第178話 マルコとシェルの関係
シェル
「やあ お久しぶりですね マルコ君」
シェルは テクテクと歩きながら 気楽にマルコに話しかける
マルコ
「………誰?……ぼく…あんたのことなんて知らないんだけど?……あまり気安く話しかけないでくれる?」
マルコは 少しムッとしながら シェルを冷たくあしらう その様子を見たシェルは 小さくため息をつく
シェル
「……ふぅ…せっかく真実を見抜く左目があるというのに…… 相変わらず使いこなせていないですね…いくら素晴らしい能力でも使いこなせていなければ無意味だと 口酸っぱく言ったはずですが?」
マルコ
「!!な…なぜ ぼくの左目のことを……」
マルコは驚いた後 そっと左目を閉じ黒眼に変え シェルを見る
マルコ
「………!!わぁ!シ!シェルさんじゃないですか!!」
目の前にいる者がシェルと気付いたマルコは パーッと明るく笑顔になり シェルに抱きついた
シェル
「だ!抱きつくな!!離れなさい!マルコ君!」
シェルは 急に抱きついてきたマルコの顔をグイッと押し 無理やりはがす
マルコ
「あ…ごめんなさい…あまりにも久しぶりで…つい…でも なんでここに?いや それよりも今までどこに?それとなんでそんな恰好?」
シェル
「この形態が一番楽だからに決まっています ここに来た理由は……まぁ 別に今はいいでしょう それより マルコ君 ゴムド様と手合わせするのでしょう?」
マルコ
「あ!はい!こんな機会 もう絶対ないですからね 無理言ってお願いしました!」
シェル
「……たしかにそうでしょうね…こんな偶然…いや…違いますね…こんな偶然あるはずがない…なるほど…誰かが仕向けた…無理やりこのピースをはめたか…」
シェルは 腕を組み考え込む
マルコ
「……?…シェルさん?」
シェル
「いえ 別に それよりマルコ君とゴムド様が手合わせすることで 私が一番貧乏くじを引かされてしまったんですよ」
マルコ
「え……それって…もしかして…」
シェル
「ええ そうです 私が結界を作ることになってしまったんですよ」
マルコ
「わー!!本当ですか!やったぁ!!」
マルコは また シェルに抱きつく
シェル
「だ!だから!抱きつくな!」
シェルは また マルコの顔をグイッと押し引っ剥がす
マルコ
「あ…ごめんなさい…つい興奮しちゃって…ほんとは ぼく自身で結界を張ろうと思っていたんですよね だから 本気で戦うことは出来ないと諦めていたんですよ」
シェル
「……ん?…それって…ってか手合わせですよね?本気でぶつからなくても…」
マルコ
「…これで 結界が崩壊する心配はしなくて良くなった………良し!」
シェル
「……おーい…マルコ君?聞いてます?」
マルコは シェルの言葉は聞いておらず 自分の頬をパシッと叩いて気合を入れる
シェル
「………ふぅ…これは本気で結界を作らなければならないようですね…」
シェルは小さくため息をつくが シェル自身も マルコとゴムドの戦いは 少し楽しみでもあった
そして その頃ゴムドとアルマは…
アルマ
「で?どのフォルムで戦うんや?」
アルマは ゴムドに問う しかし ゴムドの答えは意外な発言だった
ゴムド
「フォルム?なんでも良いぞ どうせどの能力を尖らせたところで あやつの方が上じゃからな」
アルマ
「は?何を言っておるんや?」
ゴムド
「言葉の通りじゃ どうあがいてもあやつのステータスを上回ることは不可能じゃ」
アルマ
「何それ?戦う前から勝てへんみたいな言い方は!?」
アルマは ムッとする
ゴムド
「…そうじゃな…勝てんな ステータスの差がかなり大きい ましてや アルマ お前が動かすとなると なおさらじゃ まあ それでも 10分程度で わしの体力を削り取られることはないがな」
アルマ
「ちょい待ち!!負ける原因はうちにあるんか!!」
ゴムド
「ああ 残念じゃが そういうことじゃ」
アルマ
「な!ふざ!」
ゴムド
「だが それは仕方ないことなんじゃ」
アルマ
「一体何を言って!」
ゴムド
「まあ 待て 何故そこまで言い切れるのか それはな アルマ 経験値の差じゃ」