寝ぼけ眼で ユウキの身体から出てくる

ユウキ

「あれあれ 何なの?わかる?」

グミ

「ん?……あれは……うわぁ…ありゃ…厄介だぞ…」

ユウキ

「厄介?」

グミ

「あれは 簡単に言えば 封印されているってことだ」

ユウキ

「封印?またすんごいファンタジー要素来たな…それで?」

グミ

「あの文字っぽく見える物に 大した意味はない そうだな…あの文字っぽく見えるひとつひとつが 鍵になっているって言ったほうがいいな それに魔力を注いでいけば解除されるんだが…」

ユウキ

「かぎ?まりょく?へ…へぇ…全然わからんけど 厄介なのはわかった」

サヤカ

「でも見て ほら あきらかにどんどん減っていってるよ」


ユウキとグミが 目を離した少しの間で マルコの左足の文字の羅列がみるみる減っていた


ユウキ

「おお!もうほとんどない さすがマルコさん……どうした?グミ?」


ユウキが 感心していた時 隣にいるグミは首を傾げていた


グミ

「………いや…そんな単純じゃないはず…」


そして グミの心配は予想通りとなる


マルコ

「………あ……」

マルコが 声を発した瞬間 あれだけ減っていた文字が一瞬で元に戻り 何事もなかったかのように 文字の羅列は また ゆっくりと回り出した


マルコ

「あー!おかしいと思ったんだよ!いくらなんでも簡単すぎるって………くそ…」

マルコは 右手で頭を掻きむしりながら叫ぶ その後 また両目を閉じ集中しだす


ユウキ

「随分減っていたのに 元に戻ったぞ?」

グミ

「…やっぱりな」

サヤカ

「やっぱり?」

グミ

「ああ あのマルコってやつの身体を封印できるほどの呪術師が施した封印だ 並の奴じゃないことは確かだ それなのに 見て見ろよ ひとつひとつの鍵 魔力の流れが単調すぎるだろ?」

サヤカ

「……それって あの文字の後ろに薄っすらと写ってる丸とか三角みたいな事?」

グミ

「そう それだ それに魔力を満たせば その文字の鍵は解除される」

サヤカ

「え?それだけで解けちゃうの?それなら私でも出来そう」

グミ

「でも サヤカ 不思議だと思わないか?封印ってのは 魔力の大きさで 複雑になっていくもんなんだ そして あの封印は相当な魔力が使われている なのに 文字ひとつひとつの鍵がいくらなんでも単調すぎるだろ? で 案の定って訳だ」

サヤカ

「じゃあ 元に戻っちゃったのって…」

グミ

「ああ 何かしらの条件を満たしていないから 元に戻ったってことだな」

サヤカ

「条件?条件って?」

グミ

「さあな 俺にはわからねぇ 考えられるとしたら……そうだな 鍵の解除の順番か…それとも 偽物を紛れ込ませているか… まあなんにせよ そう簡単に解除できないと思うぜ」

サヤカ

「……そうなんだ……あれ?ユウキ どうしたの?」

ユウキ

「……全然…わからん…」

サヤカ

「わからん?…うん そうだよね 私も検討もつかないや」

ユウキ

「じゃなくて…その 文字の後ろ?まる?…全然見えないんだけど?」

ユウキは 何度も目を擦りながら 凝視していた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ