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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第155話 鬼子の子供たち

ゴムド

「さて 部隊が来るまでもう少し時間があるな……兵の配置を もう少し 煮詰めておくかのう」

ユウキ

「あ!ゴムドさん少しいいですか?その…こちらに向かっている部隊は 本当に帝都から派遣された部隊で 間違いないんですか?」

ゴムド

「ん?ご安心を ユウキ殿 間違いなく帝都から派遣された部隊ですぞ」

ユウキ

「そうですか!それを聞いて安心しました」

ユウキは ホッと胸を撫で下ろす

ゴムド

「始めは 正規軍とは思えぬ行軍をしておりましたので ここに着いた時に 一喝入れねばと思うていましたが 途中で 行軍の規律が変わりました 大方ガムラが何かしたのでしょう」

ユウキ

「あれ?…そういえば…ガムラさんは?」

ゴムド

「先に帰ったようですな」

ユウキ

「あ…そうなんだ…もう少し 話を聞きたかったなぁ…それで 復旧作業なんですけど 大体どれぐらいかかりそうですか?」

ゴムド

「そうですな…あくまで予想ですが…大体…」

ユウキとゴムドが 復旧作業の話をしている間 サヤカとアルマは世間話で盛り上がっていた


その頃 エミリは……


鬼子の子供

「………よーし……たぁ!!」

鬼子の男の子たちは エミリが作った簡易的な弓で矢を放つ 山なりに飛んで行った矢は 的の端に当たる

エミリ

「わ!すごいじゃん!当たったよ!!」

鬼子の子供

「うーん……でも エミリお姉ちゃんみたいに ズバンッ!と真ん中に当たんないなぁ…」

エミリ

「そんなすぐに出来ないよ こういうのは 毎日練習して 少しずつ…ほんの少しずつ 上手くなっていくものだからね」

鬼子の子供

「………毎日練習したら 上手くなるの?」

エミリ

「もちろん!でも 何も考えずただ練習しても駄目だよ?自分なりに試行錯誤したり 時には 仲間に相談して 少しずつ上手くなっていくものよ」

鬼子の子供

「そっか…わかった!よーし!毎日練習して 上手くなるぞ!!」

エミリ

「うんうん!頑張って強くなって ゆくゆくは この村を守れる戦士になってね!」

鬼子の子供

「え………それは……エミリお姉ちゃん…無理だよ……」

エミリ

「え?なんでよ?」

鬼子の子供

「……だって……おれ…鬼子だし…」

エミリ

「鬼子だからって なんで出来ないの?」

鬼子の子供

「鬼子は 力の成長はほとんどしないんだよ それに 身体だって 大きくならないし…」

エミリ

「身体が小さいからって何?力が無いからって何?鬼子だからって 初めから諦めていたらなれるものもなれないよ」

鬼子の子供

「……そっか…そうだよな!鬼子だからって戦士になれない訳じゃないよな!」

エミリ

「そうだよ!初めから諦めちゃ何も始まらないぞ!」

鬼子の子供たち

「おー!そうだ!俺たちで村を守るぞ!!」

鬼子の子供たちの 弓の練習に熱が入る その様子を エミリは 仁王立ちでうんうんと頷きながら 見守っていた

すると 後ろから 少し困ったような 小さな鳴き声が聞こえてきた

エミリ

「…………ん?…どうしたの?スキア?」

エミリが振り返ると そこに 微動だに出来ないスキアが 困り顔で座っていた

エミリ

「……あ…寝ちゃったんだ…」


エミリが 年長の子供たちの面倒を見ている間 スキアは幼い鬼子の面倒を見ていた 鬼子の子供たちは はじめこそ スキアの姿を見て怖がっていたが すぐに打ち解け スキアの尻尾を滑り台にし スキアの翼膜をトランポリン代わりにしたりして遊んでいたが 途中で遊び疲れてしまい スキアの背中 翼 さらに1人の子供は スキアの頭の上で寝てしまっていた


エミリ

「あー……これじゃあ スキア動けないよね… よし! 一旦弓の練習やめて この子たちを 診療所の余っているベッドに移動させるよ!」

年長の子供たち

「えー……」

エミリ

「こら そんなこと言わないの」

年長の子供

「そうだぞ!『弱者は強者に従え』だからな!エミリお姉ちゃんの言う事聞かなきゃいけないんだからな!」

年長組の中で 一番大きな鬼子の男の子が 振り返り叫んだ

鬼子の男の子たち

「……だよな…エミリお姉ちゃん つえぇもんな…」

エミリ

「これは命令じゃなくて お願いだからね それに ちゃーんと報酬は出すからね!」

年長の子供たち

「ほ!ほうしゅう!?」

年長の子供たちは 目を輝かせる

エミリ

「そうだよ!だから みんなでこの子たちをベッドまで運んでくれる?」

年長の子供たち

「おおー!!」

エミリ

「うん!いい返事!」

鬼子の子供

「なあなあ!エミリお姉ちゃん!ほうしゅうって何?」

エミリ

「それは 後のお楽しみ さあさあ 2人ペアになって ベッドまで運んで」

年長の子供たち

「うん!わかった!!」

こうして スキアをベッド替わりにしていた子供たちを 診療所のベッドに運ぶ 途中で2人ほど起きてしまい愚図ついてしまったが ベッドまで運ぶと スヤスヤと眠った

エミリ

「よし!全員ベッドまで運べたね………って あれ?サヤカは?……それに…アルマもいないし…どこに行ったんだろ?」

エミリが診療所をキョロキョロしていると 怪我人を見ている1人の鬼子の女性が 声をかけてきた

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