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プロローグ

 都市伝説。


 まことしやかに囁かれる噂や伝承、あるいは非科学的な現象や怪異そのものを指す。

 曰く、鋭利な鋏を手に口裂け女が襲い来る。

 曰く、呪いのビデオを見た者は死ぬ。

 曰く、自身の首を探し求めて首無し騎士(デュラハン)が夜な夜な墓場に現れる。

 曰く、もう一人の自分(ドッペルゲンガー)に遭遇すると死ぬ。


 ――などなど、枚挙に暇がない。


 地方都市に留まらず、世界各地に迷信めいた都市伝説は点在しているが、大抵はフィクションの中に存在する架空の存在に過ぎない。

 映画や小説などの娯楽でよりその存在感を民衆に認知させ、科学技術が発達した現代においてなお、様々な形で良くも悪くも語り継がれている。

 あらゆる事象が科学によって解明できる時代において、非科学的な存在はもはや『幻想』と化し、実在しないからこそ『伝説』になりえるのだ。

 だからこそ、人は都市伝説に畏敬と憧憬の念を抱く。


 それは鋼和市こうわしにおいても例外ではない。


 伊豆諸島と小笠原諸島のほぼ中間に浮かぶ人工島そのものが、サイボーグやサイバー技術などの先端技術を十年先取りした実験都市。

 この科学技術の粋を結集させた街においても、都市伝説は存在する。


 それは遥か昔から今日に至るまで、民衆の心を捉えて離さない存在。

 セキュリティが発達した現代だからこそ際立つ存在であり、事前に予告した通りに標的を盗み去るその手際はまさに芸術。

 長い犯罪史の中でも、ひときわ異彩を放つ存在として君臨する劇場型犯罪者。



 ――すなわち、『怪盗』である。

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