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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第168話 来訪者

ユウキ

「あ!ゴムドさん!

ゴムド

「お見事でした わしでは到底真似など出来ませんでした」

ユウキ

「いや 別に俺の実力じゃないですし…」

ゴムド

「……その謙遜が この癖のある兵士たちが動いたのか……いえ では ユウキ殿 アルマから聞いたのですが 向こうで鬼子たちが集まっているとのこと わしは3千の兵を引き連れ 編成に入ろうと思うのですが よろしいですかな?」

ユウキ

「はい!わかりました!では 行きましょう!」

ユウキは 意気揚々と大きく頷く

ゴムド

「……残念ですが ユウキ殿 あなたの時間は もう無さそうですぞ」

ユウキ

「へ?時間がない?どういう…」

グミ

「………ん?……この…気配は……うわ…め…めんどくせぇ…」

グミは遠くの空を見た後 急いでユウキの身体の中に入った

ユウキ

「わ!な!なんだ!グミ!一体何があった!?」

ユウキは 急にグミが身体の中に入ってきた事に ドギマギしていると 広場に一陣の強い突風が吹いてきた

サヤカ

「キャッ!もう!今度はなに!?」

砂ぼこりが舞う中 ゆっくりと姿を現す

ユウキ

「な…なんだ………ん?……これは……りょく……なんだっけ?」

サヤカ

「あ!緑馬竜!」

ユウキ

「あ!そうそう!それだ!……しかし なんでまた…」

???

「……よっと」

ふわっと 緑馬竜の馬車の隣に降り立つ

サヤカ

「あ!あなたは!」

???

「こんにちは サヤカさん そしてユウキさん」

ユウキ

「マ!マルコさん!?どうしたんですか?なんでここに?」

マルコ

「もちろん仕事ですよ アモン王子に頼まれましてね 馬車の護衛と ユウキさんとサヤカさんを帝都に連れ戻すために」

ユウキ

「あーー…くそぅ…アモンのやつ……わざわざ迎えをよこすなんて…」

マルコ

「まあまあ そんなこと言わず せっかく帝都で一番速い馬車で来たんですから さあ 乗ってください」

ユウキ

「あ!ちょっと待って!せめて もう少し…もう少しだけ待って!」

マルコ

「ダメですよぅ…僕に頼まれても…」

ユウキ

「ほら そこはなんとか誤魔化せば…ねっ!」

マルコ

「……うーん ユウキさんの気持ちは分かりますが…」

ユウキ

「例えば…ほら!現場についても 俺がいなかったとか なんとか理由をつければ 小一時間ぐらいどうにか出来るでしょ」

マルコ

「……もちろんそうしてあげたいのは山々なんですが……」

マルコは 馬車をチラッと見た後 コソコソとユウキに近づき 耳元でささやく

マルコ

「……ここにいるのは 僕だけじゃないんです…」

ユウキ

「……え…」

???

「……なーにが 小一時間ですか…1分1秒も もう 無駄に出来ないというのに…」

サヤカ

「………こ…この…ご立派な声は……」

馬車の扉が開き ゆっくりと優雅に降りてくる

ユウキ

「……う…ガ…ガータさん…」

ガータ

「……やはり ついてきて正解でした マルコ様もアモン王子も ユウキ様に甘いですからね!」

ガータは キッとマルコを睨みながら語尾を強くし ユウキに向かって歩き出す

マルコ

「…そ…そんなことないですよぅ…やだなぁ…」

ガータ

「どうせ 私がいなければ なんとか誤魔化して ユウキ様に時間を取らせていたでしょ?アモン王子とそのように打ち合わせしていたようですし!」

マルコ

「な!?…な…なんでそれを……あ…」

マルコはつい口走ってしまい 慌てて 手で口を覆う

ガータ

「………ふぅ…やはりそうでしたか…おかしいと思ったんですよ いくら ユウキ様を迎えに行くとはいえ マルコ様 あなたが動くことにどうしても違和感を感じたのです 他の者でも問題ないはずなのに…

では 何故 マルコ様が選ばれたのか それは 現場についた時 臨機応変に対応してもらいたいからですよね 他の者では 命令通り動いてしまいますから

臨機応変に動き かつ 自由に出来る権力者 そして ユウキ様を知っていて事情を汲むことの出来る者 これだけの条件を満たしている人物 そう マルコ様 あなたぐらいしかいませんからね さらに ご丁寧にアモン王子と綿密に打ち合わせしていましたし」

マルコ

「え!?……ま…まさか あの会話を!?……そ…そんな…あの結界は 僕が作れる最高の結界ですよ!全く聞こえないはずだ」

ガータ

「ええ 全く聞こえていませんよ それどころか存在さえも無くなっていました」

マルコ

「だったら!」

ガータ

「……ふぅ… 厳重すぎたんですよ 結界を張り お二方の存在を消すなんてね まあ よろしいです こんな事 話をしている時間ももったいない さあ!ユウキ様!帰りますよ!」

ガータは スタスタと優雅にマルコの横を通る その際 また マルコを冷たい目で見た後 ユウキの元にいく

ユウキ

「ひ……ガ…ガータさん す…少し…ほんの少し待って下さい…」

ガータ

「駄目です 行きますよ」

ガータは ユウキの手をガっと握って 引っ張る

ユウキ

「あ……肉球……いやいや!ゴ!ゴムドさん!後 お願いします!それから!エミリにも!」

ユウキは ガータにグイグイ引っ張られながら ゴムドに叫んだ

ゴムド

「ご安心下され エミリ殿は 責任をもって送り届けますぞ ところで オロス村の代表者はどうされますか!」

ユウキ

「もちろん 今の村長で!!」

ユウキは 馬車に押し込まれた後 顔を出して叫ぶ

ゴムド

「かしこまった あとはお任せあれ」

ユウキが完全に押し込まれると その後ろに付いていたサヤカは ゴムドに深々とお辞儀をし 馬車に入っていった

マルコ

「さあ 帝都に戻りますよ」

マルコは 緑馬竜の運転士に指示をする 運転士は頷き 緑馬竜を方向転換し 来た道に戻る

緑馬竜が出発したのを見届けると マルコはゴムドに振り返り 小さくペコっと頭を下げ 緑馬竜を追いかけた

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