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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第148話 ガムラの昔話 2

ガムラ

「…シシシッ…そうじゃ これは 氷ではない」

ガムラはそう言うと 一枚の葉を出し 氷に近づける すると 氷に触れた瞬間 葉は勢いよく燃え出した

ユウキ

「燃えた!?どういうことだ?」

ガムラ

「これが 魔法構築をするということじゃ 氷の特性である 冷やす 凍らせる といった部分を取り 火の特性である 燃える 熱くする といった特性と入れ替えたということじゃ」

ユウキ

「へ…へぇ…でも それが一体何の意味が?」

ガムラ

「……お主は ほんとうに鈍いのう…我らも この魔法構築の理論と同じということ この魔法構築を利用すれば 速さを魔力へ 魔力を力になど 割り振る事が出来るということじゃ」

ユウキ

「……ふーん…なんだかよくわからないけど それで?」

ガムラ

「……分かっていないのに 次に行くのか…お主は 鈍いだけではなく 話し甲斐がないのう…まあ…良い…当時のゴムドもあまり理解してなかったしな…ただ 奴は 天賦の才でやり遂げおった」

ユウキ

「おお!さすが!ゴムドさんだ!」

ガムラ

「初めは 微々たるものじゃった ほんの少し 速さから 力に変換できた ゴムドは 僅かな期間で ゼロからイチに成功しおった 理論も理屈もわからぬままな…」

ユウキ

「ゼロからイチか…」

ガムラ

「そう…ゼロからイチ…これが最も難しい ゼロはいくら足そうとゼロはゼロじゃからな ただ 一度イチにすることが出来れば 後は容易い ゴムドはそれから ひたすら鍛錬をし 自分の力を自由に配分できるようになった」

ユウキ

「ゴムドさんって 凄い努力家なんだな…そんなことしなくても 充分強かったみたいだし」

ガムラ

「……しかし ここから奴の身体はおかしくなっていったんじゃ いつものように ゴムドが鍛錬をしていた時じゃ 速さを10から8にし 力を12にした しかし 速さは9 力は12であることに気付く」

ユウキ

「え?ちょ…ちょっと待って…それって…えっと…もし それが本当なら 繰り返せば どんどんステータスが上がっていくんじゃ…」

ガムラ

「シシシッ…良く気付いたのう そうじゃ 今度は 力を下げ 速さに振る これを繰り返せば ステータスは無限に増える事になるのう…ただ 振り分けには 大きな魔力が必要じゃ 無限とはいかぬが それでも ステータスは飛躍的に上げる事は出来る」

グミ

「……そんな美味い話があるか どこかで割りを食ってんだろ」

ガムラ

「そのとおり 数値上ステータスは上がっていたが 目に見えない所に負担があったという事 しかし 奴は 念願の限界を超えた事に有頂天になっていた わしは注意喚起をしたんじゃが 全く耳に入らなかった そして 案の定 事件が起きてしまったんじゃな」

ユウキ

「……事件」

ガムラ

「当時 ここ周辺はこれほど安定はしていなかった そこら中で 部族同士が 覇権をかけ争っておってからのう それでも 時が経つにつれ 小さな部族は淘汰されていき 形だけじゃが 大きく2つの部族が残った 1つはわしらがおる先々代獄帝じゃな その後 この2つの部族は 一触即発の状態となっていった」

ユウキ

「……戦いばっかりだったんだな…」

ガムラ

「シシシッ…それが1番分かりやすく 手っ取り早いからのう…そして いつ全面戦争になるか秒読み段階になった時 ゴムドは 信頼できる側近と共に 相手国の偵察に向かって行った とは言っても 敵国も偵察を許すほど 甘い連中ではない あっさりと ゴムド達は見つかってしまう

じゃが ゴムドは見つかってしまっても 切り抜ける自信があったんじゃろ 偵察とは名ばかりの 隠れる事などせず 堂々と上空から 見ておったんじゃからな…

そして ゴムド達は敵に囲まれてしまう ここまでは ゴムドの想定内だったんじゃが ここで 想定外な事が起きた それは ゴムドを囲んだ敵兵じゃ

我らのいる国で 力の象徴としてゴムド 魔の象徴としてわしの様に 敵国も対抗し 2人の将を祭り上げていた もちろん 名ばかりではなく 実力もある 1対1なら ゴムドでも手を焼く存在 その2将が 偶然か必然だったかわからんが ゴムド達を囲んだ その2将が囲んだ兵の数は 3万を超える」

ユウキ

「さ!3万!?」

ガムラ

「そうじゃ その3万も単なる数合わせの3万ではない 2将の直属の兵 強力な部隊じゃ」

ユウキ

「……まさか ゴムドさんが負けたわけじゃないよ…な…」

ガムラ

「無論 いくら2将が強いとはいっても ゴムドより弱い 多少の犠牲はあるやもしれんが 切り抜ける事は可能じゃろう それに わしも手勢を率いて向かっておったからのう」

ユウキ

「……だったら…一体何が…」

ガムラ

「……わしが 手勢を率い 現場に着いてみた光景は 逃げまとう敵兵じゃった…」

ユウキ

「ん?……おお!ってことは ゴムドさんが3万の兵を蹴散らしたってこと!?」

ガムラ

「…シシシッ…そうじゃ 短時間で2将を消し さらに敵兵3万もほぼ壊滅 圧倒的勝利じゃな……ただ…」

ユウキ

「ただ?」

ガムラ

「……ゴムドが連れていた側近連中も 全員消滅 わしがたどり着いた時には 1人佇んでいるゴムドしかいなかったんじゃ」

ユウキ

「……じゃあ ゴムドさんの側近は 敵にやられたって事か…」

グミ

「…ユウキ ちゃんと聞いてたのか?そんなわけ無いだろ 敵も味方も 全部 ゴムド自身がやっちまったんだよ」

ユウキ

「は?なんで味方を?」

グミ

「限界の限界を超えてしまったんだろ 速さ 力 その他戦闘に特化した振り分けをした その結果 ゴムドは 完全に意思をなくしちまった さっきみたいにな… 多分 その時のゴムドは 近くにいる者も全て敵としか見えなくなっちまったんだろうな…」

ガムラ

「……さあのう…わしが その場に着いた時には 全てが終わった後じゃからな…」

ユウキ

「……そんなことが……でも ガムラさんとゴムドさんに確執が生まれた事は分からないんだけど?」

ガムラ

「まあ 待て まだ続きがある そして その後…」

ゴムド

「………よくも まあ 人の過去を断りもなくベラベラと喋りおる… お前…そんなにおしゃべりだったか?」

ユウキ

「あ!ゴムドさん!」

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