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拳を叩きつけろ




「…次は魔術試験です」


剣術の試験は終わった。100人の参加者はたった二人を除く全員が数秒で敗北した。そして別のグラウンドに移動すると魔術試験が始まった。今度は10個の岩が並んでいた。


「魔術試験は扱える魔術のバリエーション、そして威力で点数が決まります」


参加者は順番に魔術で生み出した炎球や水圧カッターをサンドバッグ代わりの岩に当てていた。


「…はッ!」


魔術とは、炎や水などの物質を何も無い空間に生み出す術。魔術は基本的にこの世界では誰でもピンポン玉くらいの炎球は生み出すことができる。


そして野球ボール程の大きさの炎球を生み出すことができれば魔術師に向いていると言われる。


「…せいッ!」


だが、参加者のほとんどは平均レベルである。ほとんどがピンポン玉くらいの炎球を生み出し、切れ味の悪い水圧カッターを飛ばすレベルだ。そして魔術も一種類しか出せない。


「…おいおい……」

「またアイツかよ…」


青年はバスケットボール程の大きさの炎球を生み出し、岩にぶつけた。その火力は凄まじく、岩が溶ける程だった。


「岩を溶かしおった…何という炎魔術…」

「…ふふ……」


そして次に水圧カッターを生み出して飛ばした。すると水圧カッターはブーメランのように弧を描いて他の参加者が飛ばした水圧カッターで切れなかった岩を真っ二つにした。


「…軌道変更が可能で…岩を切断する威力の水魔術か…」


青年は十郎の方を向いた。十郎は岩を目の前にして何もしていない。


「…さぁ…君は何を見せてくれるのかな…?」

「…………」


十郎の腕がブレたように見えた瞬間、岩が斜めに切れていた。


「…ッ!?」

「一体…どんな魔術を使ったんだ!?」

「…見えなかった…」


参加者はどよめいている。一体何が起きたのか分からない者がほとんどだった。


『…魔術は使えないんだぁ……魔術を差し引いても強いけど…』

『……腕を振る際の風圧で岩を切りましたが……あの人以外は気付いてなさそうですね…』


そして魔術試験も終わり、最終試験が始まった。参加者が最終試験の為、試験会場に向かった。会場に入ると地面は砂で壁は石。ここは騎士試験の為に貸し切りにした闘技場であった。


「…これから格闘術試験を行います。格闘術試験では参加者同士で決闘をしてもらいます。この試験も負けても構いません」


そして受付が闘技場のロビーにやって来て紙を貼った。そこには誰が誰と対戦するかが書かれていた。二つの試験で圧倒的な力を見せつけた十郎の相手は…


「…僕の相手は君かぁ!」

「あなたは…」


紙を見ていた十郎の元に青年が隣に歩いてきた。


「……よろしくね?」

「………はい」


そうして最終試験が始まった。十郎は自分の番が来るまで観客席で試合を見ていた。


「ふッ」

「ぐおぉ!」

『…元の世界の喧嘩と大差が無いですね…』


十郎は試合を見て思っていた。そんな時に隣に座る青年が試合を見る十郎に尋ねた。


「…君から見て…僕たち以外の参加者の試合を見てどう思う…?」

「……予想通り…ですかね…このくらいだろうと思ってました」

「ふーん…」


すると青年は試合を見て、つまらなさそうに見て呟いた。


「…予想通りか……僕の場合は期待外れだったよ」

「…………」


そして、十郎達の番となった。十郎は青年と一緒にリングへ向かった。


「……だけど…君には期待してるよ」

「………そうですか」


二人は闘技場の門をくぐって砂の上に立った。すると観客席から大きな歓声が上がった。


「バケモノ同士が戦うぞ!!」


参加者は全員、観客席で十郎と青年を見ていた。闘技場は熱気に包まれ、参加者はどっちが勝つか話している者もいた。


「…あはは!…凄い歓声だね!」

「…………」


そして十郎と青年は向かいあった。すると青年が十郎に尋ねた。


「…君…名前は?……僕はアリス」

「……サクラ・ジュウロウです…」

「ジューロー君かぁ!…ジューロー君……楽しませてね」


アリスは構えた、十郎は構えずに立っている。


「…準備はいいですか?」

「……勿論」

「…はい」

「それでは…始めッ!!」


最初に仕掛けたのはアリスだった。速攻で十郎との間合いを詰めると、ローキックを十郎の脚に当てようとしたが、十郎はジャンプして避ける。


「…そうするよね…」


そしてそれを狙ったかの様にジャンプした十郎を突き刺さすように前蹴りをした。


「…ッ!!」


アリスの足が十郎の腹部に当たる数センチの時、アリスは仰け反った。十郎は空中で体勢を変えて、ドロップキックをアリスに喰らわせた。


「くッ!」


そして十郎はそのまま怯んだアリスに空中で後頭部を蹴って追撃した。アリスはそれが致命的となり、その場で手をついた。


「……僕の勝ち…でいいですか?」

「………ふふ……まさか僕が地面に手をつくなんて……久々だなぁ…!」

「…実質勝ったのは…ガキの方か…!?」


アリスは再び立ち、十郎の目の前に歩いてきた。


「…僕の負けだ……こんなにも強いなんて…!」

『……アリスさんは本気では無かったようですね…』


十郎はアリスと戦って思った。アリスは全力ではなかったと。するとアリスは審判に言った。


「…すいません!…僕、辞退します!」

「え?…あ!」


そう言い残してアリスは会場から去っていった。











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