第117話 レミュとマルコ
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レミュ
「……で?少しは見えたかい?」
マルコ
「……ハハハ…全然…見えませんでした…相当な者ですね…強制的に入ろうとしたんですが…この有り様です…」
レミュ
「………そうかい…で ユウキとサヤカと比べられるかい?」
マルコ
「……どちらも見えないから なんとも言い難いですが…ユウキさんとサヤカさん程ではないですね…」
レミュ
「……なるほどねぇ…ククッ……ハッハハハ!やっぱり!あの2人は 面白いね!!」
レミュは 口を大きく開け 大爆笑する
マルコは その様子を見て安堵する ユウキ達と会う前は 近付く事も出来ないほど 荒れていたからだ
レミュ
「………そうそう ところで…」
マルコ
「はい?なんでしょう?」
レミュ
「……この床…何でこんなことになってるんだい?……あたいは こういうの気にしないけどさぁ 汚したら ちゃんと掃除しなよ…全く…」
マルコ
「!!!え!?………は…はい すみません…」
マルコは 驚愕するが まぁ いつものことだと思い 床に散らばるものを 拾い始めた
レミュ
「……今はいいさ 後にしな!………さて」
レミュは 勢いよく 椅子から立ち上がる
マルコ
「???………どこかに行くのですか?」
レミュ
「ん?…いや ちょっと 歩きたくなっただけさ…」
マルコ
「……そうですか…」
レミュは 後ろに手を組み 部屋の出口に歩き出すが 出口前で 立ち止まる
レミュ
「……何やってんだい!マルコ!あんたも来るんだよ!あたいの護衛をしないつもりかい!」
マルコ
「ええ!!つ…ついて行っていいんですか!?」
マルコは また 驚愕する
レミュは 時折 部屋から出て フラフラする事が何度かあった しかし マルコはもちろん 誰も付いて行く事は許さなかった その為 マルコは レミュに気付かれないギリギリのラインを 魔力で覆う レミュが散歩に行く事は マルコにとって とんでもない負担なのだ
レミュ
「行くよ!」
マルコ
「は!はい!」
マルコは 急いで レミュの後ろに付く
マルコ
「……エヘヘ…」
マルコは つい ニヤニヤしてしまう すると レミュが後ろに振り返る
マルコ
「………ひぃ…す…すみません…」
レミュの右手が伸び マルコの顎を指で強制的に上げる いわゆる 顎クイ状態だ
マルコ
「!!え…あ!……い!?」
マルコはそんなことされるとは 思っていなく気が動転する
レミュは さらに顔を近づけてくる
レミュ
「………うん…マルコ…あんた 大丈夫なのかい?」
マルコ
「は!はいぃ!!だ…大丈夫ですぅ!!!」
レミュ
「…マルコ…あんた…一瞬…元に戻ったんだよ?」
マルコ
「……え…そ…そうだったんですか?………あ…少し…限界を超えたからかも…しれません…」
レミュ
「……全く…限界を超える事は 今後禁止だ!分かったね!」
レミュは さらに マルコに顔を寄せる
マルコ
「はいぃ!!分かりました!!」
マルコは 直立不動で答えた
レミュ
「……じゃあ 行くよ 付いてきな」
マルコ
「はい!!もちろんです!!」
レミュは また 後ろに手を組みながら歩き出す その後ろを マルコは ピッタリとくっついて行った
時は少し戻り ユウキ側…
ユウキ
「すみません お待たせしました!」
サヤカ
「ごめんなさい 時間かかっちゃいました!」
ミナ
「ぎゃあ!!」
後ろから 声をかけられたミナは 奇声をあげ ユウキから遠ざかるように 大きくジャンプする
ユウキ
「ごめんなさい ビックリさせちゃいましたね 俺です ユウキです」
ミナ
「は!はいぃ!!そうです!ミナが ユウキさんです!!」
何度も お辞儀をしながら答える
ユウキ
「……え…?」
ミナ
「ああぁ!!ち…違います!違います!ごめんなさいぃ!マルコさんでした!!」
今度は 首を何度も横に振り 答える
サヤカ
「……ミ…ミナさん?」
ミナの様子がおかしく サヤカは心配していると ユウキの身体からグミが出てくる
グミ
「………うーん…こりゃ相当混乱しているぞ…一体…何されたんだ?」
ユウキ
「グミ 出てきたか 混乱?なんでだ?と…とにかく グミ 直せるんだろ?なんとかしてやってくれ!」
グミ
「ああ ほらよ」
グミは 訳が分からなくなっているミナに 魔法を使う
ミナ
「…………ハッ!?……あ…あれ?」
サヤカ
「大丈夫?ミナさん?」
ミナ
「……あ…サヤカさん…あ…ユウキさんも…よ…良かったぁ…」
ミナは ユウキとサヤカの顔を見て 安堵する
ユウキ
「……そりゃそうか…来ちゃいけない所に 訳も分からず 連れて来られて その上 待ちぼうけだもんな…本当にごめんなさい…ミナさん…」
サヤカ
「…そ…そうよね 先に家に帰って エミリにでも事情を話して 家で待ってもらった方がいいに決まってるじゃない…ほんと…無神経過ぎだったわ…」
ミナ
「あ……い…いえ ミナなら 大丈夫です」
サヤカ
「とにかく 早く家に戻りましょう ここより緊張しなくて済むと思うし」
ユウキ
「そうだな 急ごう ミナさん こっちです」
ミナ
「は…はい…」
しかし レミュ老師の部屋から 帝都の正門まで思っている以上に距離がある 特に レミュ老師の部屋周辺は 巡回している兵士が多い その過程で 兵士たちは 声をかけてくる可能性は高い 現に 前に来た時は 何度も声をかけられている そうなれば また 挨拶等で 時間がかかってしまう
そこで ユウキは グミに耳打ちをする
ユウキ
「……おい…グミ…」
グミ
「…ん?なんだ?」
ユウキ
「グミ……お前……して………してくれ」
グミ
「はぁ?なんだそれ?」
ユウキ
「そうすれば 多分 兵士たちは こちらに話しかけてくる者は 少なくなるはずなんだ」
グミ
「???なんだか 意味分かんねぇけど まぁ…別に構わないが…」
そして…
ユウキ達の前に グミが不機嫌そうな顔で浮遊する
片目しかない目で 鋭く睨み 周りを威圧しながら ない肩で風を切る
30cm程度のまん丸の玉が いくら威嚇してこようが ユウキには滑稽だが ここ地獄は違う 地獄に住んでいる者は 見た目で判断などしない その内にある強さが 大なり小なりわかるのだ その特性をいかし グミを威圧させながら 先頭で浮遊させ 話しにくい状態を作ったのだ
この作戦は 見事に成功する
行き交う兵士は グミの威圧に負け こちらに話しかけてくる兵士は いなくなった
もちろん ユウキ達に気付き声をかけようとする者はいたが グミに睨まれ お辞儀だけしていくだけにとどまる 中には 目も合わせず 通路にピッタリとくっつき 通り過ぎるのを待つだけの者もいた
そして 無事 帝都のいつもの入口に着く
さすがに 門番には 挨拶をして 後日 また来る事を伝達し ユウキ達は 家に歩き出した
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