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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第179話 アルマにとってのゴムド

アルマ

「経験値やと?」

ゴムド

「アルマ お前は わしを超える者と戦った事はないであろう?」

アルマ

「当たり前や!じじぃを超えるもんなんかおらん!!」

ゴムド

「勝敗を決定付ける主な要因は 相手よりステータスが上である事は 誰もがわかっている事じゃが ある程度までいくと もはや 能力の高い低いよりも どれほど強者と戦ってきた経験の方が重要となる あやつは そのことを重々理解しておる だから わしと戦いたいと要望してきたのじゃろう……やつは強い 相当な修羅場をくぐってきておるな」

アルマ

「なんや!もうええ!……だったら!初めて会った時言うたのは嘘やったんか!わしは最強やって!!」

アルマは 涙ぐみながら ゴムドを睨む

ゴムド

「……アルマ?……どうした?何故そこまで感情的になっておる?これは あくまで手合わせで…」

アルマ

「うるさい!うちは先に行く!あの銀髪の兄ちゃんのとこ行けばええんやろ!」

アルマは零れ落ちそうな涙をこらえ マルコとシェルのいる場所へ ズンズン向かって行った


アルマは どうしても許せなかった どういった事情であれ弱音を吐くゴムドを…

アルマの中で ゴムドという存在は いくら憎まれ口を叩いたとしても 英雄なのだ ゴムドが負ける姿などアルマには想像もできない


アルマ

『………じじぃが…負ける?……そんな事…そんな事あるわけがない!…ふざけんな…何が手合わせや…こんな手合わせ…ぶち壊したる…初めから全力や!!』

アルマの頬にいつのまにか涙がつたう それをアルマは乱暴に拭い グッと前を睨んだ


ゴムド

「……全く…実に…扱いにくいのう……さて…」

ゴムドは ゆっくりと立ち上がる

ゴムド

『…アルマよ…たしかに わしは勝てんと言ったが 負けるとは一言も言っておらんぞ……適当に流そうと思うておったが……そうは言ってられんな…無様な姿は…やはり…見せたくないからのう…』


その様子を 遠目で見ていた2人 ヒガンと副長


副長

「……な…なんだか…よくわからない展開なんですが…」

ヒガン

「……だな しかもなんだか近付きにくい雰囲気だな…」

副長

「でも ヒガン様 あなたはここの将なんですから 把握しとかないといけないでしょ?」

ヒガン

「…ああ そんな事言われなくても わかっている…わかっているが…」

ヒガンと副長がマゴマゴしていると ゴムドが気付き 声をかけた

ゴムド

「……おう ヒガン 何をしておる?そんなところで?」

ヒガン

「あ!いえ…その…」

ゴムド

「まあ良い お前にも話しておかねばならん こちらへ来い」

ヒガン

「はい!」

ヒガンと副長は 大急ぎでゴムドの元に向かう

ゴムド

「これから起こる事は 事情を知っておれば 別に大したことではない だが 事情を知らなければ兵に動揺が広がるやもしれん お前は もし動揺が広がっていくようならば 上手くまとめよ」

ヒガン

「はい 了解しました」

ゴムド

「それと お前は マルコという者を知っておるか?」

ヒガン

「マルコ?………もしかして…老師の…付き人の方がたしか…マルコという名でした ただ その方は 表にでる事はほとんどないと言われていますし…」

ゴムド

「付き人?……そうなのか?」

ヒガン

「あ!それはあくまで形式上みたいです なんでも 帝都の最後の壁とか言われていまして とんでもない化け物みたいですよ」

ゴムド

「……ほう その言い方だと 会った事はないようじゃな」

ヒガン

「はい もちろんです 私はただの一将に過ぎません 会う機会などありませんよ」

ゴムド

「なるほどな…やはり 思っていた以上に厄介な奴みたいじゃな…」

ヒガン

「…厄介な奴?」

ゴムド

「いや 気にしなくて良い それと シェルと言う者は 知っておるか?」

ヒガン

「……シェル?……シェル……いえ 存じ上げません……」

ゴムド

「……そうか あやつめ…あれからずっと雲隠れしておったな…まあ よい ヒガン ひとつ注意しておくことがある」

ヒガン

「……注意ですか?何でしょう?」

ゴムド

「今 その2人がおる マルコと言う者がどういった者かは知らんが シェルは 昔からよく知っておる 実力は 王クラスといってよい まあ 余程の事が無い限り 暴れることはないと思うが 一度暴れ出すと わしでも止められんぞ 不用心な言動は控えよ」

ヒガン

「え!?な…何故 そんな方が…ここに…」

ゴムド

「さあな…まあ この巡り合わせ…何が目的なのか…たまたまと片づけるには強引過ぎですぞ……ユウキ殿よ…」

ヒガン

「え?」

ゴムド

「……いや なんでもない 独り言じゃ では行くぞ」

ゴムドは ゆっくりと歩き出す その後ろをヒガンと副長は お互い顔を合わせ首を傾げながら ゴムドの後について行った

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