水中戦
「…何だ」
[業の瘴気を帯びた飛行物体が突如出現し…ついさっき観測したッ!]
「業だと?」
[お前達の真上にいる!…早くそこから逃げろォ!!]
「何だって…!?」
その瞬間、マイケルと七海の目の前に黒い物体が落下した。
「……業だと?」
「…こいつが…」
黒い物体の中からは、鬼のような業人が飛び出してきた。
「早く倒さなければ…街が汚染される!」
「突如出現ってのが気になるな…」
2人は、業人の前で構えた。業人は、獣のような動きで、2人へと迫った。
「…ッ!」
七海はすぐさまレジアルを起動して、業人の攻撃をガードした。
「こんな業人…見た事が無い……新種か…!?」
「…………」
マイケルは業人へ向かって、思い切り蹴りを食らわせた。その蹴りは喉に命中し、業人はその場でのたうちまわった。
「…む……」
「どうした…?」
怯む業人の顔面を、マイケルは剥ぎ取った。すると、黒い皮が剥がれ楽織の顔が現れた。
「楽織…!?」
「……ハカセとやらに何かされたな…」
「クソ……あの野郎…」
すると楽織は、叫び声を上げると獣のようにビルの壁を登り、逃走した。
「…七海……みんなへ連絡しろ…」
「マイケル…!?」
「俺は…奴を追う…!」
そしてマイケルも、ビルをよじ登って楽織を追っていった。
「……本部…」
[大丈夫だったか!?]
「ああ…俺は大丈夫だ………とりあえず…今から至急…抵士官達へ招集命令を出してくれ…50人程でいい…」
……
「楽織…」
「…グガウ…ル…」
「……聞こえねぇか」
マイケルはビルからビルへ、飛び移りながら楽織を追っていた。
「ガァ!!」
「…危ねぇ…」
攻撃を避けながら、楽織を追っていると、後ろへミユキがついてきていた。
「…ミユキ」
「よっ!……実はついさっき七海君から…マイケルが業人になった楽織を追ってるって聞いてさ!」
ミユキは、背中の業キラー武器を抜いて言った。
「急いでコレを持ってきたんだ」
「うむ…ナイスだ」
マイケルはミユキの投げ渡した業斬を受け取り、鞘から抜いた。
「……斬る…ッ!!」
そして、楽織へ斬りかかった。だが、楽織はその斬撃を躱した。
「チッ…」
「ヴォォォォ!!」
斬撃を躱した楽織は咆哮し、背中に翼を生やした。
「翼!?」
「ゴォォォ!!」
翼を羽ばたかせ、楽織は天空へと消えていった。それを見て、マイケルとミユキは立ち止まる。
「……逃げられた…」
「いや…まだだ……」
「え?」
マイケルはスマホを取り出した、スマホにはマップが表示され、そのマップを見ると赤い点が移動している。
「GPS…いつのまに…」
「さっき付けておいた……このまま追うぞ…」
スマホを確認しながら、マイケルとミユキは再び、楽織を追い始めた。
……
「……海か…」
楽織のGPSは、海の真ん中から不動だった。
「…ッたく……」
マイケルはスーツを脱いだ、下には海パンを履いている。
「海パンを履いておけば…いつでも水中で行動できる」
「……学習したんだね」
ミユキも服を脱いで、包丁を握った。するとそこへ、七海達がやってきた。
「七海…」
「お前ら…何で海パンなんだ…」
「海の中に楽織がいるからさ…」
「…ミユキ…行くぞ」
マイケルとミユキは海へ歩いていき、水中へ潜っていった。
「水中か…」
「…海パン用意しとけば良かった…」
水中へ潜ると、マイケルはGPSの方向へと泳いでいった。マイケルはミユキを見て、水中スレートに何かを書いた。
『海の中でゴーグル無しとはな』
『これくらいはできるよ』
ミユキはマイケルから手渡された水中スレートへそう書いた、そして少し泳ぐとマイケルが何かを手に取った。
『GPSがあった、近くへいる筈だ』
するとその時、サメのような形をした何かが、マイケルへ喰らい付いた。
「…ッ!!」
それはサメの形をした楽織だった、ミユキが急いでマイケルと楽織を追いかける。
「バロロロ!」
マイケルが楽織を殴ると楽織は、マイケルから離れた。
『大丈夫!?』
『大丈夫だ』
楽織が、マイケルとミユキをジッと見つめる。まるで、獲物を見るサメのような目で。
『俺が気を引いてる隙に、お前が斬れ』
『了解!』
マイケルとミユキは武器を交換して、楽織の方を見た。
「ボロロロロロッ!」
楽織が水中で咆哮し、突進をしてくると、マイケルが包丁を握り、楽織へ思い切り突き刺した。
「ゴロララッ!!」
包丁がサメの肉体に突き刺さり、楽織は暴れ回る。そして、ミユキの方は向かっていった。
「…ッ!!」
ミユキは水中で振っているとは思えない程のスピードで、業斬を振り、楽織を一刀両断した。
「ギョロゴゴゴゴゴ…ッ」
そして、楽織を包み込む業の部分が淡く溶け始め、楽織の肉体が露わになってきた。
「…ッ!?」




