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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第160話 鉱山の地図

ミナ

「みんなこれを見て 第2鉱山の地図なんだけど わかる?」

子供たちは 少し背伸びをしながら 机に広げている地図を見る すると すぐにほっぺたを擦りながらリクが発言する

リク

「ミナお姉ちゃん さすがに馬鹿にしすぎだよ これは第1鉱山だよ」

ミナ

「さすがにわかっちゃうか」

ミナがリクと話している隣で デンはじーっと見た後 ボソッと呟く

デン

「……うーん…なんだか…わかりにくいなぁ…それに こことここ…こんなに狭くなかったはず…それにここもおかしい…これなら リクが書いた地図の方が分かりやすいかも……なによりこれよりも正確だし…」

ミナ

「え?今…なんて…」

デン

「あ…ううん…なんでもないよ…」

ミナ

「ダメ!ちゃんと教えて もし間違っていたら大変なことなの」

デン

「う…うん わかった……えっと…ここなんだけど…」

ミナ

「ここ?ここがどうしたの?」

デン

「うん ここはこんなに狭くなかったはずだよ だってここがこんなに狭いと こことここが合わなくなっちゃう」

ミナ

「……言われてみれば……確かに…ちょっと来て!」

ミナは デンに指摘された箇所をじっくり見た後 顔を上げ この地図を担当した者を手招きして 呼び寄せた

はじめこそ 間違っていないと自信満々だったが デンが指摘した場所を細かく説明する そして やはりデンの指摘した通り 道幅と長さが違うことが判明する


ミナ

「……多少の間違いは仕方ないけど…これはひどい…もっとしっかり精査してください」

鬼子の担当者たち

「……申し訳ありません…」

ミナ

「ねぇ デン 他は大丈夫?」

デン

「……うーん…これは 僕が見るより リクに聞いた方が早いよ おーい!リク!」

リク

「………?なんだい?デン?」

デン

「リクならパッと見ただけで分かるだろ?これこれ」

リク

「……これは さっき見た第1鉱山の地図? これがどうかしたのかい?」

デン

「そそ それでね なんだかこの辺がおかしい感じがするんだけど…」

リク

「どれどれ……なにこれ?ここの通路足りていないじゃないか」

デン

「そうだ!それだ!なーんかおかしいと思ったんだよ」

デンとリクの話を横で聞いていたミナは驚き デンとリクに聞き直す

ミナ

「ちょっ!ちょっと待って!通路が足りていない!?ど…どういうこと!?」

リク

「ここにあるはずの通路が これには書かれていませんよ?………入口あたりは正確に書かれていますが 他は 曖昧ですね」

デン

「だよね これならリクが昔 書いてみんなに渡した地図の方が正確だよ」

ミナ

「それほんと!?リクが書いた地図見せてくれない?」

リク

「それは無理ですね」

ミナ

「な!なんで!?」

リク

「だって もう捨てちゃいましたし」

ミナ

「す!捨てちゃったの!?」

リク

「当然でしょ?そんなものいつまでも置いていたら見つかってしまいます それに 頭に全て入っているのに わざわざ置いておく必要なんてありませんしね」

ミナ

「そ…そうなんだ…でも みんなに渡したって言ってたよね デンは持ってないの?」

デン

「持ってるけど 家に置いてあるよ……あ!でも もしかしたら レムなら今持ってるかもしれない おーい!レム!」

レム

「なに?デン?呼んだ?」

レムは デンに呼ばれトコトコ寄って来る

デン

「レム リクが書いた地図 今持ってない?」

レム

「リクが書いた地図?うん 持ってるよ なんで?」

レムは 背中にしょっているリュックサックをおろし 3枚の粗末な紙を取り出し デンに渡した

デン

「そうそう これこれ はい ミナお姉ちゃん」

ミナ

「………随分と古いわね……って あなたたちいつから鉱山のこと知ってたのよ…」

デン

「えへへ…」

ミナ

「まあ…今はいいわ」

ミナは少し呆れ気味に言った後 デンから受け取った紙を3枚広げた

ミナが受け取った地図と照らし合わせていると 後ろからエミリが声をかける

エミリ

「………随分と質の悪い紙ね…それに…これは 黒硬石で書いたのかな…黒硬石で これだけはっきりと書くには 相当時間がかかるわ……これ書いたのって リク君?」

リク

「はい そうですよ」

エミリ

「こんなにはっきりと書くなんて大変だったでしょ? それで ミナ どうなの?」

ミナ

「………はい このリクが書いた地図の方が正確です まあ随分とたどたどしいですが…」

リク

「まあ それを書いたのは まだ子供でしたからね」

ミナ

「今でも 充分子供でしょ!」

エミリ

「まあまあ とにかくリク君が書いた地図の方が正確なのはわかったわ でも さすがにそれを広げながら指示するのはちょっとしんどいよね」

ミナ

「………そうですね いくらなんでも小さすぎですし……でも 書き直す時間なんてありませんし…」

エミリ

「それなら任せて!製図ならちょっと得意なんだよね!……えっと…ミナ!この机 ちょっと借りるよ」

ミナ

「??はい どうぞ」

エミリ

「……うーん…そうだなぁ…大きさはこれぐらいあれば いいね」

エミリはそう言うと ペンダントから大きな紙を取り出し 机に広げ リクの書いた地図を一通り見た後 一気に書き出した

しかし リクの書いた地図は 線が潰れてしまっていたり 何度も折ったり広げたりした様で 折れ目が重なっていたりと どうしてもわからない箇所がいくつかあった

エミリ

「………ここは……よくわからないなぁ……おーい!リク君!」

リク

「はい なんですか?」

エミリ

「ここと……ここなんだけど?」

リク

「ここですか?ここはですね 少し複雑で…」

リクは 自分の書いた地図を指で指しながら わかりやすく説明をする

エミリ

『……この子…本当に頭がいい…製図を誰かに教わった訳じゃなく 天性の感覚だけで 書き上げたんだ…今でも十分子供なのに これをこの子はいつ書き上げたんだろ…』

リク

「……ということです ですから こっちの道の……って エミリお姉ちゃん聞いてます?」

エミリ

「あ……ごめん 聞いてなかった」

リク

「は!?」

エミリ

「わかんないとこ空白にして描けるとこ書いちゃうからさ それで 空白の部分は この紙に書いてくれる?それを見て 後で書いちゃうからさ」

エミリは 数枚の紙とペンを取り出し リクに渡した

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