第104話 エイガの成長
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場所は変わり ハデスの城…
ハデス
「…………」
ここ数日 ハデスは目を瞑り 椅子に座ったまま ほとんど 動こうとしなかった
それを 静かに見守る男 ハデス王の側近 カデナ
ハデスがまだ王ではなかった頃から ハデスに付き従っており ハデス王の中でも 特に信頼している部下だ
そこに 事務官が 数枚の書類を持ち どうしていいか分からず 佇んでいた
ハデスは 目を瞑っていながらも その様子を 敏感に察知し ゆっくりと目を開けると カデナに目配りをする
カデナ
「………はっ…おい 話は私が聞こう こちらへ」
事務官
「あ…すみません ありがとうございます」
カデナは ハデスを刺激しないように 音をたてず 部屋をあとにし カデナは 隣の部屋を開け 事務官を誘導する
カデナ
「……それで?」
事務官
「あ!これなんですけど ここの許可を頂きたくて……それから…」
カデナと事務官は 書類に目を通す
事務官
「……あ…あの カデナ様…ハデス王は どうしたのですか…いつもなら ハデス王 自ら 必ず目を通すのに……」
カデナ
「……お前たちにも 色々 迷惑がかかるな……ハデス王は ここ数日 なにも動かぬのだ…何かを 待っているような……しかし ハデス王は何も言わぬ… 我らは ハデス王の下知を待つしかないのだ」
事務官
「……そ…そうなのですか……」
カデナ
「そして すまぬが あまり今は ハデス王を刺激したくはないのだ こういった書類の手続きは 今は私がなんとかしよう それを 他の者にも伝えといてくれぬか?」
事務官
「はい わかりました」
事務官は カデナに頭を下げ 部屋から出て行った
それを見届けたカデナは 小さくため息をし ハデス王の待つ部屋に戻る
カデナはゆっくりと 音をたてず扉を開け 所定の場所に戻る
ハデスは 再びゆっくりと目を開ける カデナは ハデスを見ながら頷く そして ハデスは また ゆっくりと目を閉じた
ハデス
『…………あれから 時が経ち過ぎています……獄帝が 世界樹へ行った時の時間を計算したら もう帰って来ていてもおかしくない……考えたくありませんが……やはり…無理だった…か……』
ハデスは 獄帝が 極毒エリアから世界樹で帰還魔法を使い 戻って来た時間等と照らし合わせ どの程度で 帰って来れるか およその時間を把握していた
しかし まさかマグマエリアで 観光しているなど 誰も予想がつくわけがない さらに ユウキ達は ある事情で 帰りの極毒エリアでも 足踏み状態になっていた
ハデス
『………まさか 私の予想が外れるとは…これで ここ地獄も…もはや……くっ…』
ハデスは 誰にも気付かない程の小さなため息をつき ほぼ諦め 次の手を考えていた時 ハデスは ユウキ達が 猛毒エリアに戻ってきたことを感知する
ハデス
『…………!!!』
ハデスは急に目を大きく開き 椅子から 勢いよく立ち上がる
カデナ
「!!!ハ!ハデス様!!どうされました!?」
ハデス
「猛毒エリアに戻ってきた!!ハッハハハ!やはり!…………よし!何も異常は無さそうです!カデナ!すぐにエイガを呼んできなさい!!」
カデナ
「え?…あ!はい!」
カデナは 扉を勢いよく開け 小走りで向かう
カデナ
『………そういえば エイガはどこにおるのか……だ…だからといって 今さら 聞きに戻れぬし……屯所に向かうか……』
カデナは エイガがいるであろう屯所に向かい 勢いよく 屯所の扉を開ける
カデナ
「エイガはおるか!?」
屯所の兵長
「これは カデナ様 エイガですか?……ここ最近 こちらには 顔を出していませんよ?……おい!誰かエイガを知らないか?」
屯所の兵
「あ!私知っています 今は 500の精鋭部隊を率いて 出陣準備をしていましたよ?ハデス王の命と聞いていますけど?」
カデナ
「そうなのか?………わかった」
カデナは 聞いた場所に向かう
カデナ
『……どういうことだ…そんな 話は聞いておらぬ……ハデス王が 密かに命をエイガに?……まぁ…よい…聞けば分かる事だ…』
カデナが 広場へ向かうと 500の精鋭部隊は すでに整い いつでも出陣出来る状態になっていた
カデナ
「探したぞ ここにおったか! エイガ!」
エイガ
「あ!カデナ様 ということは……ハデス王がお呼びなのですね」
カデナ
「よくわかったな その通りだ して この部隊編成は ハデス王が 命令したのか?」
エイガ
「いえ わたしの独断で 部隊編成をしました 必ず この命を下すはずなので」
カデナ
「な…なに!?か…勝手に 部隊編成をしたのか!?お…お前に そんな権限などないぞ!!」
エイガ
「カデナ様 ご安心を 必ず この命を下します さあ ハデス王の元に急ぎましょう!」
エイガは カデナの言葉を全く気にせず ハデス王の元に走り出した
カデナ
「お!おい!ちょっと待て!………知らんぞ……どうなっても…」
エイガは そのままの勢いでノックもせず ハデス王がいる部屋へ 入っていく
エイガ
「ハデス王!!感知したのですね!!」
カデナ
「な!?…お…お前!!いきなり声をかけるとは!!」
ハデス
「よいのです その通り 今 猛毒エリアに入りました エイガ!あなたに命を下す!わたしの名において あなたの目に適う者 500…いや300でもいい 出陣できるように準備しなさい!そして 出来る限り すぐに向かいたい!」
カデナ
「!!!……エイガ…お前は……」
エイガ
「ハデス王 500名 精鋭部隊は整っています いつでも 問題ありません」
ハデス
「!!………なるほど…エイガ…あなた…ユウキ殿と会い 変わりましたね…いや…まぁ いいでしょう…エイガ!あなたは 私の隣にいなさい すぐに向かいます!」
カデナ
「え…ええ……わ…わたしは……」
ハデス
「……えーっと……!!あなたは わたしのいない間 この城を 守りなさい!わたしは 当分の間 帰って来れません いいですね?なにかあれば すぐに連絡するのです これは とても重要な任務です カデナなら 問題なく遂行できると信じていますよ」
カデナ
「!!は!はい!承りました!!」
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