第170話 最強の組
場所は変わり ゴムド側…
ゴムド
「うむ 無事編成は終わったな」
ヒガン
「はい 50人の兵を一組にし 60組の部隊 編成が終わりました」
ゴムド
「そうか ヒガン ご苦労だった………まあ…あれだ…その…いや…何でもない」
ヒガン
「私は何も気にしてはおりません むしろ 感謝しております」
アルマ
「感謝?なんでや?このじじぃに色々されたんやろ?一発ぶん殴ったら?このじじぃに効くかわからんけど」
ヒガン
「滅相もない!本当に感謝しているのですよ 私たちは 近衛兵という立場になってから前線に立つ機会も無くなり プライドだけ高くなっていた事は事実 おかげで目が覚めました」
アルマ
「そうなん?よぅわからんけど…ふーん…良かったな!じじぃ!気にしてないんやって」
ゴムド
「わしは するべきことをしたまでじゃ 別に何も思っておらん」
アルマ
「うそつけ めっちゃ気にしてたくせに」
ヒガン
「え?そうなのですか?」
アルマ
「そそ 意外と繊細で気にしぃなんやで」
ゴムド
「アルマ!いちいち黙っておれ!ヒガン!鬼子たちの配属はまだ終わっておらんぞ!無駄話しておらんですぐにとりかかれ!」
ヒガン
「はっ!申し訳ございません!すぐに取り掛かります」
ヒガンとアルマは 一度お互い顔を合わせ少し笑った後 ヒガンは 鬼子たちの配属をする為向かって行った
そして…
鬼子
「よ…よろしくお願いします…」
兵士
「おう こちらこそよろしくな だが ここではあんたがトップだ それに 俺たちは正直何をどうすればいいのかよくわかっていない だから気にせず俺たちを手なり足なり好きなようにこき使ってくれ」
鬼子
「そ…そんなこと…恐れ多い…」
兵士
「遠慮しなくていいぞ 今回は一個人として手伝うって決めたんだ なあ!みんな!」
兵士
「ああ!力仕事なら負けんぞ!」
鬼子が萎縮する中 なんとか兵士たちは盛り上げていた
大体の組は このような感じなのだが 中にはすでに 打ち解けている組もあった しかし やはり打ち解けている組があるということは 中々打ち解けられない組も少なからずあった
ゴムド
「………うむ まあ…仕方あるまい 10組ほどまともに動けば良いと思っておったからな これでも充分じゃ………ん?…おや?……あの組 物凄い盛り上がりじゃな…」
ゴムドが見渡す中 一組だけ異常に盛り上がっている組があった
兵士たち
「エイエイオー!!」
???
「声が小さい!!もっと魂を込めて!!もう一度!!」
兵士たち
「エイエイオー!!!」
ゴムド
「……なんじゃ?あの組は?……物凄い士気じゃな…」
アルマ
「そらそうやろ…」
ゴムド
「ん?どういうことじゃ?アルマ 知っておるのか?」
アルマ
「は?じじぃ気付いてないんか?よう 見てみぃ」
ゴムドは 目を細めじっと見る その後 すぐに大きく目を見開いた
ゴムド
「………な!?エ!エミリ殿!?い…いつの間に!?」
アルマ
「子供の扱いだけやのうて 兵士さえもまとめるんうまいんやなぁエミリは……ちょっと羨ましいわ…」
ゴムド
「アルマ!何を感心しておる!エミリ殿はユウキ殿の大事な方なのだぞ!」
ゴムドはそう言うと 慌ててエミリの元に向かって行った
エミリ
「どうせやるなら 私の率いる組が最も活躍したとみんなに思わせないとね!やるならトップ取りよ!わかった?みんな!」
兵士
「はい!」
エミリ
「…………うーん…ちょいそこの君」
兵士
「……?…え?わ…わたしでしょうか?」
エミリ
「うん そうそう君のこと もう一度返事してみて」
兵士は 少し照れながら 大きく返事をする
エミリ
「……ダメダメ 君は口で返事をしているのよ…」
エミリは 一度大きくため息を吐いた後 兵にズンズン向かいながら話す
そして 兵の目の前につくと 足元からゆっくりと下半身 上半身と目をおくり 兵の顔を上目遣いでニコッと微笑んだ
兵士
「え?……ハハッ…」
兵士は 可愛く上目遣いで見つめるエミリに 顔が緩む……が…
兵士
「……えへへ……!!!がっ!」
その後 エミリの顔は豹変し 兵士のみぞおちにこぶしをめりこませた
エミリ
「ここよ!返事をする時は!!口先だけの返事など無意味!!腹から声を出しなさい!わかったわね!!」
兵士
「も!申し訳ございません!!」
エミリは 元の位置に戻り 仁王立ちをし50人の兵に向かって叫ぶ
エミリ
「みんな!わかってるわね!!」
兵士たち
「はいいぃ!!!」
エミリの率いる50人の魂のこもった兵士の返事は 地鳴りの様に全体に響き渡った
エミリ
「やればできるじゃない!……あれ?」
エミリは 兵士たちの返事の大きさに納得し うんうんと頷いていた時 ゴムドが慌てた様子で走って来る
エミリ
「……あれは…ゴムドさん?」
ゴムドの心配をよそに 全く気にしていないエミリは 首を傾げるのであった