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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第11章 鉱山の村 オロス 前編
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第133話 戦闘特化型のファレーナアント

アルマ

「見ての通りや 全然けーへん」

ゴムド

「……仕方ないのう…さて 大元はこの奥じゃ 急ぐ必要もあるまい ぼちぼちと行けばよかろう…」

エミリ

「あ!本当だ!天井に張り付いてるね!よーし!」

エミリは ここが見せ場と言わんばかりに 意気揚々と弓を構える しかし…

ゴムド

「よいよい エミリ殿 こやつらは ファレーナアントであって ファレーナアントではないのじゃ ここで無駄に魔力を消耗するべきでないぞ?」

エミリ

「……ええ…そ…そうですか…うぅ…残念…」

エミリは しょんぼりして 定位置のサヤカの元に戻っていく

ゴムド

「……それに これだけ警戒が早いという事は…間違いなくおる…」

グミ

「……だろうな……さて 問題はどのくらいいるかって事だな…」

サヤカ

「ファレーナアントであって ファレーナアントじゃない?……どういうこと?」

グミ

「ファレーナアントは ある程度規模が大きく かつ 大元が強力であればあるほど 生まれてくる可能性が高くなる ファレーナアントの戦闘に特化したファレーナアント……通称 ファレーナナイトだ」

ユウキ

「ナ…ナイト?騎士か…普通とはどう違うんだ?」

グミ

「まず大きさが違う 3倍以上の大きさだ それから 通常種は尻尾しか攻撃手段がないが ナイト種は 両手が鎌状になっていて 尻尾に猛毒の針を持っているのが ファレーナナイトだ」

ユウキ

「……へぇ…ってことは……あいつみたいな感じ?」

ユウキは 奥にいるファレーナアントを指差す

グミ

「ん?そうそう…ちょうどあんな感じの………っているのかよ!!」

ゴムド

「……まだ 縄張りの入口じゃぞ……しかも…」

奥から ゾロゾロと大きなファレーナアントが 嫌な羽音を立てながら出てくる

グミ

「…………8匹…か……ちっ…奥はどうなってやがる…」

アルマ

「まぁ とにかく 行くしかないやろ?」

グミ

「だな 行くぞ!ユウキ!」

ユウキ

「ああ まだ第3鉱山だ こんなところで足踏みしている訳にはいかない」


8匹のファレーナナイトの内 2匹が 前に出てくる

1匹がグミ もう1匹がユウキの前に行き それぞれ1匹ずつ対峙する形となる


グミ

「………この俺相手に 1匹でくるとか……舐めてんのか?」

ファレーナナイトは 両手の鎌を上げ グミに斬りかかる

グミは 振り下ろした鎌を避ける素振りを見せず そのまま振り下ろしに合わせて 拳で打った

グミの小さな拳は ファレーナナイトの鎌を粉砕してしまう

ファレーナナイトは 驚き 後方に下がる しかし グミは 前に詰め ニヤついた顔で 拳を振り上げ そのまま ファレーナナイトの胸を貫いた

グミ

「………ふん…何を驚いているんだ…お前ごときが 俺に傷をつけれるとでも思ったか………さて…ユウキは……」


ユウキ

「この!……くそっ…あ!……いてっ…」

ユウキは見様見真似で 木剣をブンブン振り回すが ファレーナナイトは ひらりひらりと避け その合間合間に ユウキを斬りつけていく

ユウキは 斬りつけられる度 イライラが募り さらに大振りになっていく


エミリ

「あ!危ない!…また斬られた……あ!また!………ね…ねぇ サヤカ……ユウキさん 随分斬られているけど 大丈夫なの?」

サヤカ

「……うーん…やられちゃう事はないと思うけど……そもそも 剣なんて使ったことなんてないしね…」


グミ

「おい!ユウキ!そんな大振りじゃ当たらねぇよ!もうちょっと 相手を見ろ!」

ユウキ

「相手を?……んーっ……あ…いや無理…こいつ…はえーもん…」

ユウキは ファレーナナイトから目を逸らし 身体ごとグミに向けて話す その間も お構いなくファレーナナイトは ユウキを斬り続ける

ユウキは 攻撃を無効にしているわけではないので ファレーナナイトは 今までにない手応えを感じていた


ユウキ

「……く…くそ 何度も 遠慮なく斬りやがって!」

ユウキは 背中をザクザク斬りつけているファレーナナイトに 振り向き様に 木剣を振ったが 相変わらず ヒラリと避けられてしまう

ユウキ

「……もう 許さない!!」

ユウキは木剣を両手で持ち 上段に構えて目を閉じた

ファレーナナイトは ユウキの良く分からない行動に警戒をし 少し距離を空けて様子を見る

ユウキ

「……ん?どうした?こいよ 隙だらけだぞ?」

ユウキは 右目をチラッと開け ファレーナナイトを煽る

グミ

「………何やってんだ?ユウキ…そんな芸当出来ないだろ?」

ユウキ

「まぁ 見てな」

ファレーナナイトは 渾身の一撃を放つため 両手の鎌の形状を槍状に変化させる

グミ

「……へぇー…あんなこと出来るんだな 知らなかったぜ…」

ファレーナナイトは 両手の槍を中心に構え 後方に飛び 勢いをつけ ユウキの胸目掛けて突っ込む

エミリ

「あれは まずいよ!ユウキさん 避けてー!!」

ゴムド

「安心せい 見よ…極限まで集中しておる……ファレーナナイトが ユウキ殿の胸を貫く前に 叩き落とすであろうて」

ゴムドは 腕を組みながら うんうんと頷きながら ユウキを見つめる


ファレーナナイトが ユウキの胸を貫く為 ユウキの目の前にくる

ゴムド

「今じゃ!振り下ろ………!!な!なんじゃ…と…」

ユウキは 全く動こうとせず ファレーナナイトの槍が ユウキの胸を貫いた

ユウキは 槍状になった両手が 自身の胸を貫いたのを確信すると ゆっくりと眼を開け ニヤッと笑う

ユウキ

「……待ってたよ 俺の身体を貫く攻撃をするのをな!」

両手で構えていた左手を離し ファレーナナイトの槍状の手を掴む

ファレーナナイトは 槍状になった手を抜こうとするが

ユウキ

「ここまでされて 逃がす訳ないだろ?たぁー!」

ユウキは 右手に力を込め ファレーナナイトの頭に 木剣を振り下ろした

ユウキの力は大したことないが 木剣の威力は凄まじく ファレーナナイトは真っ二つに裂け 片割れは地面に落ちた

ユウキ

「……ふぅ…」

ユウキは大きく息を吐き 胸を貫いているファレーナナイトの手を 何事もなかったように抜き 地面に落とす

グミ

「かぁー!相変わらず 無茶苦茶な戦い方だな!」

ユウキ

「どうせ 目で追えないし いくら振り回しても当たんないしな!」

緊張感の欠片もないグミとユウキが ヘラヘラしながら話す

その様子を ゴムドとエミリは 口をポカーンと開け見つめていた

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