第五階層 黒鉄ノ騎士
「……ここが5階か…」
俺たちは階段を登り、5階へ登ってきた。丁度この城の真ん中だな。
「……この階にはどのようか妖が待ち受けているのだろうか…」
「さっきみたいなのはごめんだな」
廊下を歩き、大扉の目の前に立った。すると今までは感じなかったが、とてつもない威圧感を感じた。
「…くッ……なんだこの威圧感は…」
「扉越しからでも感じられる威圧……強敵だな…」
俺はゆっくりと大扉を開けて、中へ入っていった。すると目の前には大量の魔素が落ちており、その中心に胡座をかいている異質な黒い鎧の騎士がいた。
「……アンタは…」
「……………何も言わず我と戦え…」
そう言って黒騎士は立ち上がると、木刀を持って構えた。
「マジか……アンタ悪神の眷属か!?」
「……我に勝てば教えてやる」
すると黒騎士は目にも留まらぬ速さで間合いを詰めてきて、面打ちしてきた。俺はガードしたが、何という力だ……
「くッ…」
「ミノル!」
黒騎士に向かっていく蛇に対して、黒騎士は叫んだ。
「喝!!」
「…ッ……!」
「……我はこの者と一対一の勝負をしておるのだ…邪魔立てするでない!!」
そして、後ろへ下がると蛇に言った。
「………これはどちらが上かを決める勝負だ…真剣勝負…即ち殺し合いではない……だから安心しろ!」
「……蛇…そういう事らしい……少し下がっていてくれ」
「……………分かった…」
蛇は刀を納めて、桜郎と共に壁の方へ行った。
「…俺が負けたらどうする?」
「………ここを通さぬ…だが安心しろ…お主が諦めるまでワシは勝負を続けてやるからな」
「なるほどな、要するにアンタに勝てば先へ進める上にアンタの事も分かるということか」
「そうだな」
この黒騎士を倒せば、先へ進めるし、黒騎士の目的も分かるというわけだな。
「……なら少し待て」
「うむ」
俺は装備していた刀と鎧などを倉庫へしまって、木刀を取り出した。
「……このような勝負ならば…この装備の方が良い…」
「たしかにその方が動きやすいな」
そして俺たちは、お互いの木刀が当たるか当たらないかの距離へ立った。すると黒騎士が蛇に言った。
「……そこの者…合図を…」
「………うむ」
蛇が俺たちの間に立った。そして、少しの静寂の後に蛇は俺たちの様子を見て合図を出した。
「始めッ!!」
その瞬間、俺と騎士の木刀が交わった。スタートダッシュは、ほぼ同時のようだな。
「はッ!!」
俺は黒騎士の木刀を弾き、胴を狙い水平に木刀を振った。
「むんッ!!」
しかし黒騎士はすかさずガードし、軽やかな身のこなしで後ろへ下がると、俺の胸めがけて思い切り突きをしてきた。
「せいッ!!」
「うおッ!」
俺は黒騎士の突きを間一髪で避け、カウンターを喰らわせようと頭めがけて木刀を振った。だがそれも黒騎士は屈んで避ける。鎧を着ていながら何故ここまで早く動作ができるんだ!?
「……ふッ…」
屈んでいる黒騎士に俺はそのまま木刀を振り下ろした。しかしこれも黒騎士は避け、俺の背後へ回り込んだ。
「…ッ!!」
俺は前転して、黒騎士の攻撃を避けた。この黒騎士、只者ではないな。
「そんな鎧を着てるのに…よく動けるな…」
「………常に着ているからな」
すると黒騎士は木刀を構えた、何か技でもしてくるのか?
「……ワシの技……【十文字破撃】でこの勝負の勝敗を決める…!」
「…技か……」
そう言うと黒騎士はとてつもない速さで水平に木刀を振ってきた。俺は何とか後ろへ下がって避けた。その時、前を見ると黒騎士は飛び上がっていた。
「十という字を知っておるか?」
そして思い切り木刀を縦に振り下ろした、俺は横へ避けたから良いが、床を見ると斬られた跡が残っていた。
「なんて威力だ…」
「ふむ…これを避けるか……やるな…だが……それなら勝敗が決まるまで何度でも【十文字破撃】を繰り出してみせよう!!」
黒騎士は再び【十文字破撃】の構えを取った。マジかよ…二発目はキツイな……
「むんッ!!」
すぐに黒騎士は水平に斬りかかってきた、そして俺が避けるとすかさず飛び上がり、木刀を俺に向かって振り下ろした。
「うぉぉらぁぁ!!」
俺は一か八か受け止める事にした、木刀で【十文字破撃】を受け止めると腕に衝撃が走り、ビリビリときた。
「…これを受け止めるとは……お前で二人目だ…」
「お……ぉぉぉおお!!」
そして弾いて、カウンターを喰らわせようとして瞬間に黒騎士は後ろへ下がり、構えを解いた。
「ワシの負けだ」
「…なに……?」
「……【十文字破撃】を破られた時点でお主の勝ちだ…」
黒騎士は木刀を地面に置いて言った。俺はそんな黒騎士に、何故勝負を挑んできたのかを尋ねた。
「…約束通り教えよう……」




