一刀両断の七海
「俺は宇川だ!!」
「…あ?……何だいきなり名乗りやがって…」
「お前をボッコボコの…メッタメタの…ボロ雑巾にする奴の名前だ!!…覚えておきたいだろ?」
「テメェ…」
それを聞いて、イワンはノーモーションタックルをかました。宇川はそのタックルで、全く動かない。
「な…ッ…」
「……一つ言ってやろうか?」
宇川は、タックルしているイワンの肩を持つと言った。
「来ると分かってる攻撃じゃあ…俺は倒せねー…よッ!!」
そして思い切り膝蹴りを食らわせた、それを食いイワンの手が離れると、宇川はイワンを背負い投げした。
「ぐぅ!!」
「どした!?…この程度か!?」
するとイワンは、宇川から離れると身体の拘束具を外し始めた。
「おっ!?…第二形態か!?」
「……俺にはかつて…ペインという師匠がいた…」
拘束具を外しながら、イワンは話し始めた。
「師匠は名の知れた強者でな…悪魔や天使の中でもトップクラスの実力を持っていた………」
「へえ!」
「師匠は超えられなかったが……俺はその師匠の…90%の力を体得した…この拘束具は…その力で勢い余って周りのものを破壊しない為のものだったが……どうやら解放する時が来たようだな…」
その話を聞いて、宇川は頭を掻きながら言った。
「はは!…お前……漫画のかませ犬みてーだな!!」
「本当にかませ犬かどうか…確かめてみろ……」
イワンの身体が黒くなり、ツノが生えた。そして、次の瞬間、イワンは宇川の目の前から消えた。
「ほい!」
「うげ…ッ!?」
背後に回っていたイワンへ、宇川が裏拳を食らわせ、怯んだスキに回し蹴りを繰り出した。
「ぐく…ァ…ッ!!」
「休む暇ねーぞ!!」
そこへ更に追撃を繰り出した、それを食らってイワンは地面へ膝をついた。
「な…こんな……ッ…」
「あー…なんやったっけ?………お前の師匠のペインか…」
宇川は頭を掻くと、嘲るようにして、イワンへと言った。
「…ペインは俺が秒殺でブッ倒した奴やで!……師匠を超えられんお前が…俺に勝てるわけないやろ…!」
「な…なんだと…」
「ほんじゃ…そゆことで……ちょっと寝ときや!!」
「く……クソォォr」
その次の瞬間、イワンの意識は途絶えた。
「…お?」
斬仁が王のいる城の前で座っていると、イワンを担いだ宇川が歩いてきた。
「ブッ倒してきたぜ!」
「おー…3分で倒したのか!…以外と早かったな!」
そして斬仁は、近くの兵士達へ、満遍の笑みで言った。
「よし!…俺の予想通り5分以内に倒してきたから…賭け金は貰うぜ!」
「クソォ……5分以上はかかると思ってたんだけどな…」
「お前ら…俺がどれだけ早く倒すか賭けてたのか…」
「ああ!…まぁな!」
「…ッたく…ンの野郎が………そういやぁ…他の奴はどうかな…?」
……
「よし…行くぞ」
「ああ」
七海が合図をすると、乖理は巨大な天使の足元へ潜り込んだ。
「はッ…!」
乖理は天使の足元の地面へ手を当てた、するとその途端、雷が天使へ襲いかかった。
「雷…!?」
【SdSの魔王】極闇堂 乖理
レベルⅩの悪魔、天使、業人の撃破数14体
レジアル『T-ArX』
グローブ状のレジアル。炎と雷を生み出す事が可能で、炎や雷は自在に操る事が可能。
「雷で動きを封じている…ッ!」
乖理が雷で、天使の動きを封じているスキに、七海がビルの屋上に立っていた。
「…フッ…!」
そしてビルの屋上から飛び立つと、天使へレジアルを振り下ろした。レジアルは、頭に食い込み首辺りまで切ると止まった。
「……ッ!!」
しかし七海は諦めず、そのまま腕に力を入れて巨大な天使を一刀両断した、七海は地面スレスレで止まっていた。
「…………」
「うぉぉ……」
「やりやがった……」
腰に付けていたロープを外して、真っ二つに倒れている天使を見ると、その上を歩いて何かを探し始めた。
「…ここら辺に…本体がいる筈だ」
そして真っ二つになっている巨大天使の、心臓辺りで止まるとレジアルで切り開いた。
「いた…コイツだ」
「そいつか」
そしてその切り開いた場所から、気絶している人の姿をした天使を引きずり出した。
「…う…く………あッ!…おまr」
天使が目覚めたと同時に、七海は天使の頭をレジアルで殴って気絶させた。
「よし…拘束具を付けて連行だ」
拘束具を素早く付け、七海と乖理は天使を運んでいった。天使の巨大な体は、本体を出してから少しして、徐々に消滅していった。
「アレが総特抵士官…」
「…やっぱバケモンだな……」
天使を運ぶ2人を見て、周りの抵士官達はただただ、見送っていた。
「……そういえば…他の総特は何処へ行ったんだ?…レベルⅩ討伐のサポートをするって聞いていたのだが……いないぞ?」
「レベルⅩの討伐のサポートをする予定だったが……向かっている最中にドイツへレベルⅧの悪魔が大量に押し寄せたらしくてな……急遽ドイツに向かったんだ…」




