2日目 その2
よ、 ようやく『2日目その2』が書けました… 本当に申し訳ございません… わざとでは無いのです…
実はテスト期間とスランプと新しい小説作成で遅れてしまいました… 今週から夏休みなので投稿を早めるように努力します…
『じゃあ、 この軍艦の動かし方を実戦でやろうか』
「え、 実戦…」
『そう、 実戦だ』
実戦と聞かされ、 勝利よりも先に敗北した未来を想像してしまいました。 アレが海賊なら、 男性は容赦なく殺し、 女性はボロ絹を着せられ海賊の方々に下僕のように扱われる…
そんなのは嫌ですが、 どうしても戦って勝てる未来が見えないです…
『まぁ仕方がないよな…
でも、 早く行動し、 敵の対応を見極め、 そしてそれを対処する… 捕まられたくないのなら、 その判断が大切だよ』
そうですよね…
「…………よし…」
私は決意を決めました。
勝たなければ、 ここに居るみんな酷い目にあう。 だから、 私は戦います…
『よく言った、 じゃあ船体の操作から始めるようか』
「了解です…」
怖いけど戦わないといけない… 人を守る為には…
『まず、 脳裏で自身の能力を思い浮かべて…』
私って能力ってあるの…? わからないから、 とりあえず適当に……
アレ? 何か電子的な画面が脳内に… もしかしてこれなのでしょうか?
『出来たようだね。 じゃあ次行こうか、 まずその画面の特殊能力の枠に船体操作の文字があるから、 その言葉を意識するんだ…』
これなんですね… 私のスリーサイズサイズまでももはっきりと… 見られてないだけマシですが、 恥ずかしいです…
気を取り直して、 特殊能力の枠… ありました。 ですが、 今のところは船体操作というスキルしかないですね…
私はその文字を意識しました。 ですが、 何も起こりません…
「何も起こらない…?」
『…いや、 これで良い。 さて、 次の工程… と言おうかと思ったけど、 前日から機関は動いて居たからね、 多分もう抜錨しても大丈夫だろう。 抜錨し終わったあと、 君がこれからとりたい行動を思えば上手く動いてくれる筈だよ』
「分かりました…」
もう動かせるのですね… 因みに抜錨とは? と聞こうと思いましたが海賊? はすぐそこまで接近して居たので、 直ぐに行動に移ります。
「…島風、 抜錨します」
思えばいいだけなのに、 “抜錨”という言葉を唱えてみました。 何故、 そう言ってしまったのでしょう? 真相は定かではありません。
話を戻して、 艦首の鎖が自動で動き出し、 自動で巻かれ始めました。 なるほど、 “抜錨”とは船の錨を上げ始める事だったのですね。 納得しました。 その錨が巻き終わって…
『大体この世界の帆船は、 いい時に5ノット〜15ノットぐらいしか出ないから…
最大戦速にはせずに20ノットぐらいだそうか』
「了解です。 因みに何故、 全力を出さないのです?」
『そりゃあ、 敵に全力を敢えて見せない為さ。 敵に情報が知れ渡ったら厄介だからね。 それと、 砲撃時の照準とかをしやすくする為でもあるね』
「そうなのですね。 では、 行きます。 第一戦速…かな?」
私は彼の言葉に真に受けて、 船体を前進させました。 初めはゆっくりとですが、 段々と速力は上昇しもう20ノットにまで達しました。 やはり駆逐艦は早いです。
『さて、 砲口を右舷に向けて左舷40度くらい舵を切ろうか。 あ、 舵を切るのは自身の腕で操作ね』
「了解です。 取舵40度」
舵を切ると、 軽く船体が傾きながら早い速度で旋回する。 同時に、 砲塔も右舷に向く様に旋回する。 あれ… 砲弾は…
『あ、 ごめんごめん、 弾種は対空用の三式弾を使おう。 で、 起爆タイマーは0.5秒くらいかな…
あと照準も敵メーンマスト(大雑把に言えば3本のマストのうち、 中心の1番大型のマストの事)を狙う感じにでよろしく』
「了解です」
私はその対空用の三式弾のタイマーをセットし、 装填を急がせました。 何故対空用を使うのでしょう…? マストを折って速度を落とすのでしょうか…?
『そう正解、 敵の動力源を破壊して機動性を落とすという事をしようかなと思ってね。 こうしたら人的被害は最小限に抑えられるでしょ?』
「そうですが、 何故対空用の砲弾を使用するのです? 通常弾とか他の特殊弾でもマストを折る事は出来るはずですよね?」
『そうだね。 確かに通常弾でも折ることはできるだろう。 だけど、 それは命中したらの話さ。 この船の艦載砲はオートメララやスーパーラビット砲などのほぼ百発百中出来る代物ではないからね。
それに比べて、 三式弾は起爆すると前方に細かな粒子を拡散させる。 これで理由がわかったかな?』
「つまり、 命中率を上げる。 という事ですか?」
『そう言う事さ。 さぁ、 そろそろ会敵距離だ。 戦闘に集中しよう』
そう言われ、 我に帰ってみると、 敵は目と鼻の先にまで接近していました。 やはりこちらが早すぎたのでしょう。
「了解です」
私は彼の指示し従い、 主砲の照準を設定し始めました。 1番砲塔から照準を合わせ、 2・3番砲塔を射角に入ってから照準を合わせました。
「照準完了です。 いつでも撃てます」
『じゃあ、 敢えて敵さんに砲撃させてから行こうか』
「え… それだとこの船にもダメージが入るのでは…?」
『まぁ大丈夫でしょ。 お、 敵さん腹を見せてきた。土手っ腹の砲門もしっかりと開いているね。 敵の4隻は撃つ気満々のようだ』
私はそれを聞いて、 私は急いで操舵装置の横について居た黒い通信機を手に取り、 艦内全部屋に向けて「衝撃に備えて!」と発しました。 そして、 その後に、 何処からか砲撃音が聞こえ、 その後に私達は強い衝撃に見舞われました。
「きゃっ!?」
私は思わず悲鳴を上げてしまい、 衝撃のせいで舵輪が無ければ危うく転倒するところでした…
『すまない… 思っていたよりも早く4隻が一斉射撃をして来たようだ。 あと、 この船に数発命中したようだよ。 …ごめんけど被害はどうかな?』
「……被害は… ないです」
『そうか… じゃあ反撃と行こうか…
射撃は貴殿に任せるよ』
「…はい、 砲撃を行います。 撃ちます」
私は再び照準を合わせ、 御構い無しに一斉射撃を行いました。 砲撃により、 また揺れが発生します。 ですが、 今回も転倒はしません。
放たれた砲弾は、 砲身内部に掘られていた螺旋状の溝により、 野球のピッチャーで言う『ジャイロボール』の様に回転しながら直進しました。 そして、 放たれて3隻の敵船のメーンマストの手間でそれらの砲弾は起爆し、 前方の広範囲に向けて細かい粒子が拡散しました。 その拡散した粒子は3隻の敵船のマストに命中、 その敵船のマストの主軸や帆、 運が良ければ後部のマストや甲板などを蜂の巣にして、 粒子と共に拡散していた焼夷弾による火災を発生させる事に成功しました。 蜂の巣になったマストの主軸は、 風力や自身の重量を支えきれなくなりへし折られ始めました。 マストの上から観測していた者はマストと共に海に投げ出され、 甲板に居た敵には奇跡的に無事ではありそうでしたが、 火災消火を急いで居ました。
『お、 一回で成功したね。 じゃあ一隻残した状態に出来たから、 無視して進もうか』
「了解です。 戦闘終了、 移動再開です」
私は舵輪を握ったまま、 敵の船団から遠ざかりました。
余談ですが、 ヘレナさん達に質問攻めされたのは言うまでもありません…
場所は変わり、 とある一室にて…
「かしら… 謎の装甲艦にやられちまった… わ、 悪いが助けてくれねぇか…?
……え? そんな事より死者は出たか?
…いや、 怪我人は居るが死者はいねぇよ… それに、 船の被害は火災とマストを折られただけだ… 当然火災は鎮火している…
…かしら… 助かる…… え? その装甲艦が向かった海域を教えろ? 多分途中で進路を変えてるかもしれないですぜ?
……わ、 わかった! わかったから俺らに砲口を向けないでくれ!」