川畑vsイザナク
「一体どうなってる!?」
「……いきなり…ッ…業人共が!!」
業人に囲まれたSdSへ、ナオト達が降り立った。
「七海!…さっきの会話聞いてたよな!」
[ああ!…カイトが神共をぶっ倒したんだろ?]
「ああそうだ……そして今…本部へ戻ってきたが業人が溢れ返ってる……この調子だと…世界にも業の侵食が進んでいる筈だ!」
[…俺達がそれを食い止めるってわけだな…]
「そうだ!…ストレンジャー達にもそう伝えておいてくれ!……俺はラスボスのカイトを倒して…このしょーもねぇ物語を…終わらせるッ!」
スマホを切って、ナオトはミユキと樹一郎へ言った。
「…お前らは業人の掃除を頼む……俺はカイトブッ倒してくるからよ」
そう言い残し、ナオトは業人の溢れ返る本部へ突っ込んでいった。
「うぉぉぉらぁぁぁ!!」
目の前の業人を蹴散らし、本部の中へと突撃する。
「数が多いな…ッ!!」
そして中へ突撃し、ナオトは片っ端から業人達をブン殴り、上を見上げてた。
「……で………なら………………よし」
ナオトは踏ん張ると、周りの業人を巻き込んで大ジャンプをした。地面に亀裂が入り、ナオトは天井の窓を突き破った。
「…来てやったぜ…この野郎…」
「待ちくたびれたよ…」
……
「ウ…ガワ………」
「YO…!」
「ウガワァァァァ!!」
カザナミは、宇川を見ると神々を蹴散らして突っ込んだ。宇川は、カザナミの頭を押さえていた。
「宇川!」
「…へへ……ンの犬っころがァ…!」
「コロスッ!!…コロスコロスコロス!!」
「ゴラァァァ!!」
噛み付こうとするカザナミを、宇川は思い切りブン殴った。
「…コロス…絶対に殺す…ッ!!」
「上等だぜ!…来いやァ!!」
……
「……お互いに脳筋な仲間を持つと苦労するね」
「…まぁな」
「さぁ…僕達はあの脳筋達と違って…クールに戦り合おうか!」
川畑と向かい合っていたイザナクが、目にも留まらぬ速さで間合いを詰めた。
「……フッ…」
「…まぁ……こんなジャブ程度は躱してくれないとネ…!」
イザナクの攻撃が来るのを、まるで分かっていたかのようにして、川畑は躱した。
「ふふ…良い目だね……君とは楽しめそうだ」
「……楽しむ暇は無いかもしれないぞ…?」
川畑は、イザナクの前で無造作に手を垂らした。
「…一見……構えてないように見えるけど…君の場合は……ソレがもう既に構えなんだね…」
「……フン…」
すると川畑は、目にも留まらぬ速さで、イザナクにジャブを繰り出した。
「…あれれ〜…おかしいなぁ…!」
「……ッ…!」
「当たってないよ?」
何度攻撃しても、川畑の攻撃は全く当たらず、擦りもしない。
「それじゃあ…今度はこっちの番…!」
イザナクの目が黄色く光ると、イザナクは高速ジャブを繰り出した。川畑はそれを、最小限の動きで躱した。
「…ッ!」
「ふふ…!」
しかし、イザナクのジャブは全て、川畑へ命中していた。
「……フン…」
「耐えるね…!」
川畑はノーモーションでハイキックをした、イザナクには先ほどのジャブと同様で、擦りもしない。
「無駄だって…!」
「…く…ッ」
イザナクの攻撃は、どれだけ躱しても全て被弾した。それを見て、イザナクは不敵に笑っている。
「……なるほどな…」
「ん?」
川畑がイザナクへゆっくりと近付いた、イザナクはジャブを繰り出す。
「…フッ……!!」
被弾しながらも、イザナクの至近距離まで近付くと、川畑は思い切り虚空をブン殴った。
「……あ…」
その瞬間、イザナクの顔が透明な拳に殴られたかのように凹み、イザナクは吹き飛んでいった。
「……………」
「…思ったより…早く気付いたね……ッ…」
わざと攻撃を外せば
川畑は倒れ込むイザナクを、見下ろしながら言った。
「……逆だ…」
「……………」
「お前の目が黄色く光っている時は…お前が行い…お前に向かって行う行動が全て反転する……それがお前のふざけた能力の正体だ」
そしてイザナクの襟を掴み、川畑は拳を握る。
「だから…わざと攻撃を外せば…命中する」
「……はは…見事だよ……川畑君…」
川畑は、虚空へジャブの嵐を打ち込んで、イザナクから手を離した。イザナクの顔が、押し潰されていく。
「あぁ…解除……間に合わないか…」
「………フン…」
イザナクは、地面へとめり込んで消えていった。
「…あとは……宇川とナオトだけか…」
……
「コロス…コロスゥ!!」
「こンの犬ッ!!」
宇川とカザナミが、お互いに向かい合う。
「グラァァァァ!!」
「噴ッ!!」




