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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第158話 スニークミッション失敗

デン

「エミリお姉ちゃん あのね…」

デンは 背伸びをし エミリの耳元でコソコソ話す

ボグ

「……ちっ…なんなんだ……」

ボグは エミリに耳打ちしているデンを チラッと見ると 頭の中に黒い靄がかかっていく様な 今まで感じた事のないような不思議な感覚を覚える それは ボグにとって とても不快な気持ちにさせた 今 デンとエミリを見ていると この不快な気持ちが どんどん膨れ上がっていくので ボグは パッと他所を向くが どうしても気になってしまい また 横目で見てしまう すると今度は デンとエミリがお互い顔を近付け エミリは 満面の笑みでデンに大きく頷いていた

ボグ

「!!…な…なんだよ…あんな…笑顔で…」

ボグは 不快感を完全に顔に出してしまう

カル

「……ん?……ははーん…」

カルは ソロリとボグの隣に行き 肘でボグを小突く

ボグ

「……!な!何するんだ!カル!」

カル

「なーにイライラしてんの?ボグ?」

ボグ

「べ…別に…イライラしてねぇよ…」

カル

「いいの いいの わかってるから どうせデンとエミリお姉ちゃんが話ししているのが 気に食わないんでしょ?」

ボグ

「!!!そ!そんなんじゃねぇよ!」

カル

「フフフッ…」

カルは ボグの肩をポンポンと2度叩き ニヤッと笑い 元の場所へ戻って行った

ボグ

「……な…なんなんだよ…カルの奴…くそ…そんなんじゃねぇよ…そんなんじゃ…」

カルに見破られたボグは さらにイライラしている中 ルンルンでデンが戻ってきた

デン

「よしよし…これなら……ん?どうしたの?ボグ?」

ボグ

「うるさい!なんでもねぇよ!で!どうする気なんだ?」

デン

「?……なんで怒ってんの?…まあ…いっか…よし!みんな行くよ!大きな音が鳴ったら それがスタートの合図だ みんなで一斉にここを駆け抜けるよ!」

ボグ

「は?大きな音!?そんなことしたらバレちゃうだろ!?」

リク

「………なるほどね…デン考えたな」

リクは デンの発言の後 チラッとエミリを見た後答えた

デン

「あ…リク わかっちゃった?そういうこと ほら レムとカルも」

カル

「はいはい」

5人の鬼子の子供たちは 茂みに潜み 大きな音が鳴るのを待つ

ボグ

「お…おい…意味分かんねぇよ…どういうことだ?」

レム

「いいのいいの とにかく大きな音が鳴るのを待てばいいの」

ボグ

「??わけわからないが…とにかく 大きな音が鳴ったら 走り抜ければいいんだな?」

デン

「うん!そうだよ!」

レム

「……なんだか ドキドキしてきた」

こうして 5人の鬼子の子供たちは ドキドキしながら 真っ直ぐ正面を見つめ 両足に力を込める

5人の子供たち

「…………」

そして 一時の静寂の仲 ド--ンと遠くで大きな爆発音が鳴る

5人の子供たち

「!!!」

大きな爆発音とともに 5人の鬼子の子供たちは一斉に駆け抜ける! が……

リク

「わ!!」

一番前にいたリクが 始めの一歩で ぬかるんだ地面に足を取られ 体制の整わないまま 2歩目を踏み出し 見事に前に転んでしまう

ボグ

「え!?わっ!!リク!!なにして!」

ボグは 目の前で盛大に滑って転ぶリクを避けようとするが ボグはリクを避けきれず ボグはリクに覆いかぶさってしまう

デン

「うそー!!」

もちろん デンもカルもレムも 折り重なっていった


ボグ

「ったく!なにして……うわぁ…」

ボグは 怒声を上げ 顔を上げると 空に映る光景が目に入り 口をポカーンと開け見惚れた

他の4人の鬼子の子供たちも ボグの呆けた顔を見た後 ボグの見ている目線の先を見る

デン

「うわぁ…す…すごい…」

カル

「………きれい…」

5人の子供の目に飛び込んできた光景 それは エミリが魔法の矢で空に花を咲かせ さらに 黄金色に光る鳥が何羽も花を中心に飛び交い 空を彩っていた


そして…


ロポス

「……お前たち こんなところで何をしている」

村長も 空に咲く花に目を奪われたが 村長は すぐに周りを見渡し 将棋倒しになっている子供たちは すぐに見つかってしまったのだった…


ロポス

「全く!子供たちだけで 来てはならぬと知っておるだろ!」

子供たち

「……ご…ごめんなさい…」

エミリ

「すみません 私がそそのかしたみたいなものですから…」

ロポス

「いえ この子らは いけないとわかっていながら 行った事が問題なのです」

エミリ

「それはそうですけど まあ大体通る道ですよ それに 今回は私のせいですので」

ロポス

「……わかりました エミリ様にそう言われては 私から何も言いません」

ミナ

「エミリ!さっきのエミリがやったの!?すごーい!!」

エミリ

「あ!ミナ!結構綺麗だったでしょ?」

ミナ

「うん!すごかった!!」

エミリ

「エヘヘ…ところで 遠目で見てたんだけど 何か困った事でもあったの?」

ミナ

「…うん 実は…」

ミナは エミリに鉱山内の案内が出来る者が あと数人足りないことを説明する

エミリ

「そっか…それで どうするの?」

ミナ

「うん…それで 案内だけなら出来るって怪我している人が 手を上げてくれてるんだけど…」

エミリ

「いやダメでしょ?…それで具体的に何人足りないの?」

ミナ

「……うーん…後…5人いれば…怪我人まで出す必要はなくなるかなぁ…」

エミリ

「…5人か……ん?5人?」

エミリは ポンッと手を叩き 未だグチグチと説教されている5人の子供たちの前に向かって行った

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