表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
186/231

第182話 マルコ圧勝する

その様子を 一部始終見ていたシェル


シェル

「……5分ほどしかたっていませんが そろそろ終わりそうですね…」

その言葉に 副長がすぐに反応する

副長

「ですよね…あれだけのラッシュを受け続けたら…流石に……でも あの拳武帝を相手に良くやったと思いますよ……あ!そんなことより あの状態から抜け出すことも出来ないんじゃ……早く止めなければ!」

ヒガンもそれに賛同しようとするが…

シェル

「何を言っているんです?止める必要などないですよ そもそも押されているのはゴムド様側 そして そろそろゴムド様の動きは止まりますよ 強制的にね…」

ヒガン

「そ…そうだぞ な…なにを見ておるのだ…」

副長

「え?そうなのですか?…うーん…いや私にはどう見ても拳武帝の方が優位にしか見えないのですが……どういうことなのです?ヒガン様?」

ヒガン

「……えっと…それは…その…ね!ですよね!シェル殿」

シェル

「マルコ君は 攻撃を受ける度に ある魔法をアルマさんにかけているんですよ ただ その魔法は どうしても発動に時間が少しかかってしまうのです だから アルマさんに気付かれないように 少しずつつけているんです まあ…ですが まだ 雑ですね…」

ヒガン

「……ある魔法?……な…なるほど そうだったのですか…」

副長

「……あのう…ヒガン様?…本当にわかっているのですか?」

ヒガン

「な!?う!うるさいぞ!!見るのも経験となるのだ 無駄口叩くより しっかり見ていろ!」

副長

「……なんだか…あやしいなぁ…」

シェル

「……ただ…いえ 何でもありません 見る事も経験というのは賛成です これほどの強者同士の戦い 滅多に見れることなど早々ありません しっかり見守りましょう」

ヒガン 副長

「はい!!」

ヒガンと副長は返事をし 上空を見つめる


シェル

『……勝負は決した…… さて 本当にこのまま終わりになりますかな……私の魔力は……うん まだ充分にありますね 念には念を入れておきますか…』


そして アルマが優位に進めていた戦いだったが アルマにも 違和感を感じ始めていた


アルマ

『……くっ…またや…なんや…この違和感…じじぃの動きがうちの指示より若干遅れよる……なんでや…』

アルマは ゴムドの動きに違和感を覚え ゴムドの身体を見る

アルマ

『……別に…おかしいとこは…な……ん?』

始めに見た時には気付かなかったが よく目を凝らして見ると ゴムドの身体に細い透明な糸が1本見える

アルマ

「!!な!なんや!この糸!?」

マルコ

「あ!気付かれちゃったか……ちょっと最後の方 雑になっちゃったかなぁ……反省 反省 ですが!気付くのが少し遅かったですよ!アルマさん!」

マルコは 右手を突き出し 左手で引っ張る動作をする

マルコ

「………緩糸!!」

マルコが叫ぶと ゴムドの身体に隠していた無数の糸が現れ ゴムドを絡め 動きを完全に止める


アルマ

「な!…くっ…じじぃ!動け!」

アルマは ゴムドに声をかけたが ゴムドの身体は動かない

アルマ

「ちっ!まだや!!」

アルマは ゴムドを力のフォルムに変える しかし ゴムドの身体は動く事はなかった

アルマ

「くそ!こんな糸ごときで!!」

アルマは なんとか糸を引き千切ろうともがいていると 目の前にマルコが来る

アルマ

「くっ……」

そして マルコはアルマに向かい 大きくお辞儀をした

マルコ

「ありがとうございました 大変勉強になりました」

アルマ

「な!?ま…まだ 5分も経ってへんで!」

マルコ

「いえ もう充分です 僕のわがままに付き合ってくれて本当にありがとうございました」

アルマ

「……ま……負けたんか…うちとじじぃが…」


その様子をみていた シェルとヒガンたち


副長

「……ふぇー…全く動けなくなってる……す…すごいですね…あの魔法…」

ヒガン

「……だな 動きを完全に止める魔法か…」

シェル

「確かに 効果が発動すれば強力ですが 何かと弱点の多い魔法です まず 発動するのに時間がかかるということ それと 途中で気付かれたら簡単に解除が出来るんですよ そして…」

ヒガン

「まだ 欠点があるのですか?」

シェル

「これが最も弱点と言ってもいいですね 発動しても 相手より格上でないと発動しないんですよ それも 最低でも倍以上は差がなければいけないのです」

ヒガン

「……へー…そうなのですか…」

いまいち ピンこきていないヒガンは なんとなく返事をする

副長

「な!なにを感心しているのです!ヒガン様!マルコ様とあの拳武帝の実力の差が倍以上離れているということなのですよ!!」

ヒガン

「……?……!!おお!そ…そういうことか!そ…そんなに実力差があるのですか!?」

シェル

「ええ 緩糸の魔法が発動したということは そういうことになります」


アルマ

「………うう…」

アルマは堪えていた悔し涙が 頬を伝う アルマも途中で マルコの方が上という事に気付いていた だが それでも 認めたくなかった しかし 全く身動きが出来ない事実に 認めざるを得ない その事実が悔しくて 涙が勝手に出てしまっていた


アルマ

「……あ!ご…ごめんなさい…すぐに 解除しま……な!?」


マルコが緩糸の魔法を解除しようとした時 ゴムドの身体が元に戻る それと 同時に あっさりと 緩糸の糸を 何事もなく引き千切った


ゴムド

「……どうじゃった?アルマよ 自分より強者と戦ってみた感想は?」

ゴムドは 少し意地悪く アルマに語りかける

アルマ

「…………じぃちゃん…」

ゴムド

「……泣かなくてもよかろう さて……アルマ お前は結界の外に出よ」

アルマ

「……じぃちゃん……でも 大丈夫なんか?」

心配そうにゴムドを見つめる

ゴムド

「ん?安心せい 5分程度なら なんとかなるわい」

ゴムドは 優しい顔で アルマに話す

アルマ

「……うん わかった」

アルマは ゴムドの肩からそっと降り 一度振り返った後 結界の外に向かう


ゴムド

「………さてと」

ゴムドの身体から 押さえていたであろう闘気が みるみる膨張していく


マルコ

『……ス…ステータスが ガクッと落ちている………な…なのに…なんだ…この威圧感は…』


ゴムド

「……やはり 何年も共にいるんじゃ 悲しむ顔は……やはり…あまり見たくないからのぅ…」

マルコは あまりにも強い威圧感に ふいに 戦闘態勢をとる


ゴムド

「……ん?…ほう…シェルめ 2重に結界を張ったな……なるほど わしがどういった行動をとるか見透かされたか……ククッ…ハッハハハ!わしもまだまだ青いということか!」


マルコ

『ぐっ…ス…ステータスは 僕の方がはるかに上だ……な…なにも臆することはない……な…なのに な…何故…何故…僕は……恐れているんだ!!』


ゴムドがゆっくりとマルコに 振り返る


ゴムド

「ゴムドという名は 一度預からせてもらおう 今 対峙するは 拳武帝ゴルドア!拳武帝の拳 しかと味わえ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ