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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第176話 ユウキの助言

ユウキ

「あ!マルコさん!ちょっと待って下さい」

マルコ

「はい?どうかしましたか?」

ユウキ

「うーん…多分…ゴムドさん マルコさんと戦ってくれないと思いますよ?」

マルコ

「……え?……なんでですか?」

ユウキ

「なんでって言われても 何の理由もなくゴムドさんが戦うと思えないんです なぁ サヤカ?」

サヤカ

「うん そうね…まず断るでしょうね」

マルコ

「そんなはずはないでしょ!?……だって あの方は…」

サヤカ

「マルコさんが ゴムドさんをどう想像しているかわからないけど 今のゴムドさんは そうむやみに暴力は振るいませんよ?」

グミ

「そっかぁ?……ガムラとかいうじじぃとも いきなりやり合ってたし 帝都から来た奴も ボコボコにしてただろ?」

サヤカ

「それは ゴムドさんが必要と思ったからでしょ?ゴムドさんに 戦ってくださいって言って はい 戦いましょう とはならないよ 絶対」

マルコ

「じ…じゃあ 僕が行っても戦ってくれる可能性はほとんどないと…」

ユウキ

「……うん 残念だけど…」

マルコ

「そ…そうですか……うぅ…こ…こんな機会…滅多にあることじゃないのに…」

マルコは わかりやすくガックリと肩を落とし 涙ぐむ

ユウキ

「マルコさん!?……そんなに悲しまなくても……うーん…全然方法がないわけじゃないけど…」

マルコ

「ほ!本当ですか!どうしたらいいんですか!お!教えてください!僕に出来ることならなんでもします!!」

マルコは パッと振り返り ユウキの肩をガっと掴んだ

ユウキ

「わ!わ!お…落ち着いて下さい!でも勘違いしないで下さいね たとえ 言う通りしても上手くいくとは限りませんよ?」

マルコ

「はい!それはもうわかっています!」

ユウキ

「じゃあ…まず…」

ユウキはそう言って 一歩後ろに下がり 90度直角に頭を下げる

ユウキ

「この形をキープして お願いします と頼んでください」

マルコ

「…え……そ…そんなことで…本当に 戦ってくれるんでしょうか?」

ユウキ

「はい ゴムドさんには 下手な小細工より実直に頼むしか方法がないんです それで マルコさん ゴムドさんとどのくらい戦う気なんですか?」

マルコ

「……そうですね 10分……いや せめて5分くらいは戦いたいですね」

ユウキ

「5分!?……そんなに短い時間でいいんですか!?」

マルコ

「はい たった5分でも戦えたなら 僕にとって代え難い経験を得る事が出来ます」

ユウキ

「……5分か…そうですか わかりました じゃあこうしましょう お願いしますと言った後 1時間戦ってくれるように頼んでください」

マルコ

「え!?1時間?…さ……さすがに 1時間はきついですよ?」

ユウキ

「もちろん それはゴムドさんも うん とは言わないでしょう だから こう言うんです お願いします1時間でも…いや30分…10分…いいえ5分でもいいんです!お願いします!と」

マルコ

「…な…なるほど そんなふうに言われたら 5分くらいなら戦ってもいいかって思っちゃいますね」

ユウキ

「はい それが狙いです ただ ここまでしても ゴムドさんが拒否したら諦めてくださいね」

マルコ

「はい!わかりました ユウキさん ありがとうございます!」

ユウキ

「いえいえ では 頑張ってください………あ…ちょっと待って下さい!!……肝心な事忘れてた…」

マルコ

「肝心なこと?」

ユウキ

「……ゴムドさんと戦う為には ゴムドさんを動かすだけじゃ駄目なんだ…」

サヤカ

「……あ…そっか アルマね」

ユウキ

「ああ いくらゴムドさんが動いたとしても アルマが動く気が無ければ 全て水の泡だ……」

サヤカ

「そうね 多分今のままじゃ アルマ面倒臭がるでしょうね」

ユウキ

「マルコさん よく聞いてください ゴムドさんの近くに アルマっていう女の子がいます いくらゴムドさんを説得できたとしても この子が 嫌だとか面倒くさいとか言い出したら もう 戦う事は不可能です」

マルコ

「ええっ!?ど…どういうことですか!?なんで その女の子に そんな権限があるんですか!?」

ユウキ

「……うーん なんていうか その女の子の言葉は ときによってゴムドさん本人より強い権限を持ちます ただ 逆に言えば ゴムドさんが拒否しても アルマが味方につけば ゴムドさんは動いてくれるってことでもあるんです」

マルコ

「……拳武帝に そんな女の子がいたなんて…初耳です…」

ユウキ

「……でも どうしたら アルマが興味を持つ?」

ユウキは腕を組みながら ウロウロと馬車の中を歩く

サヤカ

「……普通にしてたら駄目っぽいよね ってかすでに アルマ 飽きてきちゃってるし…」

ユウキ

「……普通は…駄目……か…そうだ!マルコさん!」

ユウキは 今 思いついた策をマルコに伝える

マルコ

「ええ……なんかそれって…ぼく バカっぽくないですか?」

ユウキ

「はい それでいいんです アルマなら 必ず食いつくはず!」

マルコ

「……わ…わかりました なんだか自尊心が傷つきそうですが ユウキさんの言うように 意味のない戦いをしない方でしたら 参考にさせてもらいます……正直…まだ 信じられませんが…」

ユウキ

「はい では行ってらっしゃい でも くれぐれも無茶だけはしないで下さいね」

マルコ

「はい!無茶はしません ユウキさん サヤカさん ありがとうございました!では 行ってきます!」

マルコは 馬車の扉を開け 両手を大きく振り飛び立った

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