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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第11章 鉱山の村 オロス 前編
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第137話 ゴムドの変貌

ゴムド

「アルマ!」

アルマ

「………まぁ この状況じゃ しゃあないな…」

アルマは 頭を掻きながら フワッと浮き ゴムドの肩に乗る

すると ゴムドから 赤黒い闘気が身体を覆いだし 元々大きなゴムドが さらに一回り大きくなり 手足の指から 鋭利な爪に生え変わる

その後 全身がまるで炎のような毛が逆立ち 顔立ちも あの優しい顔から 虎のように凶暴な顔に豹変した

ユウキは ゴムドが豹変したことに驚愕したが 肩に乗っている アルマの変貌にも驚愕する

アルマの見た目は 少し子供っぽい姿から 成熟した女性へと変わっており 短い黒髪は 真っ赤な色に変わり ゴムドの足元に届きそうな程伸びていた

そして 何より驚いたのは アルマの顔だ

子供っぽい見た目から 美しい女性の顔立ちに変わったことに驚いた訳ではなく 額から ひと際目立つユニコーンの様な 角が生えていたのだ


アルマ

「…………ふぅ……後は うちらに任せてもらう………まず……天井から」

アルマが上空を見る すると ゴムドは両足に力を入れ 上空に飛ぶ

ゴムドは雄叫びをあげながら 狂ったかのように ファレーナアントを 引き裂いていく

ユウキ

「す…凄い……でも………ゴムドさん……ま…まるで…」

グミ

「……肉弾戦闘に特化した変化か………ありゃ…今の俺じゃ勝てねえな……ただ ゴムドのやつ…自分の意思が無くなってやがる…クイーンと同じになるってこういうことか……ん?…なるほど…アルマが ゴムドを動かしているのか…」

サヤカ

「速すぎて もう何をしているか全然わかんない……ねぇ…エミリ………エミリ?……!!どうしたの!?エミリ!大丈夫!!」

サヤカがエミリに問いかけたが 返事が返ってこなく そっと振り返ると エミリは 震えながらしゃがみ込んでいた

エミリ

「………う…うん……だ…大丈夫…」

サヤカ

「グミちゃん!!エミリが!!」

グミ

「ん?……!!…こりゃ…まずいな…ゴムドの漏れている闘気が強すぎて エミリに悪影響が出てやがる……ま…待てよ…エミリでこれだけの影響が……ってことは…おい!ミナはどこだ!!」

ミナ

「あ はい ここです」

ミナが ひょこっと グミに見えるように顔を出す

グミ

「………あれ?ミナは大丈夫なのか?」

ミナ

「はい ミナは 大丈夫です」

サヤカ

「……そういえば ミナさんは ゴムドさんが直接結界を張ってたね だから 悪影響がないのかな? グミちゃん エミリに結界出来ないの?」

グミ

「……うーん…すまん この闘気を押さえ込む程の結界は 多分 張れねぇ………とにかく 今の俺が作れる結界を張ってみるが…」

グミは エミリを結界で覆う が……

エミリ

「……う……うぅ…」

グミ

「……チッ…やっぱり駄目か…」

エミリ

「だ…大丈夫…全然耐えられないほどじゃ…ない…か…ら…」

エミリは 顔面蒼白になりながら ピースサインを出す

ユウキ

「………エミリ 一旦 この空間から出よう」

エミリ

「ほ…本当に大丈夫だから…」

ユウキ

「駄目だ!影響が出なくなる所まで 後ろに行くぞ!」

ユウキは エミリの手を掴み 後ろに連れて行こうとする

エミリ

「…………ん?…あれ?…ちょ…ちょっと待って!ユウキさん!」

ユウキ

「駄目だ!行くぞ!!」

エミリ

「違うの!ユウキさんに手を握られたら さっきまであった締め付けられる様な 感覚が無くなったの!」

ユウキ

「また そんなこと言って!!」

グミ

「おーいユウキ 嘘じゃないようだぞ エミリは元に戻っている」

サヤカ

「ユウキが直接触っていると 保護しているってこと?……そっか…なら 仕方ないわね エミリにユウキ貸してあげるよ ユウキ ちゃんと エミリの手を握ってあげて」

ユウキ

「……貸すって…俺は物かよ…」

エミリ

「……うわぁ…すんごい安心感……でも 初めてあった時 ユウキさんをハグしたけど こんな感じなかったよ?」

エミリは ユウキを見つめながら 首を傾げる

ユウキ

「さ…さぁ?俺には 分からないよ…」

ユウキは まじまじと見つめるエミリから目を逸らし 照れながら答える

グミ

「そんなことより 見ろ………もう……終わるぞ…」


ゴムドが豹変し 暴れ出してから わずか数分で天井にいたファレーナアントは 一匹残らず壊滅させ すでに ファレーナナイトと戦闘に入り こちらも あれだけいたファレーナナイトは 数えれる程減っていた


ユウキ

「……う…嘘だろ…あれだけいたのに…」

そして 最後のファレーナナイトを ゴムドは引き裂く

グミ

「……終わったな」

アルマ

「……残りは…ファレーナクイーンだけね…」

アルマは 大きく息を吐き ゴムドの肩から降りる すると ゴムドの形態が元に戻っていく アルマも また いつもの姿に戻っていった


ゴムド

「……ん?終わったか?」

アルマ

「終わったで 残りは 目の前のクイーンだけや」

ゴムド

「………この状況でも まだ 卵を産んでおるのか…」

ゴムドは 後ろを振り返り 哀れみの目で ファレーナクイーンを見つめる

グミ

「……もう 終わらせてやろうぜ…」

ユウキ

「……そうだな…あ エミリ?もう大丈夫かな?」

エミリ

「う…うん!大丈夫 ありがと」

ユウキは エミリに微笑み 手を放し 真剣な顔で ファレーナクイーンを見る

ユウキ

「……ファレーナクイーン…か…」

ユウキも 未だ尻尾に力を入れ 卵を産もうとしているファレーナクイーンを寂しそうに見る

その後 この惨状に終止符を打つため 力強く 一歩を踏み出す

しかし ユウキは 膝から崩れてしまう

ユウキ

「………!!は!?……あれ?」

ユウキは 地面に膝をついたまま 周りをキョロキョロしだす

グミ

「何してんだ?ユウキ?」

ユウキ

「……い…いや ちょっと 力入れすぎちゃったかな?ハハハ…」

グミ

「……力入れすぎるほど 力ねぇだろ?」

ユウキ

「うるせー!」

ユウキは 何事もなく立ち上がる しかし この何とも言えない違和感 以前にも感じた…そんな感覚だった

だが 今は そんなこと考える余地はない とにかく 目の前のファレーナクイーンをどうするかだ

ユウキは クイーンの足元にいる鬼子たちの亡骸を見る すると 小さなうめき声が 微かに聞こえた

ユウキ

「………!!ま…まだ!生きている!?」

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