表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
429/457

楽織との再会




『日記か……俺より以前にここに入れられていた奴の…』


 朗報だ、なんと棒ヤスリを盗む事に成功した。

 これで鉄格子を破壊して、脱出する事ができるかも。

 これから目を盗んで、鉄格子を破壊してやる。


『ほう…』


 削り始めてから、何日経っただろうか、ついに

 鉄格子の破壊に成功した、あとは見つからずに

 出るだけだ。

 鉄格子を外し、その隙間から抜け出す。

 俺は必ず、この地獄からで


『…ここから先は書かれていないな……しかし…鉄格子を破壊しただと?』


メモを読み、楽織は鉄格子を一本一本確認した。すると、一番右側の鉄格子が、外れる事が分かった。


『このメモを書いた奴は出られたのだろうか……いや…書きかけなのと…鉄格子が修理されてないのを見ると…その可能性は低いな……脱走者が出たのなら…この牢獄を調べる筈だし…』


楽織は音を立てずに、ゆっくりと鉄格子を外すと、牢獄の外へ出た。


『よし…あとは見つからずに外へ出られたらいいのだが……この場所の見取り図が必要だな…』


鉄格子を直し、楽織はゆっくり屈んで廊下を進んだ。


『…とりあえず……装備もあれば回収しないとな…』


廊下を進んでいくと、声が聞こえてきた。その声を聞いて、楽織は急いで隠れた。


「……ああ…研究は進んでいる………フン…言われなくとも分かっている…」

『…俺をさらった奴…!』


誰かと電話をしているハカセが、楽織の隠れている廊下を通り過ぎた。


『……変な薬を投与か…調べてみるか…』


ゆっくりと、楽織はハカセを追っていった。


『…俺を気絶させる程の強さ……やり合っても勝てるか分からない……下手に動かないようにしないとな…』


そして少しつけていくと、ある部屋へ入っていった。楽織はその部屋に入り、思わず絶句した。


『な…んだ……これ…』


そこには、透明なカプセルに入った大量の業人の姿があった。


「凄いだろう?…コイツらは私が品種改良した業人だ……従来の業人とは訳が違うぞ…?」

「は…ッ!?」


楽織の肩をポンと叩いて、ハカセは言った。


「逃げられると思っていたのか?」

「くッ…!」


近くの薬品を床に落として、楽織は走った。


「…フン」

『……何としてもここから出る!…ここの事を伝えないと!』


楽織はただ、ひたすら走った。出口がある事を信じて、ただガムシャラに走った。


「うお…!?」


そして、走っていると何かにぶつかった。


「…は…何で……何で…()()が…ッ!?」

「……全く…逃げ足が早いな……」

「ッ…!」

「昔から変わらんな……弱い所は…」


それを聞いて、楽織は目を丸くした。


「……お前…まさか…ッ!!」

「…フン」



……



「……楽織の場所は未だ掴めず…か…」

「見つからないもんだな」


マイケルと七海が街を歩いていると、電話が鳴った。


「…何だ」

[業の瘴気を帯びた飛行物体が突如出現し…ついさっき観測したッ!]

「業だと?」

[お前達の真上にいる!…早くそこから逃げろォ!!]

「何だって…!?」


その瞬間、マイケルと七海の目の前に黒い物体が落下した。


「……業だと?」

「…こいつが…」


黒い物体の中からは、鬼のような業人が飛び出してきた。


「早く倒さなければ…街が汚染される!」

「突如出現ってのが気になるな…」


2人は、業人の前で構えた。業人は、獣のような動きで、2人へと迫った。


「…ッ!」


七海はすぐさまレジアルを起動して、業人の攻撃をガードした。


「こんな業人…見た事が無い……新種か…!?」

「…………」


マイケルは業人へ向かって、思い切り蹴りを食らわせた。その蹴りは喉に命中し、業人はその場でのたうちまわった。


「…む……」

「どうした…?」


怯む業人の顔面を、マイケルは剥ぎ取った。すると、黒い皮が剥がれ楽織の顔が現れた。


「楽織…!?」

「……ハカセとやらに何かされたな…」

「クソ……あの野郎…」


すると楽織は、叫び声を上げると獣のようにビルの壁を登り、逃走した。


「…七海……みんなへ連絡しろ…」

「マイケル…!?」

「俺は…奴を追う…!」


そしてマイケルも、ビルをよじ登って楽織を追っていった。


「……本部…」

[大丈夫だったか!?]

「ああ…俺は大丈夫だ………とりあえず…今から至急…抵士官達へ招集命令を出してくれ…50人程でいい…」



……



「楽織…」

「…グガウ…ル…」

「……聞こえねぇか」


マイケルはビルからビルへ、飛び移りながら楽織を追っていた。


「ガァ!!」

「…危ねぇ…」


攻撃を避けながら、楽織を追っていると、後ろへミユキがついてきていた。


「…ミユキ」

「よっ!……実はついさっき七海君から…マイケルが業人になった楽織を追ってるって聞いてさ!」


ミユキは、背中の業キラー武器を抜いて言った。


「急いでコレを持ってきたんだ」

「うむ…ナイスだ」


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ