第140話 クイーンの最後
投稿していたつもりが投稿してなかった…
グミ
「は?違う?なにがだ?」
グミは ユウキの発言が良く分からない
ユウキ
「違う!!まだだ!!」
グミ
「おい!どうし…ギャ!」
ユウキは 木剣を抜きながら 全速力でクイーンに向かって走り出す その際 いつものように グミは 引っ張られバウンドする
そして ユウキは ピクリとも動かないクイーンの中心を 問答無用で木剣を刺し そのままユウキは力の限り押す
クイーンの亡骸は 大きく重いが ユウキの力でも 少しだけ 奥に動く
グミは その様子を転がりながら見ていた もちろん グミには ユウキの行動が分からなかった しかし ユウキのこの奇妙な行動が後に分かる
ユウキが クイーンの亡骸を木剣で刺し 押し込んだ後 クイーンの尻尾が小さく震えだす そして 無数の触手が伸び ユウキを襲った
触手は ユウキの身体を貫き その奥にいるサヤカ達に 目掛けて伸びていく
ユウキ
「うおおおー!」
ユウキは 触手が貫通したまま さらに 奥へと押し込む
無数の触手は まず 近くにいた ゴムドとアルマを襲うが ゴムドは咄嗟に手で弾き アルマは 目の前で 結界に阻まれて弾かれた
そして 残りの触手が へたり込んでいるエミリと 近くにいたミナに襲いかかる もし この2人に触手が刺されば 致命傷になることは明白だ
ゴムドだけでなく 他の者も 完全に意表を突かれ 全く動けない
しかし うねりながら エミリとミナに向かった触手は あと数センチの所で力尽き ヘナヘナと地面に落ちた
ユウキ
「グミ!エミリとミナさんは無事か!」
グミ
「え?……はっ!」
グミは この時 そこまで気が回らなかった そもそも クイーンが動き出す事さえ 予想出来なかったのだから
ゴムド
「大丈夫じゃ!ユウキ殿!あなたが押し込んだおかげで エミリ殿とミナ殿には 届いておらん!」
ユウキ
「そうですか……よ…よかった…」
ユウキは クイーンから木剣を抜き ゴムドの元に歩き出す
アルマ
「やるやん!ユウキ!よう気付いたな!でも エミリとミナだけ心配して…うちも 心配してや」
ユウキ
「ハハッ…アルマに届いた所で どうせ効かないだろ?」
アルマ
「まあ…そうやけど…それでも 大丈夫か? の一言あってもええんとちゃう?」
ユウキ
「そういうもんか?……じゃあ…アルマ 大丈夫か?」
アルマ
「今さら 遅いわ!」
サヤカ
「でも よく気付いたね!ユウキ」
ユウキ
「え?………ああ…そうだ…な…我ながら良く動けたよ」
思わぬユウキの活躍により 女子陣は ユウキを取り囲み ベタ褒めする
その状況をグミとゴムドは ユウキの行動に違和感を感じた
グミ
『……あの…クイーンの動き…気付くとか気付かないとか そんなんじゃねぇ……あれは…まるで…』
グミ ゴムド
『………知っていた?』
半信半疑ながらも ゴムドとグミの結論は 同じだった
ユウキ
「じゃあ ゴムドさん この場は 任せても大丈夫ですか?」
ゴムド
「…………!!も!もちろんじゃ!ユウキ殿!」
ユウキ
「ありがとうございます では よろしくお願いします おい!グミ そんなところで 転んでないで戻るぞ」
グミ
「……クックク…さすが…俺の主人だ やっぱりお前は 化け物だぜ!」
ユウキ
「誰が化け物だ 全然誉め言葉じゃねぇよ」
ユウキを中心に 和やかな雰囲気になるが…
クイーンは まだ 敵を排除する力は残っていた
ゴムド
「………ん?…この匂い……!!い!いかん!!」
グミ
「どうした?………な!?」
部屋中に 妙な匂いが充満していく
グミ
「こ…これは…毒……いや!猛毒のガスだ!ど!どこから!…ちっ!クイーンの尻尾からか!」
クイーンの大きな尻尾が 縮んでいく その際 尻尾から 猛毒のガスが噴出する
その様子を ユウキは ゆっくりと振り返りながら ゴムドに話しかけた
ユウキ
「ゴムドさん 猛毒の耐性はありますか?」
ゴムド
「わしとアルマの心配は無用じゃ!それより エミリ殿を!」
グミ
「ミナもだろ!ミナ!この部屋から出ろ!急げ!サヤカはエミリを…」
ここまで グミが捲し立てた時 ユウキが言葉をはさむ
ユウキ
「グミ 安心しろ もう大丈夫だ 問題ないんだよ エミリもミナも…それから 村の人たちもな」
エミリ
「……え?……わ…わたし…猛毒の耐性なんてないけど…」
ユウキ
「大丈夫だ エミリ 耐性は付いているんだ 一時的だけどな それに もし 耐性がなきゃ もう影響は出ているはずだ でも 大丈夫だろ?」
エミリ
「……本当だ…な…なんで…」
ユウキ
「ラスピクラブだよ あれのおかげで エミリに一時的だけど 毒の耐性が付いているんだよ だろ?グミ?」
グミ
「……いや…耐性までわからない…だが…この部屋は猛毒が満ちている……はっ!村人!!」
ユウキ
「大丈夫だ 村の人には影響ないんだよ この猛毒は……ね?ミナさん ミナさんにとっては いつも嗅いでいる匂いだよね?」
ミナ
「はい この匂いは 鉱石の精製する時の匂いそっくりです でも これが猛毒?」
ゴムド
「説明が遅くなったが 鉱山や鍛冶師などに 携わっておる者は この手の猛毒は自然に耐性がついておる しかし…な…なぜ…ユウキ殿は…知って…いや…」
サヤカ
「じゃあ 村の人は?」
サヤカは 心配そうに 回復させたばかりの村人たちを見る すると 全員 気持ちよさそうに寝息をたてており 誰も苦しそうな者は 見当たらなかった
ゴムド
「……うむ みな 耐性を持っておるようじゃな して ユウキ殿 これで 打ち止めですかな?」
ユウキ
「え?……えっと……はい…もう 大丈夫です」
ユウキは クイーンに改めて振り返った ファレーナクイーンの亡骸は 色が変色し 朽ち果てていた……