第112話 アモンに報告
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部屋に入ると 丸いテーブルとそれを囲むように 椅子が4つあり ちょっとした休憩所のような部屋だった
アモンは キャビネットにもたれかかる
アモン
「適当に 座ってくれ」
ユウキ
「アモンは 座らないのか?」
アモン
「ああ オレはここ最近 ずっと座りっぱなしだったからな 座っておく必要がないなら 立っている方が楽だ」
ユウキ
「座りっぱなしも 大変だからな…」
アモン
「で 世界樹の実は サヤカが持っているって話だったな」
サヤカ
「うん はい」
アモン
「……へー…実っていうから 果実的なものだと想像していたんだが……鉱石…いや 宝石に近いな…」
ユウキ
「……だよなぁ でも 最初から こんなんじゃなかったんだぜ」
ユウキは得意気にアモンに話す 所々 大袈裟に話すので サヤカが 途中でツッコミを入れながら アモンに 世界樹の実のことを話した
ユウキ
「………と 言う事 あ!そうだ!」
ユウキは 猛毒無効のシートと 黒い玉を テーブルに置く
ユウキ
「これ 返すよ 貴重な物なんだろ?」
アモン
「……!!あ!そうだ!ユウキ お前 猛毒エリアで このシート広げて 休憩してただろ!」
ユウキ
「え?……あー…えっと…行きの時か?……ん?なんで 知ってるんだ?」
アモン
「これを広げると 帝都に信号が飛ぶようになってたんだよ おかげで こっちは 大騒ぎになったんだぞ」
サヤカ
「え?なんで大騒ぎになったの?」
アモン
「オレ達は てっきり 猛毒エリア付近で 身動きが出来なくなったと 思ったからな」
ユウキ
「………あー…なるほど でも そんな信号でるなんて 聞いてなかったぞ」
アモン
「……ま…まぁ そうだが…いや もう過ぎたことだから いいけどさ…しかし あんなところで休憩するとは 思わなかったからな……それはそうと この黒い玉は ユウキ サヤカ 持っといてくれ」
ユウキ
「なんで?貴重な物なんだろ?」
アモン
「ああ しかし こいつは どれだけ強い結界でも 突破して ここ帝都に転移できるはずだ 持っておいても 損はないだろ?」
ユウキ
「………まぁ 何があるか分からないから 持っていたら 安心は安心か…」
アモン
「そうだ もってろ ほら サヤカも」
サヤカ
「うん わかった ありがとう」
ユウキ
「それで 話しは変わるけど 一つ アモンにお願いがあるんだ」
アモン
「ん?なんだ?」
ユウキ
「この世界樹の実 これを使用したい」
アモン
「………ということは どんな効力があるか 分かったということか?」
サヤカ
「うん 分かったけど……それが 本当なのか そこは分からないわ…」
アモン
「…そうだろうな 正直 それが世界樹の実かどうかも分からない なんと言っても その世界樹の実を知っている者 見たことがある者なんて ここ帝都にはいないからな…」
ユウキ
「……そうだよな 帝都に伝わっている世界樹の実が この世界樹の実とは 違う可能性もあるかもしれない…全く別物かもしれないってことか…」
アモン
「……しかし 使用して その力を見せつければ 誰もが世界樹の実だと 認識するだろう たとえ それが 違ったとしてもな」
サヤカ
「アモンさん これを見て どう思うの?」
アモン
「並の品ではないことが分かるくらいだな…オレは アイテムを見破る能力は からっきしなんだ」
ユウキ
「えー…なんだよ…ただの脳筋か……」
アモン
「うっせ! 人には 得手不得手があるんだよ!」
サヤカ
「でも アモンさんでも見たことが無い事は 確かなんだ…」
アモン
「ああ 見たことが無いな それで 使用する件だが ユウキとサヤカが持って帰って来たものだ それは構わない が 少しだけ待ってもらいたいんだ」
ユウキ
「献上の件だな」
アモン
「ああ 大体的に勅命までしたからな その式典が終われば 後はユウキの好きなようにすればいい どうだ?」
サヤカ
「式典って いつぐらいにする予定なの?」
アモン
「まだ 色々と準備が整っていないんだ すまんが 後 ………そうだな 大体 1か月くらいかかっちまう…」
ユウキ
「1か月か…結構 時間かかるな…」
アモン
「遠くの部族に向かうだけでも 10日前後かかるからな…それに 建築の材料も滞っているみたいだ まあ お前たちは 帰って来たばかりだ ゆっくりしたらいい」
ユウキ
「……なるべく 早く使用したいが…記憶のこともあるし…でも 仕方ないか…少し ゆっくりするか…」
サヤカ
「…そうね で アモンさん この世界樹の実 どうしようか?」
アモン
「それは 献上まで サヤカが持っていてくれないか?それに レミュが 首を長くして待っているみたいだしな」
サヤカ
「そっか…うん わかった 帰りにレミュさんに会ってから 帰るね」
アモン
「すまん そうしてやってくれ」
ユウキ
「よし とりあえずは 報告は以上だ」
アモン
「ああ ご苦労だった 献上の儀式は さらにややこしいが なんとか 覚えてくれな ガータも 今回は 一夜漬けをしないですむから 事細かく指導すると やる気満々だしな」
アモンは ニヤついた笑顔で ユウキ達を見る
ユウキ
「………え……ガ…ガータさんに お手柔らかにと 伝えておいてくれ」
アモン
「ハッハハハ 分かった もう伝える事はないか?」
サヤカ
「あ!ハデス王が また 後日 会いに来るって言ってたよ」
アモン
「ハデスが?そうか わかった」
ユウキ
「んじゃ 帰るよ」
アモン
「ああ」
ユウキとサヤカは 部屋を出る
アモン
「………ふぅ…ほんとに 持って帰ってきやがった……フッ…しかも 余裕か…全く…とんでもないぜ……」
ハデス
「…………ユウキ殿を 王にでも する気ですか?」
アモン
「ハデスか…それも中々面白いと思うが まぁ…ユウキは 断るだろうな…ハデス お前も少しは ユウキと話したんだろ?だったら そんなこと承知すると思うか?」
ハデス
「……思いませんね」
アモン
「だろ?……しかし 問題は サヤカだ……」
ハデス
「………ええ なんとしても 守らなければなりません」
アモン
「両方知られるわけにはいかないが……ユウキには 鬼神が付いているから そう簡単には攫われることはないだろう……ただ…もし サヤカが攫われたら……ユウキは 多分…壊れる…そもそも 今 制御出来ていることが 奇跡だ」
ハデス
「……壊れる」
アモン
「ああ そうなったら エンドだ 何もかもなくなる…ここも 天上界も 人間界さえも…」
ハデス
「!!!そ…それほど…ですか!?」
アモン
「ああ…だから お前がした勝手な行動は 許されない事だ」
ハデス
「……ええ 浅はかでした…」
アモン
「……まあ いい…さっき言ったように あの身体で あの力を制御出来ている事は 奇跡だ 何がきっかけで壊れるか分からない……まぁ もし そうなったらそうなったで 考え方によっちゃ ハッピーエンドかもな…」
ハデス
「…なるほど 確かに ハッピーエンドですね しかし 我らは 地獄の民です 目指すは バッドエンドですよ?」
アモン
「………そうだな」
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