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世界に降り立つ




「あっ!……あの時…僕が痛め付けた人か!」

「…お前……やっぱイかれてるよ…」

「ひ…ひぃぃ…」

「ボス…」

「へぇ!…ボスになったんだ!」


盗賊の前へ近付き、ミユキは盗賊と同じ頭の高さになって、屈んだ。


「……今度は手下の前で…いじめてあげようか?…」

「お…お前ら!…さっさとずらかるぞ!」

「…は…はい…」


ミユキのその眼差しを見て、盗賊は仲間を連れ逃げていった。


「………人間にも同じ事やってんのかよ…」

「そんな酷い事してないよ」

「…そんな酷い事してないなら……お前の顔見ただけでああはならねぇよ」


そして盗賊を退け、ミユキとサラマンダーは館の二階へと向かった。


「……これだね」

「これか」


ミユキとサラマンダーは、鈍く光る魔法陣を見た。


「これに乗れば天界へテレポートできる」

「さっさと行こうぜ」


そうして二人が魔法陣へ乗ろうとしたその時、外に轟音が響き渡った。


「…少し見に行こうか」

「……ああ」


二人が見に行くと、そこには業人の姿があった。


「業人…」

「倒さないと…この世界がヤバイね」


ミユキが包丁を抜こうとしたその時、サラマンダーがミユキの前へ立った。


「…ミユキ……」

「ん?」

「お前は…カイトを倒さねぇといけねぇんだろ?……早く行けよ…」

「え…?」


サラマンダーは、業人の前で構えると続けて言った。


「お前は急いであの世界へ戻れ!……心配するな…コイツらは俺が倒しておく…」

「でも…!」

「早く行け!…もう時間が無い……」

「そんな!…君を置いて行けないよ!」


ミユキは涙目で叫ぶが、サラマンダーは不敵な笑みを浮かべた。


『このまま…漫画みてーな展開でミユキを天界へ戻せば!……俺はこの世界でほとぼりが冷めるまで…隠れる事ができる!』

「サラマンダー!」

「いいから…行け!」

『どうせ天界に行ったら…捕まっちまうしな』

「……分かった………僕は先へ進む…だけどその前に…………サラマンダー…死ぬなよ……」

「ああ!!」


そしてミユキは、包丁を抜くと目の前の業人全員を細切れにした。


「……あ…」

「君を置いていくわけないでしょ……ッたく…ちょっと君のノリにノってあげたけどさー………あのまま君をここに置いて僕だけ天界に行くって……馬鹿でしょ」

「…………」

「ほら…行くよ」

「はい」



……



「なるほどな………というかサラマンダー…お前がそんな馬鹿だとは思わなかったぞ」

「…………」

「漫画のお約束の流れになれば…ミユキは自分を見逃して一人天界へ戻るって……馬鹿の考えだろ」

「…クソ……」


サラマンダーの馬鹿な作戦を、マイケルはいじっていた。


「ともかく…ハカセの事とか…色々話せよ」

「…………」

「…ハカセの名前とか…顔とかは」

「……さぁ」

「さぁ!?」


マイケルは思わず声に出し、サラマンダーの目を見た。


「知らねぇよ」

「…いやいや……お前協力してたんだろ?」

「アイツはいつもあの防護服着てっから…顔が分かんねぇんだよ!…名前も知らねぇよ!」

「嘘はついてないね」


壁にもたれかかるミユキが、マイケルへと言った。


「クソ……手掛かり無しか…」

「あっ…いや………」

「何だ」

「……3日前に少し気になる事を言ってたな…」


そう呟くサラマンダーへ、マイケルが尋ねた。


「…言ってみろ」

「……SdSは3日後…つまり今日潰すって…」

「なに…?」


すると本部内へ、アナウンスが流れた。


[危険度Ⅹの悪魔4体が世界各地へ出現した!…抵士官達は直ちに…集会所へ集合してください!]

「…マジかよ」

「行こう!」


マイケルとミユキは、サラマンダーの牢から飛び出した。


「……4体の悪魔…レベルⅩ………もしやあの野郎…俺以外のアイツらも味方につけやがったのか……?」



……



「…よし…それでは部隊別に討伐へ向かえ!」

「「はい!」」


七海はそれぞれの部隊の討伐対象と、その対象のいる場所を伝えて、部隊を悪魔の討伐に向かわせた。


「……狙ってたのかもな…」

「…いや…狙ってるとしか思えないだろ」


悪魔が現れる数時間前、シゲキとマサミ、タケヲとトシジは、別世界に現れた業人の討伐へ向かっていた。


「……お爺ちゃん達や…父さん(ナオト)がいない今…僕達がやるしかないね」

「だな……ちゃっちゃと片付けるぞ!!」


ヤタガラス達も、急いで討伐へと向かった。それを見て、七海はレジアルを握る。


「……準備はできたか?」

「ああ」

「…………」

「よし……俺達も向かうぞ」



……



「…王を差し出せ……死にたくはないだろう?」

「くッ…」


一人の悪魔を前に、王の護衛達は壊滅状態だった。


「……!」


すると悪魔が、その場から離れた。その瞬間、地面へ亀裂を作り、二人の青年が降り立った。


「おーおー…ヤベー状況じゃねぇか!」

「…さっさとブチ殺すぞ!」

「斬仁と…宇川……」
















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