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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第172話 シェルの魔法

その頃 シェルも例外なく鬼子と鉱山内の事を聞いていた


シェル

「……ほう なるほど では 第1鉱山が最も広いと」

鬼子

「はい それに一番古く 全体的に老朽化が進んでおります 場所によっては進むことも困難なところもありました 今はもっと酷い状況かもしれません」

シェル

「そうですか ならちょうど良い機会じゃないですか 一層の事 全て新しくしてしまい……ん?」

シェルは アルマのいる方向に異常な空気の歪みに気付く

シェル

『……な…なんだ?…この違和感は……これは…魔法?……いや違う……こ…これは! 呪術か!」


アルマ

「……せえや!!」

アルマがブチ切れて叫ぶ 同時にアルマの眼は赤く光り髪が逆立ち 背中から生えていた赤紫のイバラが のたうちまわりながら 兵士3千の兵に向かって襲いかかった


「………ん?なんだ?あれは?」

ぼーっとしていた兵士が 向かって来ているイバラに気付き 手を伸ばす

シェル

「それに触るな!!」

シェルは 手を伸ばしていた兵士に叫ぶ

「え?」

後ろからシェルの大声で 手を伸ばしていた手を慌てて引っ込め 後ろにジャンプして事無く得る


シェル

「このままでは まずいですね」

シェルは その場でしゃがみ 右手を地面に付ける

シェル

「…さて どうするんでしたか…たしか…こうだったかな…」

シェルは 思い出すかのようにブツブツと唱え 地面に付けていた右手に力を込める すると 青白い糸が円状に地面に広がっていく その姿は まるで蜘蛛の巣のようだった 

そして 3千の兵の端から端まで到達すると 一気にドーム状に包んだ


「………これは?……結界か?」

「…みたいだな……しかし…なんで結界を?……うお!!」

シェルの張った結界に容赦なくイバラが襲う イバラはのたうちまわりながら バンバンとシェルの張った結界を叩く

しかし 糸状で出来た特殊な結界は イバラが叩くたびに糸が絡んでいき 次第に勢いを徐々に弱めていった

そして アルマの背中から生えていた無数のイバラは シェルの作った糸状の結界に絡め取られ 完全に止まる その後 赤紫の色も次第に薄れていき消えていった


ゴムド

「……落ち着けい アルマ」

ゴムドは アルマの隣にいき アルマの頭に手を乗せる

アルマ

「…………あ…」

アルマの逆立った髪が徐々に戻り 赤く光っていた眼も元に戻り ようやく平静に戻る

アルマ

「……また…やってもうた…」

アルマは その場でしゃがみ込み頭を抱えた

ゴムド

「安心せい アルマ 被害は出ておらん」

アルマ

「え?」

アルマは ゴムドに声をかけられ パッと立ち上がり 周りを見渡す

アルマ

「……ほんまや…なんで…」

ゴムド

「シェルがおったからのう あやつのおかげじゃ」

アルマ

「シェル?」

シェル

「いやあ……驚きましたよ」

シェルは ニコニコしながら ゴムドたちへ歩いてくる

ゴムド

「おう シェル 流石じゃな 助かったぞ」

シェル

「いえいえ ただ こんな結界を使う事になるとは思いませんでした 久しぶりに使いましたが どうやら上手くいったようですね」

アルマ

「へー…あんたが…ふーん…まあ…一応 礼は言っとくわ」

ゴムド

「……それが 礼を言う態度か……」

シェル

「お気になさらず ところで ゴムド様 これは……一体?」

シェルは 並べて置いてある 白く輝く剣を見つめ ゴムドに問う

ゴムド

「これか?せっかくじゃからのう わしからも褒美を用意した」

シェル

「褒美?……しかし…この輝きは……もしや…」

ゴムド

「うむ 白絶鉱で出来た剣じゃ かなり昔に大量に手に入ったことがあってのう まあ いつまでも置いていただけでは 剣も可哀想じゃからな」

シェル

「この剣を!?兵士に!?……ゴムド様 持ってみてもよろしいですか?」

ゴムド

「うむ 構わんぞ」

シェルは 白く輝く剣を手に取る

シェル

「……素晴らしい剣ですね…それに この軽さ…ほとんど重さを感じませんね 羽根の様に軽いと聞いた事がありましたが まさか ここまで軽いとは……うーん 私も 一本欲しいですね…」

ゴムド

「ならば 好成績をおさめるんじゃな」

シェル

「ハハッ…これは手厳しい これほどの剣を報酬で貰えるならば 兵の士気はさらに上がるでしょうな」

シェルは そっと剣を戻す

ゴムド

「そうだと良いがな ところでアルマ 何をしておる?経緯はどうあれ 首尾は成功しておる 兵にこの件を…」

アルマ

「いや もううちはパスや やっぱり性に合わん」

ゴムドがしゃべり終わる前に アルマは ひらひらと手を振りながら 高台から去っていく

ゴムド

「おい!アルマ!………ったく…ならば…シェル……いや お前はそんなことせぬな…」

シェル

「はい そういうことは私には出来ませんよ」

ゴムド

「わかっておる それが出来たなら 今頃 王になっていよう」

シェル

「はっははは そんな事 興味はありませんよ」

ゴムド

「…むう…仕方ない…わしがせねばならんか……ん?あれは…」

ゴムドが面倒くさそうに頭を掻き 周りを見渡すと そこに 小走りでヒガンと副長が向かってきた

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