エピローグ:ディファレントワールド事件
「……何だアレ?」
「僕の業を全て…凝縮した最強の業人……簡単に言うとね」
「…ふーん……」
「父さん」
するとミユキが、ナオト達へ言った。
「アレ…僕がやっていい?」
「あー…じゃあ頼むわ……俺眠いし…」
「おいおいミユキ!…一人で大丈夫か?」
「大丈夫だ…問題無い…」
そう言って、ミユキは本部の屋上から飛び降りた。
「…実の息子を見殺しにするとはね…」
「ん?」
「……あの子が勝てる筈ないよ…アレはヤタガラス全員と同時に戦りあっても勝てるようにしてるから…」
「ほーん…」
少ししてゴーレムが暴れ始めた、街は砂煙に包まれる。
「………助けに行かなくていいの…?」
「ああ…」
すると、轟音と共に砂嵐が吹き荒れ、ヤタガラス達の視界を包み込んだ。
「うぉ…!!」
砂嵐は少しして去っていき、目の前には漆黒のゴーレムが立っていた。
「…ほらね…?……あの子に倒せるわけ…」
その時、ゴーレムの頭上へ小さなヒビが入った。
「ん…?」
その小さなヒビは、段々と長くなり、ゴーレムを真っ二つに引き裂いた。
「……ほらな?…ミユキが勝つって言ったろ…?」
「馬鹿…な……あり得ない………僕の…ッ……全てを与えた…筈なのに…ッ…」
「おいおいおーい!…こんなボンクラで勝とうとしたとか……俺らの事…甘く見過ぎなんちゃいますの〜!?」
ミユキが、SdS本部の上へと上がってきた。
「…次は何があるんだ?」
「……………」
「……終わり…だな……この戦いも…」
ヤタガラス達は、安堵の表情を浮かべていた。
「カイト……お前はゴッドカンパニーへ引き渡す」
「……分かったよ」
「素直じゃねぇか!…抵抗するかと思ったら…!」
「………ここまで圧倒的な力の差を見せつけられると…抵抗できないからね…」
……
「…まぁ……という事でこの一件は片付いたっつーわけだな」
修復中の本部で、抵士官とストレンジャー達は、集まり話していた。
「……梅岡と十郎の一件から始まり…こんな…世界を巻き込む大事になっちまった…」
「まぁ…終わったし…いいだろ」
「だな」
「俺達の出番は殆ど無かったな」
「ですね」
「ヤタガラスのおかげだな…ほとんど…」
「へへ!…もっと敬え!」
「宇川さん!…マジぱないっす!」
「棒読みすな!」
「まぁ…ともあれ……ハッピーエンドだな!!」
「みんなで乾杯でもするか?」
「…そうだな」
「それじゃあ……」
「「「カンパーイッ!!」」」
……Fin……
「………………っていう…小説…というかラノベなんですけど…」
「いやー…異世界にしては…チートや無双が足りないですねぇ〜…」
「そうですか〜…」
青年が、とある出版社の中から出てくる。その青年の元へ、小柄な少女の如き童顔の青年が歩いてくる。
「…梅岡さん……どうでした?」
「駄目だってよ…」
「まぁ…でしょうね」
二人の青年は、街を歩きながら話している。
「……話を誇張し過ぎたかな…」
「ヤタガラスさん達にも許可取ってないですよね?」
「まぁ…バレなきゃいいだろ」
「…二人とも…何してるんだい?」
「うぉぉ!…先輩…!」
歩く二人の青年に割って入り、小柄な少年が声をかけた。
「…何か…数年前の一件を本にしようとしてるらしいじゃん」
「……あっ…はい……まぁ…」
「ちょっと原稿見せてよ!」
少年は原稿を受け取り、素早く読んでいった。
「あはは!…十郎君は異世界に行く前から…僕の弟子だったじゃん!」
「いや…異世界で修行した設定の方がいいかなって…」
「それに…僕が18歳て…今僕は高校2年なんだけど!…っていうか…この一件が起きたのって君達が中学生の時でしょ!…設定だと高校生になってんじゃん!」
「高校生で異世界に行く人が多いですし……まぁ…いろいろ変えてます…」
そして読み終わると、少年は原稿を青年に返して言った。
「…正直な事言うと…あまり覚えてないんですよね…」
「……だから所々…あの一件とは違う出来事になってるのか…」
「まぁ…何個かはわざと変えてますけど…」
「よし!…じゃあ僕があの一件の全てを…脚色や誇張無しで話してあげるよ!…そうしたら思い出すでしょ!」
「え゛!?」
「近くの喫茶店へレッツゴー!」
「ちょ…マジすか!?」
二人の青年は、少年に引っ張られ、喫茶店へと入っていった。
「…えーっと…あの一件の始まりは……梅岡君と十郎君が悪魔に襲われてたのを…僕が助けて…」
「助けてくれたミユキさんに憧れて…僕が弟子入りした」
「そうそう!…それで……僕の弟子だからって事で…ホワイト君に異世界を救ってくれって頼まれたんだ!」
「俺も何故か行くハメになったけどな」
「そして…悪神と君達が戦い……そのあとに黒幕の存在が判明して…異世界で旅行してた僕達ヤタガラスが駆けつけた!」
「まぁ…大筋はそうですね」
「大筋は君の小説も同じでしょ」
「まぁ…大筋は……違う所は…ちょっとした出来事とかっすね…覚えてない部分はうろ覚えで書いたし…何となく改変した所もありますね…」
「絶対…全部真実…ノンフィクションで書いた方がいいよ!……という事で!…改めてあの『ディファレントワールド事件』について話しまーす!」
「…長くなりそうだな…」
「いいじゃないですか!…梅岡さんも…あの事件の事を思い出せますし!」
「まぁな……」
「…じゃあ話すよ!」
「……………ディファレントワールド事件……あの事件はほんの些細な事から始まった…ッ!」
……To be continued?……




