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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第12章 鉱山の村 オロス村 後編
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第146話 3人の侍

アルマ

「………で?フォルムは?」

ゴムド

「……うむ 鬼子たちが通る道じゃ 随分と狭い…」

アルマ

「……ほな 狼牙フォルムやな…」

ゴムド

「それで問題なかろう」

ゴムドはそう言うと 一歩前に出て 力を込める

すると ゴムドの身体はみるみる小さくなっていく 犬よりも一回り大きな狼のようになっていく ただ 所々は普通の狼と大きく違い 手足の爪は まるで刃物のように鋭く 逆立った毛は まるで触れただけで傷がつきそうな鋭利な針 そして 情の欠片も感じない 恐ろしく冷たい眼光だった

アルマ

「よっと…」

アルマは 常人は近づく事も出来ない闘気を纏っているゴムドに 当たり前のように跨る

すると アルマもまた 跨った瞬間 変貌していく

アルマは 第3鉱山の時とは 逆で 元々幼い見た目のアルマは さらに 幼い幼児のようになる

アルマ

「よっしゃー!行くで!あんまり乗り気じゃなかったけど 勝負っていうんなら 話は別や やるなら絶対勝つで!!」

ゴムド

「ガウ!!」

ゴムドは アルマの言葉に反応し 狼のように吠える

その様子を 横目で見ていたガムラは 驚きと同時に ニヤッと笑い頷く

ガムラ

『……シシシッ…なるほどのう…あの角…そういうことじゃったか…』

アルマ

「行くでー!!」

アルマは 第2鉱山の場所を指差す すると ゴムドは遠吠えをし 後ろ足に力を込める そして 勢いよく走り出したと分かった時には すでに その場から消えていた

ユウキ

「……また 不可視状態か…」

グミ

「……違う ただ単純にスピードが速いだけだ……しかし…なんだ…あのスピードは…」

ユウキ

「そうなの?グミ お前でも見えなかったのか?」

グミ

「……ああ スピードに特化した状態に変化させたんだろうけど… あそこまでスピードが上がるのか…」

ガムラ

「シシシッ…さて あまり猶予はなさそうだのう……一体で充分と思うていたが…」

ガムラは不気味な笑顔を浮かべ 今度は 両手をパチンと鳴らし 黒い渦を出す

すると そこから グミより一回り大きい人型が 浮かび上がってくる

それを見ていたユウキは 初めこそボーッと見ていたが その人型が鮮明になっていくと 驚きと同時に 羨望の眼差しに変わっていく

ユウキ

「…………!!……おおお!こ…この姿は……さ…侍!?少し小さいけど!!」

ガムラ

「ほう…ユウキは知っておるのか?中々の博識じゃな そうじゃ こやつは サムライ と言ってな わしのお気に入りの召喚のひとつじゃ こやつ1人で充分なんじゃが ゴムドに負ける訳にはいかんでのう…シシシッ…」

ガムラはそう言うと 2回両手をパチンッと鳴らす するとまた 黒い渦が発生し 同じシルエットの人型が2体現れた

ユウキ

「うおお!ま…まるで 精巧に作られた3分の1スケールのフィギュアだ……家に飾りてぇ…」

ユウキは 絶賛の言葉を放つ

その横で グミは その3体を見ながら 生唾を飲んでいた

グミ

『……や…やばいぞ…1体なら勝てるが……3体同時に来られたら…俺だけじゃ…勝てねぇ…ほんと…どうなってんだ…ユウキの周りは…』

ガムラ

「よし ナリヒロ ナリヒラ ナリマサよ お前たちを呼んだ理由は 鉱山内にいるファレーナアントの殲滅じゃ よいな?1匹も見逃すな!行け!」

ナリヒロと呼ばれた小さな侍は 大きく頷き 左の鞘から 真っ白に輝く刀を右手で抜く ナリヒラは 逆に 右の鞘から左手で抜く まるで ナリヒロとナリヒラは 鏡で映したかのように 瓜二つに構えた

その真ん中で ナリマサは 2人の持つ刀より短い小太刀の様な刀を 両鞘から抜き 二刀の構えをする

そして 3人の侍は お互いを見た後 大きく頷き 3人同時に 第1鉱山に向かって行った


ガムラ

「シシシッ…後は あやつらに任せておけば良い して ユウキよ ゴムドとは ここで初めて会ったのか?」

ユウキ

「え?いえ 初めて会ったのはここじゃなくて…」

ユウキが 答えようとするが…

ガムラ

「あー…よいよい 聞いてはみたが さほど興味はなかったわい」

ユウキ

「……は?…そ…そうですか…」

ユウキは じゃあなんで聞いたんだよと ツッコミたくなるが どうせ相手にされそうにないので グッと堪え ガムラの言葉を待つ

ガムラ

「…シシシッ…ん?ユウキよ お主は気になるようじゃな?わしとゴムドの関係を」

ユウキ

「え?……うーん…まあ…ないってことは無いですけど 無理やり聞こうとは思いませんよ?」

ガムラ

「なんじゃ?つまらんのう…聞きたいのか聞きたくないのか はっきりせい」

ユウキ

「あ……じゃあ…聞きたいです…」

ガムラ

「ん?なんじゃその反応は?……お主…若干めんどくさいと 思ってないか?」

ユウキ

「!!い…いえ!そ…そんなこと…」

ユウキが図星を突かれる中 ガムラは ゆっくりと話し出した

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