サリヴァン
「あっ…それ使うんだ…」
「…ああ」
「君なら素手で倒せんじゃないの?…あの程度…」
ミユキは少し遠くに立つ、悪魔を見ながら言った。
「……念の為だ」
「…にしても鉄パイプかぁ〜…懐かしいなぁ〜……街中で襲ってきたヤンキー君が鉄パイプ持ってたよ」
「ほぅ」
「まぁ…鉄パイプなんて僕にとっては……ポッキーみたいなものだけどね」
そしてミユキは、殺意の投げナイフを、悪魔に向かって投擲した。
「…ッ!」
悪魔は何かを察したように、投げナイフを躱した。
「……ミユキか」
「お?」
「そこだな」
「…この距離でバレるんだ」
そして、悪魔はミユキとマイケルのいるビルの屋上へと、一瞬で移動した。
「サリヴァン…だったか?」
「…まさかそちらから来てくれるとは……こちらから行く手間が省けた」
すると突然、サリヴァンは天空を指差した。その瞬間、空から光の槍が降り注いだ。マイケルは受け流し、ミユキは最小限の動きで躱す。
「……ミユキ…あの時の借りは返させてもらう」
「借り…?……ごめんね!…君みたいなモブの事なんて覚えてないや!」
「相変わらずふざけた奴だ」
そしてサリヴァンは、ノーモーションで蹴りを繰り出した。
「フンッ!」
そこへマイケルが、蹴りを受け流しながら鉄パイプを、身体へ叩きつけた。
「…ッ……何だお前…」
「!!」
「モブはすっこんでろ」
サリヴァンは、一瞬怯んだがすぐにマイケルへ、ローキックを食らわせた。
「……モブじゃねぇよ」
マイケルはサリヴァンの蹴りを、鉄パイプで受け流した。
「…なるほど……鉄パイプは武器ではなく…受け流しの道具として使ってるのか……」
「昔……ある天パ野郎に教えてもらったんだよ」
「……ナオトか…」
「通りで見た事あると思ったよ」
サリヴァンはその受け流しを見て、怒りを抑えながら呟いた。
「忌々しい…」
「あ…?」
「…もう見る事は無いと思っていたが……クソが」
するとサリヴァンは、腕を広げた。
「……お?」
サリヴァンが腕を広げると、何も無い空間から大きなゲートが開いた。そのゲートの中から、無数のサリヴァンの幻影が現れた。
「…あの時の…か」
「サリヴァンの落とし子…」
「……………殺れ」
そしてサリヴァンが手を挙げると、サリヴァンの落とし子達は、ミユキとマイケルの元へ突っ込んでいった。
「…ッ!?」
すると、サリヴァンの落とし子達は黒い衝撃波を食い、次々と倒れた。
「人間失格の…応用編ね」
「そんな事もできるのか…」
サリヴァンは落とし子達の間をすり抜けて、ミユキとマイケルの目前まで迫った。
「……お前らを殺す事は到底できないが…」
「…ん…?」
「少しだけ…時間稼ぎをする事は可能だ」
目の前の空間へ、サリヴァンが掌底打ちをすると、ミユキとマイケルは後方へ引っ張られるようにして、落とし子達諸共吹き飛んでいった。
「…うぉぉ……」
「チッ…」
マイケルは近くの外灯へ、鉄パイプを引っ掛けた。鉄パイプと外灯は折れ曲がったが、何とか止まることができた。ミユキは、地面に包丁を突き立てていた。
「……そこそこ飛ばされたね」
「ああ…急いで戻るぞ」
……
「…王は何処だ」
「ク…クソ…」
人の王レクターの前まで迫るサリヴァンを、護衛隊が何とか止めている。
「うぉぉ!…ゲフッ…」
「…馬鹿なのかお前らは……何故そう死に急ぐ…?」
「……ッ…!」
ゆっくりとサリヴァンは、護衛隊を蹴散らし、王の間の扉へ手をかけた。
「……あ…?」
扉を開けると、マイケルが拳を振り上げていた。突然の出来事に、対応できなかったサリヴァンは、拳を食らって壁を壊しながら吹き飛んでいった。
「…はは……凄いな抵士官は…」
「賠償してほしいなら…本部に言ってくれ」
マイケルはそう言い残し、すぐさまサリヴァンの元へ向かった。
「くッ…」
『なんてパンチだ……アイツ…悪魔か…』
「…!?」
「こんちゃーす!」
そしてサリヴァンの肩をミユキが叩いた、サリヴァンが振り返るとミユキは包丁で斬りかかってきたので、サリヴァンはすぐさま躱した。そこへ、マイケルも歩いてくる。
「お前ら…」
「ラウンド2!」
サリヴァンがミユキの斬撃を見ずに躱し、マイケルの打撃も躱すと、マイケルが不敵に笑った。
「……ッ!?」
その瞬間、サリヴァンが何かの衝撃で空中へ浮かび上がった。
「ぐ…がッ…は…ッ!?」
「フン…」
数秒浮いてサリヴァンは地面へ落下した、そこへマイケルが歩いてくる。
「…お前……まさか…」
「……………」
「nr…ッ!?」
サリヴァンが何かを言おうとした瞬間、ミユキがサリヴァンの首に手をかけた。
「とりま再起不能になってもらいまーす!」
「がぺッ…!」
そしてサリヴァンの頸髄を、90度に折り曲げた。
「悪魔だし…このくらいじゃ死なないっしょ」
「…よし……これで終わりだな」
「みんなは大丈夫かな…?」




