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拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます  作者: みるきーうぇい
第11章 鉱山の村 オロス 前編
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第130話 明光鉱石は松明

エミリ

「………もしかして 不良品?」

アルマ

「鉱石に不良品とかないで?…まぁ ええわ うちのと交換したるわ」

アルマは ユウキに自分の持っている棒を渡し ユウキの持っている棒と交換する

そして 案の定 アルマが持つと ユウキでは光らなかった鉱石が光り出す 一方 ユウキが受け取った鉱石は どんどん輝きを失い ついに 完全に消えてしまう

ユウキ

「え!?なんで俺だけ!?」

グミ

「そいつは 極微量な魔力を 触媒にして光っていると言われてる どんな奴でも 多かれ少なかれ魔力はあるもんだからな……しかし…これで ユウキの魔力は本当にないって事が 証明されたなぁ…」

ユウキ

「そ…そんな…」

ユウキは大きくショックを受ける もしかして 自分も魔法を使えるようになるかもと 本当は期待していたからだ しかし これで 魔法が使えない事が 確定したようなものだからだ

グミ

「………でも 本当になかったんだな…」

ユウキ

「……うっせぇ…はぁ…じゃあ 俺が持っていても仕方ないな…はい…サヤカ…」

サヤカはユウキから 棒を受け取る すると 棒は光り出した

サヤカ

「…あ…光った……でも ユウキ 気にしないで 誰にでも得手不得手があるからね」

ユウキ

「……いいさ…なんとなくそんな気がしてたし…わかって……え?サ…サヤカ!?」

サヤカ

「どうしたの?」

サヤカは不思議そうに 首を傾げる

アルマ

「な!なんや!?」

アルマも サヤカを見て驚く

そして サヤカも気付く 自分を見て驚いているわけではない事を…みんなの目線は 自分が持っている棒に 釘付けになっている事を…

サヤカは 恐る恐る自分の持つ棒を見る…

サヤカ

「…………キャッ!ま…まぶしい!!」

サヤカの持っている明光鉱石は ありえないくらい輝きを放っていた

サヤカ

「ど!どういうこと!?な!なんで 私のだけこんなに光ってるの!?」

エミリ

「え?え?どうなってんの?」

サヤカ

「ど!どうしたらいいの?……あ…キャッ!」

明光鉱石は限界を超えたようで 大きく輝いた後 パーンと破裂音と共に 明光鉱石は砕け散った

ゴムド

「な!なんじゃ!何があった?大丈夫か!?」

サヤカの叫び声と破裂音で 奥の本道で待っていたゴムドが倉庫に入ってきた

アルマ

「……明光鉱石が…破裂?……聞いた事ないで…」

ゴムド

「アルマ!一体何があった!」

アルマ

「さぁ?サヤカが持ったら 明光鉱石が破裂しよった」

ゴムド

「……破裂だ…と…」

ゴムドは 破裂した音で ビックリして尻もちを付いているサヤカの元に 近付く

ゴムドはしゃがみ 砕け散った明光鉱石を 指でつまむ しかし 触れた瞬間 明光鉱石の欠片は その形を維持することは出来ず 砂と化した

ゴムド

「……こ…これは…」

アルマ

「ん?何か分かったんか?」

ゴムド

「………いや…気にせんでいい……おっと!サヤカ殿 大丈夫でしたかな?」

ゴムドは 尻もちをついているサヤカに 手を伸ばす

サヤカ

「あ…すみません…ありがとうございます!」

サヤカは 手を伸ばしてくれているゴムドに手を伸ばす しかし…

ゴムドの指とサヤカの指が触れた瞬間 ゴムドは 弾かれたように 手を引いた

ゴムド

「!!!なっ!?」

ゴムドは 弾かれた手を一瞥した後 ユウキを見る その後 ゆっくりとサヤカに振り返った

サヤカ

「ゴ…ゴムドさん?」

サヤカは 手を出したまま ゴムドの行動に理解ができなかった

ゴムド

「………!!おっとすまぬ サヤカ殿」

ゴムドは慌てて 何事もなかったように 手を出し 優しくサヤカの手を引っ張り上げた

アルマ

「………じじぃ…大丈夫か?」

ゴムド

「な…なんじゃ べ…別に な…なんともないぞ!ハッハハハ!」

アルマ

「………じじぃ…足震えとるで?」

ゴムド

「!!!」

ゴムドは気付かなかった 自分自身の身体が 震えている事を

ゴムド

「い…いや…気にするでない…それより 明光鉱石は ユウキ殿 サヤカ殿には 持たされんのう…」

サヤカ

「……う…ごめんなさい…」

エミリ

「だったら わたしが隣にいれば いいよね!」

エミリは サヤカの隣に行き サヤカと腕を組む

サヤカ

「あ!うん!ありがと!エミリ!」

ゴムド

「……では ユウキ殿は…」

アルマ

「じゃあ うちやな!」

アルマが名乗り出て ユウキの隣に行き 強引にユウキと腕を組む

ユウキ

「わ!アルマさん!!」

アルマ

「ん?なんや?遠慮せんでもええで?それとも こんなべっぴん近くにおったら 緊張してまともに歩けんようになってまう?」

ユウキ

「いや 明光鉱石は グミに持たせるから 大丈夫ですよ」

ユウキは かなり引き気味で答える

グミ

「は?なんで俺が持たなきゃならねぇんだ 見ろよこの手 これで 持とうとするなら 両手で持たなきゃ駄目だろ?両手が塞がるなんて俺は嫌だからな しかも 俺には 光源なんて必要ないしな アルマが持ってくれるって言うんだったら 持ってもらえ」

ユウキ

「光源?…明るくなくても 見えるって事か?」

グミ

「言ったろ?俺は全身で感じてるんだって 目で見てるわけじゃないんだよ」

アルマ

「んじゃ 行くで!ユウキ!」

アルマは ユウキと腕を組んだまま ズンズン歩く

ユウキ

「ちょ…ア…アルマさん…歩くの…は…はやい…」

その様子を見ていた エミリが 恐る恐るサヤカを見る

エミリ

「……あ…あのサヤカ………ん?あれ?」

サヤカ

「ん?どうしたの?エミリ?」

エミリ

「ううん…な…なんでもないよ……ただ…えっと…」

サヤカ

「アルマさんって ズバズバ言うよね…ユウキが一番苦手な部類だわ…」

エミリ

「……あ…なるほど…だからか…」

サヤカ

「何か言った?エミリ?」

エミリ

「ううん じゃあ行こう!」

エミリは サヤカがこの前みたいに 負のオーラが出ない理由に納得する それと同時に 少し羨ましく思えてきた

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