第106話 ラスピクラブの味
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グミ
「!?そ…そんなもん 食えるわけないだろ!?」
サヤカも ユウキに近づき マジマジと見る
サヤカ
「……ラスピクラブの見た目……どう見ても……大きなエビよね……」
ユウキ
「…………」
ユウキは 無言で ラスピクラブの尻尾を持つ そして 力を入れ 尻尾と胴体を捻り ズルっと尻尾の身を出した
グミ
「お……お前… よ…容赦なしかよ…」
グミは 残虐非道な行為を 引き気味に ユウキを見る
ユウキ
「…人間界には これに似た奴がいるんだ 大きさは こんなに大きくないけどな……」
ユウキは 剝き出しになったホカホカの白い身を クンクンと匂いを嗅ぐ
ユウキ
「……いい匂いだ……エビそっくりだ………よし!」
ユウキは ラスピクラブに かぶりつく
グミ
「!!!うお!マジで!食べやがった!!」
サヤカ
「……どう?」
グミ
「!!サヤカまで!?……どう?ってどういうことだよ!?」
ユウキは 目を瞑りながら ゆっくりと咀嚼する その後 大きく目を開く
ユウキ
「!!!う…うめぇー!!もしかして泥臭いかな?って思ったけど!泥っぽさなんて 微塵も感じない!甘くて 美味いぞ!!サヤカも 食べてみろよ!!」
ユウキは そう言うと 尻尾をパキッと割って サヤカに渡す
グミ
「サヤカ!!やめておけ!!絶対 嘘に決まってる!!」
サヤカは グミをチラッと見て 哀愁のある顔で微笑み ユウキから ラスピクラブの尻尾を無言で受け取る
サヤカ
「………グミちゃん……ごめんね…わたし…海老……大好きなの!」
グミ
「サ…サヤカ!?」
サヤカは ラスピクラブを見つめ 頷いた後 パクッと 尻尾の身を口に入れる
サヤカ
「…………あ……」
グミ
「ほら!言わんこっちゃない!サヤカ!吐き出せ!吐き出すんだ!!」
サヤカ
「……あまーい…これ…凄く美味しい……」
サヤカは ほっぺを赤らめ 満面の笑みで 咀嚼を続けた
グミ
「……う…そだろ…そんな…強烈な見た目なのに…」
ユウキ
「ホントなんだって!ほら!グミも食べてみろって!」
グミ
「嫌だ!そんなもん口に入れたくねぇよ!!」
グミは これでもかっていうほど 顔を横に振る
サヤカ
「まあまあ 騙されたと思って!」
グミ
「サヤカまで!!極毒エリアにいたもん 食えるかぁ!!」
グミは ユウキから限界まで離れる
ユウキ
「全く頑固だな…見た目は お前から見たら 良くないかもしれないけど 美味いだぞ!……よし……こうなったら……」
ユウキは グミと繋がっている紐を手繰り寄せながら サヤカに目配りをする
サヤカは 悪そうな顔で頷き グミを後ろから 両手で抑えた
グミ
「!!な…なにを…ま…まさか…うわぁー!や…やめろー!!」
グミが もがきながら 声を高らかに上げた瞬間 ヒョイッと ユウキは グミの口の中に ラスピクラブの身を入れた
グミ
「わー!……ングッ……か…噛んじまった……ん?…お?」
グミは 苦虫を噛んだ顔から 徐々に変化していく
グミ
「……う…美味いな……」
ユウキ
「だろ?」
サヤカ
「ね?」
ユウキとサヤカは 満面の笑みでグミの反応を楽しむ
グミ
「……こんな見た目なのに…こんなに 美味いもんなのか…ほんのり甘くて …こ…これは…」
ユウキは まだ十分にある ラスピクラブをパキッと折り グミに渡す
グミ
「……う…でも やっぱり見た目が……だが…う…うめぇー!これは 色んな料理に合いそうだ…辛くしても良さそうだし…油とも相性が良さそうだ…これは!!」
ユウキとサヤカとグミは 三角形の形に陣を構え お互いを見つめ合い ゆっくりと大きく頷く そして 3人は 一斉に 穴が空いている方を向いた
ユウキ サヤカ グミ
「「「……持って帰るしか ないだろ!!!」」」
ユウキ達は 息の合った連携をし 小さな穴は放置して 大きな穴だけに 照準をつける
始めは ユウキの身体全身を火で覆っていたが 徐々に慣れてきたのか 腕だけを火で纏うようになっていき 効率はどんどん良くなっていく
ユウキ
「…………よし!掴んだ!サヤカ!」
サヤカ
「はい!!」
ユウキ
「………こ…これは!デ…デカい!………っしゃあ!!」
真っ赤に染まった 過去一大きなラスピクラブを 釣り上げる
グミ
「おお!で…でけぇ!!」
サヤカ
「もう そろそろいいんじゃない?これだけあれば 当分は大丈夫だよ」
ユウキ
「うん そうだな!」
ユウキが釣り上げた ラスピクラブは ざっと見ただけで50匹ほど 捕獲した
ユウキ
「よし じゃあ ブレスレットに入れていこう」
ユウキは 鼻歌を歌いながら ブレスレットに ひょいひょいと入れていく
グミ
「じゃあ 早く帰って 何か これを使って料理しようぜ!」
サヤカ
「そうね!じゃあ そろそろ行きましょうか!」
ユウキ
「ああ!そうだな!」
極毒エリアで 思わぬお土産を手に入れ ホクホク顔で ユウキ達は 極毒エリアを後にした
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この時期になると カニが食べたくなりますねぇ…
ところで ロブスター系の料理って 姿焼きみたいなものしか 知らないなぁ
なにか手の込んだ料理ってあるのかな?