第126話 サヤカに憑いた者
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サヤカ
「………ここかな?……おっきいねぇ…」
エミリ
「うん ここにはたくさんの人が 鉱石を求めてきてるんだね ここの鉱山は 良質な鉱石が取れるって有名らしいから でも…今は… 本当なら もっと賑わっているんだよね…」
サヤカ
「………早く元の日常に 戻してあげたいな…」
サヤカは 強い想いで 宿舎の扉を開ける
サヤカとエミリが 中に入ると がらんとしていて まばらにある椅子が 更にもの悲しさを演出していた
エミリ
「……分かっていたけど ほとんどいないね…」
サヤカ
「……ええ それより ゴムドさんとアルマさん…探さなきゃ…」
サヤカとエミリは ゴムド達を探すため ウロウロしながら 周りを見渡す
この宿舎に残っている者は どうしても鉱石が欲しい者たちだ 切羽詰まっている顔の者 イライラしている者と 雰囲気は非常に悪い
そして 案の定…
ガラの悪い商人
「おい!こんなところでウロウロするんじゃねぇ!目障りだ!!」
エミリ
「…は?…何か 言ったか…」
エミリが サヤカの前に行き 食って掛かろうとするが…
サヤカ
「ダメ…エミリ…こんなところで 揉め事起こしている場合じゃないわ……すみません ちょっと人を探していて…すぐに出ていきますので……」
サヤカは ガラの悪い商人に頭を下げ 邪魔にならないように 通り過ぎようとするが
ガラの悪い商人
「だから!目障りだって言ってんだろ!!」
ガラの悪い商人は わざわざ遠回りしているサヤカに向かい 背中をドンッと押す
サヤカは その拍子に 床に手をつく
エミリ
「!!!」
エミリは プチッと切れた音がしたと思えるくらい 鬼の形相に変わり とっさにガラの悪い商人を 蹴り飛ばした
真横から 蹴られた商人は 壁まで吹っ飛ばされていく
ガラの悪い商人
「ぐわぁ!な!なにしやがる!!………え…」
ガラの悪い商人は 顔を上げ エミリを睨んだが その時エミリは 一呼吸も置くことなく 弓をすでに構え 魔法の矢を放つ瞬間だった
ガラの悪い商人
「あ……ああ…や…やめ…」
エミリ
「……喧嘩を売る相手を間違えたね……消えな!」
エミリは 魔法の矢を 商人の脳天目掛けて放つ
サヤカ
「ダメ―ッ!エミリ!」
エミリ
「!!!」
エミリは サヤカの叫び声を聞いて 矢の軌道を変える 矢は 商人の脳天に刺さることなく 商人が被っていた帽子を掠め 壁に突き刺さり 音も無く消えた
サヤカ
「…エミリ 駄目だよ…」
エミリ
「………分かった…サヤカ…じゃあ 探しに行こう」
エミリは ガラの悪い商人を 鋭く睨みながら答える
サヤカ
「うん 行こう」
サヤカとエミリは 奥に向かって行く
ガラの悪い商人は サヤカとエミリが見えなくなったのを確認すると ゆっくりと立ち上がる
ガラの悪い商人
「……ちっ…なんなんだよ…くそ…ついてねぇ…あ?なんだ!見世物じゃねぇんだ!」
横目で見ていた他の商人に向かって怒鳴ると 他の商人たちはコソコソと元に戻った
ガラの悪い商人
「……ふんっ…たしか…サヤカと…エミリとか言ったな…覚えてろよ…」
木くずのついた服を払いながら ぼやく
???
「……なるほど…あの方に まだ何かしらの危害を加える気か…」
ガラの悪い商人
「…………ん?なんだ?今の声?」
ガラの悪い商人は 周りを見渡すが 声の主は分からない しかし 違和感を覚え 首を傾げる
…そして その違和感が確信に変わった時には もうすでに手遅れだった
ガラの悪い商人
「………え?な…なんだ?…なんで?」
ガラの悪い商人の周りだけが 徐々に光を失い 暗闇に染まっていく
???
「……よっぽどの事が無い限り…出るなと言われていたが…この事は よっぽどの事と認識する…」
ガラの悪い商人
「な…なんで 俺の周りだけが 真っ暗に!?……ひっ…」
ガラの悪い商人の前に 真っ黒な物体が現れ 商人を包む
商人は叫び声を上げるが その声は誰にも届かない そして ガラの悪い商人は 音も無く まるで 存在したことが無かったかのように ガラの悪い商人は消滅した…
落ち込んでいる商人
「………ん?あれ?さっき騒いでた奴は?」
元気のない商人
「……さぁな?どっか行ったんだろ?」
落ち込んでいる商人
「………ふーん…まぁ…うるさい奴がいなくて せいせいするから 別にどうでもいいけどな…」
その頃 サヤカとエミリは 奥の個室が並ぶ通路にいた
サヤカ
「…多分 この辺だと思うけど…予約していたって言ってたよね…でも…中に入ってちゃ 探すの難しいよね…どうしよう…って!エミリ!?」
サヤカの心配をよそに エミリは 行き交う部屋の扉を容赦なく ノックしながら歩いていた
サヤカ
「ちょ!ちょっと エミリ何してるの!?」
エミリ
「ん?扉を叩いてるんだよ?いたら出て来るだろうし」
サヤカ
「中で 休んでる方もいるでしょ?迷惑かけちゃ駄目だよ…」
エミリ
「大丈夫 大丈夫!ここの部屋は大口の買い付けする商人の部屋だよ 手前にいたケチな商人とは違うし ほとんど事前に閉鎖のこと連絡いっているはずだから ここには ほとんどいないと思うよ!」
サヤカ
「……たしか ゴムドさん…ここに到着するまで 閉鎖知らなかったはずだよ?」
エミリ
「……あ…いや!でも グミちゃんの脅しでも屈服しなかったのって限られてるしさ!ほとんどいないって!」
サヤカ
「……で…でも…」
サヤカは やはり心配するが エミリは 気にせず 部屋の扉を叩く そして…
ゴムド
「………誰じゃ?……お…これは……ユウキ殿じゃな 今 開けますぞ 少々お待ち下され」
エミリ
「やた!この声は さっきの2人だよ!」
そして ゴムドは扉を開ける
ゴムド
「これはこれは ユウキ殿 いかが致し………ん?おや?」
サヤカ
「あ!ゴムドさん すみません 私 ユウキの隣にいた サヤカと言います」
ゴムド
「うむ 覚えていますぞ」
アルマ
『………爺ちゃんが…間違えた?………どういうこと……』
サヤカ
「それで…」
サヤカは 事の事情を話す
ゴムド
「……なるほどのう…確かに 全く知識が無ければ 難しいからのう…うむ 分かり申した では アルマ 向かうとするか」
アルマ
「…………」
ゴムド
「アルマ!聞こえとるか!」
アルマ
「………!ああ 聞こえとるわ」
サヤカは ゴムドの助力を得る事に成功し 急いで ユウキの元に戻って行った
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