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1日目 その5


「………落ち着いたか?」

「え、 ええ………」


 不法侵入してきたグループの黒髪の少女に心配され、 そう呼ばれましたがなんとか落ち着いた為、 返事を返しました。 しかし、 まだ、 信用できない相手に心配されているので、 なんとも言えない気分です。


「突然だが、 すまんな……」

「……何の?」


 突然ですが、 謝られました。 この船は貴方方が乗っ取ったも同然なのに……


「これは勝手に我々がこの船に乗艦してしまった事と部下が下賎な目で見てきた事などに対する謝罪だ」

「そうですか………」


 多分善人なら、 当然の如く行う行動でした。 良い人っぽいです。 ですが、信用して良いかは別です。


「……… あの、 すみません」

「どうした?」


 なので聞いてみました。


「貴方達は何者ですか?」


 と、 シンプルな質問を唱えました。 といっても、 『貴方の方こそ何者?』と言われても、 私自身は何者かわからないから答えられないですけどね。


「我等は冒険者というものだ」

「…………なにそれ?」


 何故か聞いたことのある職業なのだが、 身近な仕事ではなかった様な気がする…… でも、 どういった仕事かはわからない……


「まさか、 冒険者を知らないのか!?」

「………ええ…」


 そんな大声で驚かれても、 知らないものは知らないのだからな………

 まず、 私自身誰なのかわからないし………


「………そうか(別に嘘なんかついてはいない感じの反応だな)…

ところで、 その冒険者の仕事がどういったものか知りたいか?」

「ええ、 知りたいです」


 小声でしたが、 一瞬、 私を疑っていましたね。 でも仕方ないです。


「………ああ、 わかった。

まず冒険者とは、 簡単に言えば人助けをする仕事だ。 人が冒険者ギルドに依頼を提出し、 その冒険者という仕事に就いた者達がその依頼をこなしていく…


仕事内容も多彩で、 依頼として出るものは、 ゴミ拾いや薬草調達、 脱走した動物を捕まえる事などの仕事から、 危険度は増すが盗賊狩りや魔物狩りなどの仕事もある」

「つまり、 何でも屋みたいなものですね」

「ん…… なんか違う様な気もするが、 まぁそんなもんだ」


 冒険者か〜、 盗賊狩りとかはしたくないけど、 仕事するときがあれば、 候補として挙げておこうかな。 と言っても、 まず下着をどうにかしないと………


「ヘレナ殿!! いいものが見つかったぞ!!!」

「ヒャッ!?」

「うわっ!?」


 突然、 背後(ドア) の方から、 興ふ…… 元気な女性の声が聞こえてきました。 当然、 私は驚き悲鳴を軽く上げます。 というか、 この眼鏡の子『ヘレナ』って言うんだ……


「だ、誰!?」


 突然の出来事だった為、 気を緩めてしまいましたが、 直ぐに気を取り直して、 その女性に質問をしました。


「ヘレナ殿、 これを見てくれ、 あと食料も見つけたぞ」


 しかし、 無視されました。 それに胸元を右腕で隠しながら右側に振り返りますが、 彼女はもう私の左側に来ていました。 因みに、 彼女の連れなのか白銀の髪をした少女が入り口のところでチラチラと見ています。 しかし、 目が合うと少女は直ぐに身を隠しました。 多分、 この子ではないでしょう。 性格的に大声出しそうではありませんし。

 それと食料ってまさか…… ないよね…


 ……取り敢えず、 また振り向ました。

振り向く途中にあった、 一番初めに見つけたものは机にバラバラと置かれた武器類でした。 軍刀にライフル、 あと拳銃に銃剣などがありました。 これは多分、 武器庫から持ってきたものでしょう。

 次に見つけたのは大きめの鍋でした。 あっ…… これって………


「この剣を見てくれ、 どこの国が作ったか忘れたがまるで『カタナ』みたいだ。 いや、 というか、この刃渡りに細長さ、 あと細い胴体に沿って伸びている刃紋に鏡のように透けている刃は………どう見てもこれは『カタナ』だ。 なんて美しいんだ……」


 この人、 見た目は美人なのに……… なんか、 残念な感じな物を持っていそう……

 というか、 こう言うの何処かで…… あ……… これって、 私……?


「あ、 あれは私のせいじゃないんです!」


 多分、 また顔が赤く染まっているのでしょう。 脳が焼き切れそうなほどに熱いです。 今日はこれで数度目の事なので、 もう自分自身に嫌気がさします。  ああ、 恥ずかしい…… このまま脳がオーバーヒートすれば良いのに……


「……大丈夫か?」

「この少女、 いつから此処に………」

「初めっからいたのだが……」


 ヘレナさんは心配してくれています。 正直ありがたいのですが、 大丈夫ではないです…

 というか、 この残念? な美人、 なんで私に気付かないのでしょうか……? やっぱり、 何か残念な物を持っていそう…… いや、 持っているはずです。


「ヘレナ殿、 一つ質問をするがこの少女は何者だ?」

「我も分からない。 お主は一体何者なんだ?」


 私を知らなくても、 私の方こそ知らないものは知らないのです。 ただ、 言えることがあるとすれば………


「………今はこれだけのことしか言えませんが、 私はの名前は『島風』です」



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